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小説を探そう
手頃な長さの短編を何本か読んでみた宮野さん、活字を読むのにも慣れて来た様です。
そろそろ長い小説にも挑戦してみようと決意しました。
「ぼくの最初に相応しい、分り易く、読むのが大変じゃない程度の作品を探そう」
慣れてきたとはいえ宮野さんは読み手初心者。基準はまだまだ読みやすさです。
「しかし読みやすい小説など、どうやって探した物か。ジャンルやキーワードでも探せそうにないなあ」
検索で絞り込まれた情報を見ても、小説そのものに疎い宮野さんには、どんな内容なのか見当もつきません。
色々と検索機能を使いながら悩んだ宮野さんは、ついに決断をしました。
「こうなれば、勘で選ぶしかあるまい」
下手に悩むよりまずは実行、そう考えた宮野さんは、ビギナーズラックに頼る事にしたのです。
そうして何度か検索をしてみて、適当に目についた、短めで完結済みの作品の中から、読んだ事も無いSFというジャンルの長編小説を選びました。
この時の宮野さん、頭の中からすっぽりと「分り易さ」の条件が抜けていました。
宮野さんはうっかり者なのです。