other Episode 02:Gun Slinger3
ラプソディ3以来の長文です。
この物語は本編より約10年前の話であり、主人公は「愛沢さん」で「仁井哉」ではありません。
先に仕掛けたのは恋からだ。
視線が交錯するなか、無防備な外人女性に無数の銃弾が飛び掛かった。
予想通り、女性は銃声と同時に行動を開始するが、それは『予想をしていて予想外の出来事』だった。
虚ろな女性が一歩だけ足を踏み込むと、その足下が突如盛り上がり、たちまち高さ数メートルの巨大な壁となって放った銃弾が全て防がれる。
「……!」
恋は驚愕を覚える余裕もなく、横手に一陣の旋風が巻き起こった。既に女性は全てを粉砕する一撃を振り上げている。咄嗟に恋は、身体を旋回させ目標も確認せずにトリガーを引いた。滑らかな曲線を描く肢体に無造作に、吐き出された銃弾が送り込まれる。背後へと足ずさる女性。全弾を撃ち尽くすと同時に、素早く踏み込んだ恋はふらつく女性の胸元に身体を潜り込ませ、腹部目掛けて蹴りを繰り出した。速度、タイミングともに交わすのも受け止めるのも、ましてや反撃するなどは不可能だ。
鈍い手応え、衝撃。
電柱でも蹴りつけたかのような身体の硬質さに恋は大きくバランスを崩した。攻守交代――虚ろだった女性の紅い瞳に、ひとつの感情が芽生えていた。
笑み。それもあまりに禍々しいものだ。
繰り出されたのは拳。恋は女性の右拳を二丁の機関拳銃で受け止めるが、バランスがままならぬ状態で、耐えられるほど柔な攻撃ではない。あえなく後方へ吹っ飛んだ恋は尻餅をつく。隙だらけの恋に、裂帛の一撃――女性の踵が打ち下ろされた。反射動作で恋は銃身を盾に受け止めたが、恋の腕力では女性の脚力を押さえ込むことができず、二丁の機関拳銃はあえなく弾かれる。手持ちの銃器を失った恋の側頭部に、続けさま二撃目となる踵が送り込まれた。
能力――発動。
女性が繰り出した蹴りは恋を捉えることなく大気を切り裂き、つむじ風を巻き起こした。物体転移により瞬間移動を果たした恋は先程の位置より数メートル後方、膝を大地に着け、へばり込んでいた。
それもそのはず。恋の?能力?――物体転移は一度のテレポテーションで浪費する体力は計り知れない。今のを含めると今日は既に三回は?能力?を発動させたことになる。時間を長く置いてあるわけでもなく、約三十分近くの間に連続使用したのが仇となり、今現在の恋の体力は、著しく低下していた。
それに極度の体力消費には他にも理由がある。
女性の?能力?について、頭を悩ませていた。
彼女の人間離れした身体能力、肉体強化系と見限り、他の選択肢は除外されたと想定していた。しかし、彼女は不可思議な?能力?で『地面を持ち上げ』、銃弾を防いだ。見間違いはありえない、ましてや奇跡が起こったわけでもない。彼女は恋の目前で堂々と?能力?を行使し、銃弾を防いだ。地面を持ち上げる?能力?……繊細は不明だが精神エネルギー変換系の?能力?であろう――そう仮定を建てると、彼女の人間離れした身体能力の高さの説明がつかなくなる。
『訊こえているならば、応答を頼む、《拳銃屋》』
男のテノール声が恋の耳朶を刺激した。
「……訊こえています」
『状況を報告しろ』
「……能力者暴走中、ただいま抑圧しています。原因は?能力?開花と同時になんらかの副作用が働いたと思われます」
漆黒の双眸が見詰める先には、正気を失った女性がまるで別人のような禍々しい形相で高笑いをしている。狂喜に満ちています。
「それより、能力者に異なる?能力?が複数身に付く可能性はありますでしょうか?」
対話をしながらも、恋は?能力?を行使し、弾き飛ばされた機関拳銃を再び手元へと引き寄せ、空になった弾倉を抜き出すと予備のマガジンを装填した。
『前例はない。機関のデータベースにもそのような情報は皆無だ』
もちろんの事、恋もそのような前例は知っているはずもない。
「わたしがただいま応戦中のお方は二種類の?能力?を持っているらしいのですが、どうしたらよろしいでしょうか?」
『能力者の抑圧、連行。卿のやることはそれだけだ』
前代未聞の異例な能力者にも拘わらず、通信先の男は声音ひとつ変化がない。表情こそは窺えないが無表情をキープしているのだろう。
「解りました……けど、普通の交通機関では彼女を連行することは厳しいです。そちらで何か対策を練っといて下さい」
待って下さい――恋の脳裏にふとした考えが過ぎる。
能力者の?能力?はひとりにつきひとつ……この場にいる人間は、わたし、外人女性だけではありません……自称従業員の男性がいました。男性が能力者という線はないでしょうか? 女性は肉体強化系能力者、男性は精神エネルギー変換系能力者。
「わたしとターゲットを除いた、異なる?能力?反応は見受けられました?」
『確認済は第三級指定、第五級指定の二種類だ。それ以外の?能力?反応は見受けられない』
と、ゆうことは、男性はシロですか……。
だいたい男性が能力者であり、彼女をサポートしているのだとしても、そこには男性にとってどのようなメリットが存在するのだろう? それに脅える男性の姿が計算尽くされた演技だとしたら、それこそアカデミー助演男優賞物だ。
――そもそもやり方があまりにも回りくどいです。他に可能性があるとすれば……ひとつの?能力?を応用させて、肉体をも強化させている……この線も極めて低いでしょう。そんな応用力が効く?能力?など、最低第二級指定以上の卓越した能力者でなければ不可能です。
外人女性は今し方、恋の存在を認知したかのように、眼の焦点を合わせた。
嗤いがピタリと止んだ。
「………うぁあああああああああ!」
悲鳴に近い雄叫びを挙がったのと同時に、恋は上体を屈めながら女性の有効範囲へと果敢に踏み込んでいった。
反射的に襲いかかってくると思いきや、女性は発狂したままその場で頭を抱えている。
好都合とはまさにこのこと。恋は女性の胸元に滑り込もうとした、刹那――地面が突如盛り上がり一枚の壁が出現した。例の正体不明の?能力?。進行を遮られた恋は一瞬の躊躇いも逡巡もなく、回り込むように壁を迂回する。恋の視界が遷移して最初に映し出されたものは、女性が撃ち降ろすように放たれた手刀。
恋は上体を無理やり捻り曲げる。
文字通り風切り音を発する手刀は、わずかに脇腹を掠めとり、特殊材質で縫製された漆喰のジャケットを切り裂いた。恋は怯むことなく捻り曲げた身体をそのまま旋回させ、横手に回り込むと機関拳銃を女性の大腿部へ突きつけた。
「終わりです」
ほぼゼロ距離からの一点集中砲火。想像を絶する凄まじい反動が恋の腕に襲いかかる。しかし、女性の方はその数十倍のダメージを受けているはず……これだけの近距離ならば肉体強化系とて無傷ではいられまい。
轟音の反響が鳴り響くなか、外人女性は「何事も無かったかのように」身体を恋へと開き直った。たった今穿ったはずの右大腿部には損傷どころか、既着している作業服さえも無傷だ。何故?
大地すら穿つ破壊力を秘めた拳が、地面を這うような位置から恋の下腹部に突き刺さる。
骨が、軋む。
受け止める暇もなく、恋は腹部に強烈すぎる一撃を浴びた。その衝撃で恋の足は大地から軽く浮き上がり、開口された口から朱色の液体が吐き出された。続けさま顔面に桁違いの破壊力を秘めた拳が送り込まれた。ほぼ無意識状態のまま、顔面を護るように銃身を盾にしたが、ふんばりが効かない状態では当然のように遥か後方へと吹っ飛んだ。
受け身すら取れずに恋は背中から地面に叩きつけられた。やはり、?能力?の酷使が恋の体力を確実に蝕んでいるらしい。それに腹部に感じる焼けるような痛み……機関特製のジャケットが緩和してくれたとはいえ、内臓には重大なる損害を受けたことに変わりない。
恋は口元に付着した血を拭いながらも、思案は怠らない。思考を止めたときこそ、敗北の瞬間だと思いこんでいる。
――全弾直撃で無傷とはいくら肉体強化系とはいえ、ありえません。それに肉体強化系でしたら、衣類まで無傷にすることはできないはずです。機関特製のジャケットならまだしも、どこにでもある作業服が機関拳銃に耐えられる耐久性を持っているわけがないです……もしかすると……。
「……あれ?」
立ち上がろうとした恋は自分の視界に濃霧のような靄が発生し、再び尻餅をついた。
今の一撃……恋が考えている以上に身体には応えている。
「自覚している以上に体力の浪費が進行しています……ので少し待ってくれますか?」
恋が見上げる先には、ブロンドヘアが風に靡かせ、威容な雰囲気を醸し出す女性の姿がある。衣服も体力も満身創痍の恋に対し、女性は息一つ切らしてなければ、作業服さえも若干埃が被っているぐらいだ。
自分の置かれている立場を再確認したうえ、恋は小さく吹き出した。
――歴然とした実力差です。適うわけありません。
「普通でしたらですけど……」
二丁の機関拳銃を見下ろす女性に向かって、容赦なく投げつけた。女性は虫でも追い払うような手の動作で機関拳銃はあっけなく弾かれる。
「あなたさまに無くてわたしに有る物」
恋は腰に巻き付くホルスターに手を伸ばし、回転式拳銃を引き抜くと同時にコッキングを済ませ、女性の露出した脚に狙いを定めた。
「経験の差です」
火を噴く銃口が女性の素足に弾丸を撃ち込んだ。銃弾は脚線美を描く脚の肉をえぐり取り、女性はガクっと片膝を大地に着けた。
撃鉄部分に左手、引き金に右手。撃鉄を起こし、引き金を引くというシークエンスを手動とは思えぬ存外の速さでひたすら繰り返す。肌が剥き出した部位だけに狙いを定め、一直線に弾丸が迸る。ゴム弾を使用している為、貫通はしないものの、女性の両手首、両足首から血潮が溢れ出し、明瞭なダメージを与えられている。
全弾を撃ち尽くすと、恋はおぼろげな足取りで立ち上がり、今にも倒れそうな歩行で背後へ後ずさった。
「思った通りです。あなたさまがタフな訳ではなく、?能力?行使により、衣服の耐久性を強化していたのですね。分解、化学結合。物質状態の性質、形状変化。蹴りを入れた時点で気付くべきでした」
恋の考えはこうだった。
外人女性はふたつの?能力?を保持している。ひとつは、肉体強化系。階級により強化できる箇所に差は出てくるが、第三級指定レベルなら、全身強化は容易いだろう。
そして問題となる二つ目、恐らく精神エネルギー変換系『性質変化』。
結合済の物質を一度分解させ、他の原子、分子を取り込むことにより、一時的に物質の形状や性質を変化できることが可能な精神エネルギー変換系の代表的な?能力?。しかし、分解できる物質は無機物か、命を持たない有機物限りだ。人間を始め、生物の性質に手を加えることは出来ないと言う。
兄が教えてくれた数少ない入れ知恵が、今回初めて役に立った。
「うああああああああああああああああ!」
裂帛の雄叫びを挙げつつ、女性は這うような姿勢で恋に向かい猛進する。
「まだ、やる気ですか?」
普通なら歩くことも困難な怪我を前進に負っているにも拘わらず、女性は攻め込んでくる、が、先程の動きと比べれば段違いに緩慢で遅い。体力残量が尽き欠けている恋にでも、安易に躱せる。
わざと女性を胸元に誘き寄せる。下顎に跳ね上げられた蹴りを、恋は斜め前方に踏み込み躱すと、不安定な一本の軸足を跳ね上げるように引っ掻けた。女性は背中からまともに叩きつけられたながらも、片手で恋の袖口を掴んだ。
「なっ……!」
恋の右腕に赤く染まった二つの脚が絡み尽き、人外の膂力と勢いで間接許容範囲を超えたあらぬ方向に引っ張り倒され――
ゴキリ。
芝生に倒れ込んだ恋の右腕は本来向くことのない方向を差していた。
恋は、今までに感じたことのない右腕の激痛、瞳孔の湿り具合も全て歯を食いしばり耐え抜き――反射的に?能力?を発動させた。
転移終了と同時に全身の力は抜け落ち、恋は草原へ倒れ込み、ある言葉が脳内を反芻した。それは恋が派遣戦闘委員になり初任務前に兄が言った台詞だ。
――いいかい、恋? 相手がどんなに格下で、ひ弱そうな人間だろうが、瀕死に近い重傷を負っていようが、降伏するまで気を抜いてはいけないよ。窮鼠猫を噛む、油断大敵。一番恐ろしいのは?能力?なんかじゃない。一番恐ろしい物は……
人間なのだから。
恋はその言葉を解っているつもりだった。しかし今の恋の姿はなんだろう? 己の勝利を勝手に確信し、油断した挙げ句、片腕を再起不能にさせられた。体力の限界を超えた上で?能力?を使用してしまった。結果的に重傷を負い、もはや立ち上がる体力さえもない。
それでも奏功させなければならない責務がある。形振り構っていられなければ、手加減ももうできない。
「……不覚です……給与倍増はしてくれませんと、割に合いませんね……」
「お、おい、平気か」
恋が転移先に選んだのは男性がへたり込んでいる場所だった。使える物は最大限に使う――兄が教えてくれた教訓。
「見ての通り、もはやわたしには立ち上がる体力はおろか、腕一本挙げることすら至難の業に思えてきます」
突如襲った嘔吐感、唯一稼働可能な左手で口元を覆い、仰臥したまま咳き込み始める。革穴空手袋はゼリーのようにねっとりした朱色の液体が多量に付着した。
様々な任務をそつなくこなしてきた恋だが、これほどの深手を負った経験はない。これ以上の油断と迷いは、己を死に追いやるだけだ。
「すみませんが……肩を貸して頂けますでしょうか?」
「あ、ああ」
男性は震えるながら、腰が抜けたへっぴり腰で立ち上がった。狼狽えながらも、もやしのような細身の身体に、密かに秘められていた力強さで恋の身体を持ち上げる。同時に男性は再び尻餅をついた。ただ、恋を立ち上がらせる作業だけでも、今の男性にとっては一年分の労力は使ったことだろう。
「ありがとうございます」
下半身の感覚は完璧に麻痺していた。見た上条、平静を装っているが、意識も長くは続きそうにない。視界の半分はモザイク処理を施されたようにぼやけている。下腹部のダメージが先程の?能力?行使をきっかけにして、感覚的に痛みが倍加したようだ。
恋は血まみれの唇を噛み締め、遠くへ行ってしまいそうな意識を全力で繋ぎ止めている。
霞んだ視界の先に映ったのは、一歩ずつ近付いてくる人影。
ブロンドヘアを靡かせる外人女性は、痛々しく血が溢れ出している足を引きずりながら、淡々と歩を進めている。死人のような表情は何を意味しているのだろう?
「……まだ逝く訳にはいきません」
恋は回転式拳銃を噛み加え、ホルスターから一発の弾薬を取り出した。弾頭部分はゴムでは無く、鋭い銀光と異彩を放つ金属……実弾である。加えたまま、血がこびり付いた銃弾を器用に詰め込み、口から銃を乖離し、手元に携えた。
銃を構える左腕は小刻みに震えており、まるで狙いが定まらない。
「もっと……近くです……」
一歩、一歩、確実に接近はしている。恋が満身創痍同様、また彼女も満身創痍なのは変わりない。しかし、肉体的に深手を負っているのは、恋であることは明白であり、いくら銃器を携えているというアドバンテージがあるとはいえ、その場から一歩も踏み出せないのでは、プラスマイナス、差詰めマイナス方向に進んでいる。二種類の?能力?を備え持つ外人女性からすれば、四肢に負っている怪我など取るに足らないことだろう。
女性との距離は約3メートル。
射程範囲内だ。
朱色に染まった人差し指が、終焉へ誘うトリガーを引いた。
鳴り響く轟音も腕に来る負担も今まで使用していた弾薬とは桁違いに大きい。が、放たれた銃弾は無情にも狙いを大きく逸らし、女性の遥か頭上を通過した――はずだった。
遥か空へ消失したはずの銃弾が、女性の右足下に出現し、鋭利的な角度から脚線美を描く足首を一直線に突き破る。一センチ近い大穴が開通し、片膝を大地に着けた。
「まだです」
恋が呟くと同時に、今度は先程とは逆、女性の左足元に、先程貫いた銃弾とまったく同一の銃弾が現れた。それは唯一の支えとなっていた左足を無慈悲に貫き、女性の体躯はなるがまま倒れる。唸り続けているところを見ると、意識はまだあるのだろうが、少なくとも立ち上がり襲いかかってくる心配はない。
そう言った脳内分析が終了した途端、恋の痩身は力無く倒れ伏した。彼女の意識は既に無い。
ここで、恋の?能力?について今一度説明しなければならない。
基本的な?能力?は『物体転移』と言い、恋曰わく「応用性の悪いテレポテーション」だ。自分以外の物質を転移するのにはある条件が必須なうえ、物体の質量により、転移できる範囲は限定され、自分自身を転移させるとなれば半径5メートルが目安である。ここではあえて恋の体重は伏せておきたいと思う。
ここまでは前に記述してあるように、特に重用視されるべきでもない。
まず、恋が自分自身以外を転移するうえの条件を説明しよう。
自身のDNA情報、つまり「血液」を転移対象に刻み込むこと。これが転移の前提条件である。
恋が今回、当該対象となる能力者女性の動きを止めるためとった手段、一度放った銃弾を転移させ、繰り返し足を貫くと言う単純明快な作戦だった。しかし現状を飲み込めない第三者からすれば、実に不可思議的な事態に見えることだろう。一定のベクトルを備える銃弾は終点に辿り着くまで威力は衰えない。物体転移?能力?に銃器――これ以上に相性が良い物はあるのだろうか? 少なくとも恋にはこれ以上の組み合わせは思い付かない。
本来ならここを説明の掉尾とするところなのだが、もう少しだけ恋の?能力?について注釈を入れたいと思う。
どこからともなく出現する銃器の謎。言うまでもないが、これは?能力?行使により、自宅及び、機関本部から転移させた物だ。恋が扱う銃器たちは全て、自身の血液が多量に含まれているオーダーメイドに近い逸品。よって、転移条件は満たしている。しかしそう離れていない恋の自宅はまだしも、特務機関本部から銃器を引き寄せたとなると、何百キロをもの距離を隔て、転移させたことになる。逆に恋自身から、自宅や機関に転送することはできない。
これは、「引き寄せ」と「送り込み」の違いだ。
物体を自身に引き寄せる場合、?能力?を行使しても肉体的疲労は最小限に押さえられ、尚かつ質量5キログラム未満の物質なら、転移範囲は日本領土全域まで広がる。
一方、物体を送り込む場合、1キログラムの物質ならば、恋を中心軸とし、半径百メートル以内。引き寄せ時と比較するのであれば、転移範囲が極めて短く、更に肉体的疲労も引き寄せ時の数十倍と負担である。
このように多々の条件が絞られている事から、恋は己の?能力?を少なからず嫌っていた。
そして、任務から一ヶ月が経過した八月の終わり。
全治三ヶ月の『右腕圧迫骨折(女性に折られた)』、『左肩脱臼(女性を仕留める際、違法改造した威力を数倍に跳ね上げた銃弾を使った結果)』、『内臓損傷(女性に殴られた)』などを始めとする到るに重傷を負い、二ヶ月の入院を言い渡された恋は自宅療養を希望するも、入院生活を特務機関から強いられ、夏の長期休暇は物の見事に霧散してしまった。今だ外れぬギプスを眼にし、気付いたら定年を目の前にした会社員のように老け込んだ溜め息をついた。明日からは学校というものが始まる。つまり恋は級友たちに醜態を晒すことになる。
「……ああ、神様。この仕打ちはあまりにも無慈悲です……」
全身黒装束とは違う、骨折用に仕入れて貰ったサイズが二回りは大きいパーカーに、これまた仕入れて貰った灰色スウェット。センスがあるとは言い難いが、少なくとも任務用の服より、数十倍は一般的世俗的普遍な世間の目を引くこともない衣類であることは間違いない。
そして今日、絶対安静を条件に一ヶ月フライングの退院を許して貰うことに成功し、自宅に向かい羽振りの良さそうなエスティマで移動中である。直線の割に臓器を揺さぶる横Gを度々感じるのは、運転手たる男性が免許取り立ての若葉マークだからだ。
「乱暴な運転はくれぐれもお控え下さい。わたしは怪我人であり、淑女でもありますので」
「健闘はしている。しかしこの世は必然で出来ている。保障はできない。卿も用心は怠るな」
運転席の方から、テノール声が響いた。
ハンドルを忙しく操作する男性は短く髪を刈り上げており、季節感ゼロなのかスーツ一式を着込んでいる。ここで特に男性の紹介必要はないだろうが、念を置き、一言説明させて貰おう。
尾崎啓一――特務処理機関、補助委員として恋を筆頭にその他数人の派遣戦闘委員のサポーターとして、影ながら機関を支える主軸人物だ。二十歳とまだ若く、現役で国立大学に通う将来を嘱望される得難い人材でもあり、機関に入社?してきたのは約一年前になる。果たしてどのような経緯があったのかは、ベールに包まれたままだ。
「そこは、『心配するな。俺が何をしても護ってやる』、ぐらいの意気込みを言って貰わなくては、わたしのサポーター失格です。もう少し愛想良くできないのですか?」
「無駄な感情は全ての行動に支障を起こす可能性も否めない。《拳銃屋》――卿の行動パターンは感情に流され、自ら窮地に向かっている。今回の任務は――」
「反省会なら入院中に耳にデビルフィッシュができるほど延々としました。それに今は任務ではないので、呼称は愛沢でお願いします」
「名前など記号に過ぎない。愛沢」
言っている内容の割には、ちゃんと名を呼んでくれる。筋が堅いことです。
「……そういえば、似たような台詞を一ヶ月前に訊いた覚えがあります」
「正式には三十四日前。卿が任務を遂行している時だ」
何故知っているのです。と一瞬思った恋だが、理由はおのずと出てきた。律儀にも海馬組織に留まっていたのだ。
特務機関特製の小型通信機は遮断状態であっても蓄音機として、立派に役目を果たしているプライバシーゼロに近い道具であった。この聞き捨てならない情報を訊かされたのは入院直後のまだ意識も虚ろ気だった頃で、今という今まで忘れていたのも許容範囲だろう。
「ああああッ!」
そこで恋は「ある事」に気づき、大声を上げ、白皙の表情が見る見るうちに赤く染まってゆく。
「どうした? 愛沢」
「な、なななななななーんでもありませんです! ちょ、ちょちょっと、あ、アイスが食べたいなー、という感情がお、抑えきれずに、こ、言葉に出してしまったのです!」
恋はぷいっと窓の外に視線を転がした。
『兄さま……わたしをお守り下さい』
間違いなく訊かれたであろう他人に訊かれたくないナンバー1の台詞。
――愛沢恋! この世に生まれ十五年、人生最大の弱みを初めて他人に訊かれました! どうしましょう? あのような醜態を……第三者から見ればただのブラコンにしか見えないはずです! ああっ! わたしの株価が大暴落です!
「あ、あのー? おひとつお尋ねしたいのですがー、通信機に録音されたのは、あなたさまは毎回お聴きしているのですか?」
「それが私の任務だ」
難攻不落で知られていた恋の自尊心は啓一の無情なる一言であっけなく崩壊の兆しを表した。
「どうせ、わたしはブラコンです…………何かいけません? 兄妹愛とは素晴らしい物とは思いません? わたしは決して兄さまが好き――なわけではなく、尊敬対象としてのひとりなのです! そう、やっぱし、わたしは兄さまが大ッッ嫌いです!」
自虐的な台詞を啓一は黙殺し、直線だと言うのに忙しくハンドルを操作していた。
これは恋が入院中に訊かされた話だ。
件の任務で、恋のターゲットとなっていた能力者はどうやら人間ではないのだという。
獅子だ。
『我は元々気高い……えー……我々の固有名詞は、お前らの言語でなんと言うんだ? 獅子? そう我は気高い獅子だ! それがあろうもことかこのような姿に……元に戻る方法はないのか!?』
と、女性本人の口から発せられた。
見舞いという大義名分でやって来たサポータたる啓一に、厳粛な面持ちで初めて恋が訊かされたとき、口に含んでいた牛乳を吹き出し、重傷を負った臓器に響くほどの淑女らしからぬ笑いを発した。別に信用していなかったわけではなく、語る啓一があまりにも真面目であり過ぎ、滑稽だったからである。
政治家の演説と肩を並べるほど胡散臭さがぷんぷん漂う話だが、彼女の身体を隅々まで検査したところ、あらゆる異常性が発見されたのだと言う。
第一に女性の基本的な情報。
身長1.73m、体重160kg。
神の造形物の如く、蠱惑的曲線を描くスレンダーボディを見る限り、内臓に脂肪が大量付着してようがその数値をたたき出すことは人間である限り不可能だろう。
第二に人間離れした身体能力。
肉体強化系能力者に引けを取らない運動能力の高さ。細心の注意を払って?能力?反応の有無を何度も確認したうえで、検査を行っても反応は見受けられなかったと言う。身を以て女性の力を体験した恋には、あれだけの身体能力が?能力?無しで出せるとは訊かされた今現在でも信用できない。
第三に驚異的な恒常性。
両足、全二ヶ所を貫かれた女性だったが、その弾痕は一日で塞がり、二日目には傷跡と肌が見分けがつかないほど完治していたという。もはや人間でも獅子でもない究極的治癒力だ。
更なる子細を訊くと、女性の?能力?は第三級指定『性質変化』と正式に認定されたのだとか。人間離れした身体能力は、獅子から人間に変貌するときに受け継がれた遺伝性の物だと考えられている。実質上、第三級指定と認定されているが、危険性だけを見れば第二級指定レベルは掛かっても、僭称ということにはならないだろう。
そもそも人間以外の動物が?能力?勃発は前代未聞の事件。ましてや、動物が姿を変化させ、高名な頭脳を備え、人間に転生するなど、本格的に世界はファンタジー色に染まってきている前兆だ。もし、彼女の証言が全て真実ならば、これからの特務機関は恋たち機関構成員に過労死者が発生するほど労働を強いる、喜ばしくない事態が起きることにもなりうる。
今頃彼女がどうなったのかは管轄外となった恋に知る術はないが、大方の予想はできる。飽くなき探求心を持つ、機関研究員たちの実験に付き合わされている辺りだろう。
「結局、女性の暴走の原因は何でしたのでしょう?」
翡翠から紅玉髄に変貌する瞳。彼女の瞳が紅く染まるときこそ、理性が無くなり、手当たりしだい視界に収まる物を破壊しようとするデストロイヤーと変貌するときだ。
「恐らくだが、獅子から人間へと変貌する際に、本来ある破壊衝動が急激に増幅した結果だ」
「変貌も何も……彼女はあの時点で、あなたさまより幾分か人間らしかったです」
さり気なく皮肉を織り交ぜるのは、恋にとっては習慣的な物だ。そして、皮肉を浴び続ける啓一は気にせずといった表情で、恋の疑問に淡々と答えた。
「外面的な構成は完成していたのだろう。恐らく外からでは窺えない内面部に変化が生じていたと思われる」
「……もしかして、彼女はあれから暴れたりしていないのですか?」
「ああ」
「……もし、もしですよ? 先月の任務日付を一日後にしていれば、わたしは彼女と戦闘を繰り広げることもなかったのでしょうか?」
「恐らくは、そうなる」
「最悪です……」
恋は呟き、現実から目を逸らし過ぎてしまった長期休暇を脳内でシミュレートし、仮想空間内で楽しむことにした。
築約三十年、そろそろ限界が近付いてきた二階建ての萎びたアパートは大地震が猛威を振るったとき、まっさきに倒壊する最有力候補であろう。しかし1LKで家賃三万円という破格な値段――という基本的な財政管理は機関が全て保障してくれるので気にする必要のないことであり、実際に恋は気にした試しがない。見た目こそは、倒壊作業が行われる十二時間前と思えるほど貧相だが、一定の衛生的水準を保てる程度は設備が整っており、内装もそこまで悪くない。
「愛沢。ひとつ言っておくことがある」
一応、断言しておくが、ここは恋の自宅である。
駐車場というものが存在しない為、エスティマを道路沿いに違法駐車した。機関の圧力で違法駐車にならないのだろうか?
「何事ですか? まさか、緊急な任務ですか? 思えば、緊急じゃない任務などあった試しがないですけど」
「今日付で卿は戦闘委員を取り消されることになっている」
恐らく、この何気ない一言は人生最大の苦痛だった入院生活よりも、心の深層にまで響き渡ったことだろう。
「な、ななななな、ななぜですか!? わたしはクビですか? いや、むしろ喜ばれる事態かも知れません……やっぱりダメです。わたしにはまだ残された責務があり、今まで機関に所属していた時間があまりにも長すぎたものですので、勉学という凡人に必要不可欠な知識をわたしは備えておらず、今さら普通に就職をする気があるわけでもなければ、就職というのもわたしの年齢的にまだ遊びたい時期には耐え難いものであって、要するにクビにされたら、生きていく為に必要な資金がないという悲惨な事態になるのです」
「勘違いをするな、愛沢。卿の役職が戦闘委員では無くなるだけだ」
ほっと胸をなで下ろすが、すぐさま厳しい表情を取り戻す。
「……それはそれで由々しき事態です。わたしは何になるのです? 情報委員辺りですか?」
「監視委員だ」
「嫌です」
恋はオウム返しの如く、唾と一緒に言葉を吐き出した。
監視委員――特務機関で数ある役職のうち、もっとも厳しく危険が付きまとう、仲間の内では忌避されているポジションだ。戦闘委員も命懸けであることは変わりないが、監視委員となると年中無休でターゲットとなる観察対象をマークしておかなければならなくなり、暦が変わろうがカレンダーが赤く塗りつぶされていようが、まったく適応されない肉体的にも精神的にも双方削り取られる、無頓着かつ図太い神経の持ち主でないと到底勤まらない役職である。
無論、自称繊細な淑女の恋では適材適所とは言い難い。
「機関はもう卿に決定付けている」
「………あなたさまの辣腕で何とかなりません?」
「卿の監視対象者直々の指名らしい。私が口を挟む隙はおろか、機関の決定は嘗て無いほど迅速な処理だった」
その真偽は疑わしい。しかし普段から会話に冗談ひとつ織り交ぜない朴念仁たる男が、嘘八百でこんなしょうもない嘘っぱちを言うわけがない。
「……ああ、神様……十年後のわたしは過労死していないでしょうか?」
山のような荷物を全てサポーターたる啓一に任せ、恋は一足早く自室に出向いた。解錠しようとしたその時、恋は扉の異変に気付いた。
施錠がされていない。
不穏な人気を鋭敏に感じとった恋は厳戒態勢を敷き、蹴破るつもりで繰り出した蹴りがドアに突き刺さる。
「なんだ? 騒がしいぞ。人間社会のルールでは扉を静かに開けるものだと、我は訊かされたのだが、それは間違っているのか?」
「………………何故あなたさまがいるのです?」
扉を開き、目に飛び込んできた光景は先月、凄絶な死闘を繰り広げた女性が紅いバンダナを頭に巻き付け、こたつでお茶をしている奇異な光景だった。敏捷な動きで立ち上がる女性は作業着とは百八十度違った服装で、へそが露出されたペアトップ、大腿部が半分以上露出しているデニムのショートパンツ。口調と蟹股に近い歩き方を矯正すれば、モデルの道で充分トップを狙える素質はある。
みしみしと床が抜け落ちそうな効果音を発しながら近づいてき、
「先月は無粋な真似をした。我はお前に助けられた。感謝の意を込めて、これからしばらくは誠心誠意お前の世話をする」
「それはわざわざどうも……ではなく! 何故あなたさま――」
「アリアだ」
「……はい?」
「我の名だ。アリア・ガーネット・アンダーソン。どうだ、良い名前とは思わんか? 暦で言えば一ヶ月、我は様々な人間文献を読みあさり、試行錯誤の結果、この名に辿り着いたのだ!」
どうでもいい――とは、さすがの恋でも言えずに、表情だけはどうでもよさげになっている。
「素晴らしいと思います」
喧嘩を売っているような、やる気のない低い声音。
一方のアリアは満足げに胸をならし、
「やはり、お前もそう思うか。これで我の名付け能力は過信では無かったことが証明された訳になるな」
と、微妙に嬉しそうに言った。先月までとは大違いです。
「……それで……アリアさまがこの貧乏アパートに何のご用です?」
「アリア・G・アンダーソン。今日付で卿の監視対象となる能力者だ」
澄み渡ったテノール声が、恋の後方に響き渡る。視線をアリアに釘付け状態だった恋は荷物運送を一任してあった啓一の存在を忘却曲線上に置いてしまっていた。
「監視対象? アリアさまが?」
「そうだ」
ちらりと、恋は万引き常習犯のような目つきでアリアを一瞥する。大量の疑問符が頭上に羅列されていた。監視対象となる本人が把握できているのか怪しい。
視線を啓一に戻し、
「アリアさまが監視対象なのは解りました。けど、何故わたしの家にわたしより速く在宅している理由が解りません」
「それは――」
「我はここに住むことにした」
「…………本当ですか?」
恋は路頭にダンボール詰められた子猫のような潤んだ瞳で啓一を見詰める。級友の男子生徒たちは、この上目遣い作戦を実行すれば大抵の頼みは快諾してくれるのだが――
「決定事項だ」
特務機関屈指の仕事バカである啓一には効き目ゼロ、機微な部分の変化さえ見られない。
「……もうちょっと迷う動作を取ってくれても罰は当たりませんです……。まあ……女同士ですし、監視対象が同居してくれるとなれば、もしかすると戦闘委員よりも楽できるかもしれません」
考えれば考えるほど美味しく思えてくる役職だ。恋が耳にした普通の監視委員は機関に属さない能力者たちが、?能力?の存在を公にしないようターゲットに悟られず、ひたすら見張り続けるという二十四時間年中無休の最低な仕事。
しかし今回の監視対象は事情を承知している上、同居までしてくれる。少なくとも命懸けの戦闘に駆り出されることや、不幸な怪我により入院することも、男性研修医から嫌らしい視線を浴びることもない。
「そうです! もはや、毎日がエブリデイの如く、これからのわたしは普遍的な学生として、残りの学校生活をエンジョイできるのです!」
恋は何とか稼働可能の左手をアリアに差し出す。
「……握手と言う物か。同盟などを結ぶときにする儀式であろう?」
「そんな堅苦しい行事ではありません。一種の挨拶のような物です」
そうか、とアリアは鷹揚に頷き、差し出された白魚のような白皙の掌をがっちりと掴んだ。
「では、改めまして、わたしの名前は愛沢恋です。どれくらいのお付き合いになるか解りませんが、よろしくお願いします。アリアさま」
「機関の連中はいけ好かない奴が多いが、お前なら信用できる。こちらこそ、よろしく頼むぞ。恋」
「愛沢」
黒と緑の視線が親睦を深めるかのように交錯している最中、空気を読めない朴念仁がいつもと変わらず一定の音程で言葉を吐き出した。一顧した恋の睨み付けなど、啓一にとって効果があるわけはなく、平然とした面持ちを保ったまま説明に補足を加えた。
「卿の任務は『監視』とアンダーソンの『サポート』だ」
「そのようなボキャブラ不足な説明では、わたしには何のことやら見当もつきません」
「アリア・G・アンダーソン。第三級指定「性質変化」。卿に替わり、特務処理機関、派遣戦闘委員《蒲公英》となることと決定した」
「初耳です……」
褐色の健康的な掌を握りしめ、恋は唖然とアリアに顔を向けた。
「我も初耳だ」
漆黒の視線を受け止めつつ、アリアは応じる。初めて訊かされると言う割には、彼女の態度に動揺は見られない。とゆうより、彼女が持っている機関に対する認識力では事の重大差に気付けないのだろう。
「《蒲公英》の任務時に、サポートとして《拳銃屋》が同行する」
「だ、そうだぞ、恋」
我関せずと言わんばかりの表情は、自分には関係ないことだと思い込んでいるのだろう。
「何を人事のように……これはアリアさまにも多い関連性のある由々しき事態です」
アリアは首を75度に位置する角度に曲げ、
「そうなのか?」
「そうです」
恋は繋いでいた手を振りほどき、十畳のリビングに向かう。
「結局、未知な同居人が増えただけですか……」
なんだかもう、愛沢さんのキャラが解りません(笑)。そもそもこの動物園編は2万文字以内に抑えようとしていたのですが、結果的には大きくはみ出し、作者たる私も把握しきれていません。
ということで、次話は一旦本編に戻ります。
本編の区切り事に、番外編を数話を組み込む予定です。番外編は確実にコメディーから懸け離れているのですが、そこら辺は違う小説だと思って読んで頂ければ、それなりに楽しめる可能性が僅かながらあるかもしれないのですが、それは可能性と言うだけであって、もしかしたら無いかも知れません。
本編→ツンデレ
番外編→エログロ
で、行きたいと思います(笑)
と、いうことで前回はすぐにこっちを更新するつもりだった為しなかった余談を……。
一応、私も学生という身分上であります故に、大学に通わなければいけません。
マジ、本読む時間ねぇ(笑)
電車の中で文庫本(ライトノベルじゃないよ。流石に公言して読めない)を読んでいてもすぐに睡魔が襲いかかり、夢想空間へGOとなります。誰か癒して下さい(笑)
では、また近いうちに。