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侵食  作者:
真相
26/30

過去の出来事


 一度だけ、私は彼の家を尋ねたことがある。小さい頃の出来事だったから、あまり鮮明には覚えていないのだけれど、これだけは覚えている。


 あれは真夏の時。人通りの少ない場所に建っている、昼間でも薄暗いアパート。その一室に彼は住んでいた。


 とても静かなところだった。他の住民は皆外出しているようで、窓は全て締め切ってあったし、駐車場には一台も車が止まっていなかった。私はチャイムを押した。


 「どちら様?」


 不機嫌そうな声が玄関ごしに聞こえる。


 「こ、こんにちは。……遊びに来ちゃった」


 私は初めての事にどきどきしながら言う。カチャリ、と鍵が開く音がした。そして彼が出てくる。


 「よぉ。俺ン家に来るなんて珍しいじゃんかよ、美月」


 彼は優しく笑い、私の頭をくしゃくしゃと撫でる。……この微笑みが、何気ない仕草が、私を安心させてくれた。


 

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