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侵食  作者:
真相
24/30

真相


                       6


 空は鉛色。教室の中はとても暗いのに、電気がついていない。誰もいないのかと思いきや、人影が見えた。……美月だった。


 「おはよ美月。早ぇな、お前」


 「おはよ、トモくん。早いね」


 美月はにこりと笑う。柔らかな表情だった。つられて、友樹も笑う。


 「今日は良いことでもあったのか?」


 「ううん、違う。今から良いことが起こるんだよ」


 「今から?」


 「うん。もうすぐ田代加那慧くんがここに来るんだ」


 「田代加那慧? ……知らない名前だな。転校生か?」


 彼女は「違うよ」と言った。「私の願いを叶えに来てくれるの」


 広田友樹は首を傾げた。美月の願いを叶えるためにやってくるのか。変な奴だな、と。……けれど、それで美月が喜んでいるのなら、それで良いと思った。友達が留学してしまい、彼女は悲しんでいたのだ。気晴らしになるならそれで良い。


 彼女は誰にも聞こえないような小さな声で、呟いた。


 「ごめんね、トモくん」


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