陽射しに焙られ
現代短歌なので、小難しいことは抜きにして。
感じたままを詠んでみました。
お気楽に味わってみてください。
枝先に花 サルスベリ 昼下がり
陽射しに焙られ 気だるくゆらり
スーパーへ行く通り道の公園に、シンボルツリーとして、百日紅の木が植えられているのですよ。枝を大きく広げて、その先にたわわに鮮やかな赤い花を咲かせています。
その姿に、思わず目を奪われるのですよね。
サルスベリ、面白い植物です。
その名のとおり、幹肌は木登り上手なサルでも滑りそうなくらいツルツル。花も独特で、円錐花序(枝につく花の付き方の名称)という小さな花の集合体なのです。
縮れてくしゃくしゃっとした花びらが6枚、その花びらの付け根は糸状になっていて。う~ん。団扇みたいな形を想像していただければ、近いのかな? この花の中心から雄しべ雌しべが飛び出すようについている、独特のフォルムなのですね。
でも枝先にまとまってついているので、遠目で見ると蠟燭の先端に火が灯っているかのようにも見えるんです。まだ若い木で、枝が広がっておらず、とがった先端が上へ上へと伸びていたりもしたので。
ほら、わたし視力が悪いから。
わたしが見かけた木は真っ赤な花をつけていたので、余計にそう見えたのでしょうね。
現在はサルスベリと打ち込むと、自動的に百日紅と漢字変換されるほど一般的になりましたが、とてもきれいな名前だと思いませんか?
ちなみに「ひゃくじつこう」と読みます。音の響きも優雅で華やかさがあって。なんとも日本人好みの名前ですね。
さて、百日紅の花はわたしが観た濃紅(赤)の他にもピンクや紫、白、複色なものもあります。百日紅の名の由来は、開花時期が6~10月くらいまでと長期間花が咲いているから、だとか。
初夏から初秋まで、ゆうに100日は咲いていることになりますものね。
カタカナでサルスベリって書いてもユニークで一度見たら忘れない名前ですが、もうひとつ別名があって、クスグリノキというそうな。こちらの由来は、木肌を掻くと、くすぐったそうに葉や花が揺れるからだそう。
残念ながらわたしはまだ、サルスベリの木肌を触ったことはあってもコチョコチョしたことはないので、真偽のほどは皆さまがお確かめください。
それにしても、くすぐったがるなんてかわいい木なの!
コチョコチョはともあれ。
炎天下の日差しの下で、負けじと自己主張をする百日紅の花は、目に焼き付いて忘れられない鮮やかな花なのです。
ご来訪、ありがとうございます。
百日紅、形が整いやすく手入れが楽なので、庭木の他に公園や街路樹などでも人気があり、よく見かける樹木になりました。晩夏から初秋にかけて、縮れた花びらが舞い散っていくのも、これまた美しい光景ですよ。そのあと、実もなります。