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勇者たちの使命感:次なる異世界(校正版)  作者: 流離の風来坊
正統派の勇者たち

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第42話 監禁二百五十人

 ミズハ

「でも、現勇者や第一聖女のどちらが”黒い空間の魔法”を使うのか分からなくて、パーティメンバーとしてずっと同行から抜けられなかったの」


 ヨシタカ

「俺の予知夢だと第一聖女と第二聖女のミズハ、お前も使ってたな」


 ミズハ

「そうなの? 今わたし使えるのかな?」


 女神ハル

「なるほどね、その様子だと即席に使えるようにされた感じかな。魔神があのパーティに居たようには見えなかったけど、魔神以外にスキル(神の加護)は与えられないから、謎な状況ね」


 ミズハ

「そんな時、現勇者が私に恋人になるようチョッカイをかけてくるようになったの。()()魔法はなかったので安心してね。でも彼が執拗にスキンシップを取ってくるようになってホント嫌だった……」


 ヨシタカ

「俺が上書きしてあげるから、今夜は俺の部屋に来ない?」


 ミズハ

「とても魅力的なお誘いね、後で行くわね、ふふふ」


 女神ハル

「はい、ダメーーー! ちょっと脱線してるしーーっ」


 ミズハ

「冗談よ、ハルちゃんったら。あ、現勇者はじめ四人が揃ってから一年後に、遅かれながら異常さを感知した女神様(ハルちゃん)によって私たちが召喚されたって訳。私のさっきの話は国王陛下と教皇閣下の話をまとめたの」


 女神ハル

「察知できなくて、ごめんなさい、ちょっと恋愛乙女モードになっちゃってて……テヘっ。まぁ白い部屋(#1)から一緒に帰ってきた時は魔神をちゃっちゃと蹴散らす程度にしか思っていなかったから」


 ミズハ

「私たちが不在のこの世界で、あれでも実力が断トツな現勇者たちは、アルフォンヌ公爵のバックアップもあってね、隠れて好き放題出来たみたいで、以前の不祥事勇者たちのようにNTRを仕掛け放題。がっかりよね」


 ミキオ

NTR(寝取られ)、そのパワーワードがここで出てくるとは」


 ヨシタカ

「いうな! くどいが俺にそのNTR性癖はないからな、お前らの勘違い、何度も主張するが」


 ミズハ

「ヨシタカ君、貴方がいくらネトラレを望んでも、わたしは他の男に寝取られないからね! 一途を舐めないで欲しいわ」


 ヨシタカ

「いや、だから、そういう性癖は、みんなの誤解だって(#2)」


 ミズハ

「で話を戻すと、現勇者らは恋人や夫がいる女性を寝取るのが好き、その事と関係があるのかは未だ不確定だけど、特に国内の若い女性たちが消えているのも問題なの。実際、奴隷商の男女比率にすら偏りが現れてるわ。子供が少なくなれば人口も減り、国力も下がるわ」


 女神ハル

「国同士で戦争をしている際に、長期展望で人口減を狙って国力を削ぐのは戦略としてあるのよね」


 サトシ

「なるほど”結婚は優秀な男の墓場”とか流行る大元も、似たような策略という訳ですね」


 ヨシタカ

「……とすると、リンドバーグ伯爵領で俺が見た領民のやる気のなさとかは、異性が少ないから仕事をする気がイマイチという理由から生じてるのかな?」


 ミキオ

「どうだろうな? そんな単純な話とは思えないが。ドラマなら不真面目な主人公が増え、それでもモテてハーレムが出来て、女性の性の乱れを映像で広げれば、女性に対して失望する男性が増えるし、民度は下がっていく。結婚だって減るだろう。で、少子化、人口が減って国力が下がると」


 サトシ

「えらく詳しいね。それは謀略として言われていること? 確かに気軽に出来た親子DNA鑑定が禁止になったのも、某国で旦那との血縁関係がなかったのが一割もいたという統計で、家族体勢が乱れたとか何とかで離婚裁判でしか許可が下りないようになったって」


 ヨシタカ

「君たちは変な知識に詳しいね。だから恋人作りに尻込みするのかな?」


 サトシ

「いや、ただ単にモテないからさ(涙」


 ミキオ

「言うな! サトシは選り好み、オレはマジでモテない」


 ヨシタカ

「話を戻させてくれ。リンドバーグ伯爵、領主本人についても、領地運営や税制がおかしくなったと領民にさえ言われる始末だし、彼には何があったんだろうな」


 エレーネ

「娘を大切にするお父様が、人身御供のようにアランに嫁げと私は家を出されましたし、お母さまも夫婦仲が良かったのに、ヨシ兄様とお屋敷に行ったときは仮面夫婦のようになってましたね」


 女神ハル

「愛する異性がいなくなれば、それはショックで仕事をしたくなくなる人も多いかも。失恋でも死を選ぶ人もいるぐらいだから、愛の女神としては捨て置けませんわ」


 ユアイ

「ハルちゃんは戦闘女神だったのでわ……」


 女神ハル

「元は愛の女神だったのよね。恋愛経験がないからって、いつの間にか(いくさ)女神に」


 神官エレーネ

「女神様はお奇麗ですから、きっと恋人が出来ますって」


 女神ハル

「ほんと? だったら私がんばるねっ」


 侍女ユキシ

「気の毒過ぎて声もかけられません」



 ミズハ

「国内人口の自然減というより、女性を攫っていることが大規模になってきてるようなので、水面下で宮廷騎士団の諜報部で調べられている真っ最中で、今回、リンドバーグ家の監禁されている女性たちを救出すれば、意外な人物たちがイモずる式に捕らえることが出来るかも」


 ミキオ

「希望的観測だが、エレーネの話からするとビンゴだろうな。女性救出が事件解決に役立てばいいが」


 エレーネ

「はい。今までのリンドバーグ領では、戸籍が末端までは把握できていないことが悪事の抜け道になっていました。それゆえ私独断で、しっかりと戸籍管理をするように数か月前から始めたばかりです。あくまでもリンドバーグ領のことですが、他領でも同じような噂や戸籍問題があります」


 ユキシ

「女の子がいなくなるなんて、わりと深刻な問題ですよね……。末端の私でも理解できます」


 渓流神マナ

「我が女神様のご不在時を狙っていたと考えますと、用意周到で手強そうです」


 ユアイ

「領主のお屋敷自体を強力な広域攻撃魔法で吹き飛ばすのが手っ取り早そう……私の出番でしょうか?」


 渓流神マナ

「広域魔法の攻撃時に、人質など人命を守る魔法なら私も得意です」


 ヨシタカ

「よし、ユアイとマナは館内の執事やメイドさん、解禁されている被害者たちを多数の小結界で護って、俺とサトシの二人の魔法で館ごと片づけるのが、様々な二次被害が少なくなる感じだな」


 ミズハ

「わたしの浄化魔法も忘れずにね。今回は魔法の師匠(ハルちゃん)もいることだし全力で放てるわ」


 サトシ

「さて、伯爵領との交戦時なのだけど、地元の騎士団や護衛団が約二万人、他に邪魔しに来るとすれば、現勇者パーティかな? 出て来られると黒い空間を使用されて苦戦するかもしれないね」


 女神ハル

「現勇者たちのパーティは魔神の加護があったけど、わたしが回収しておいたから大丈夫よ。彼らが邪魔しに来ることはないわ。今は加護なし。一般人以下よ」


 ミズハ

「仕事早いね、さすがハルちゃん。謎の魔法を調べるよりも彼らの魔神の加護(スキル)を回収してしまえば全ての問題をひっくるめて解決。ヨシタカ君が彼らを大会で気絶させたのがタイミング良かったわね」


 ヨシタカ

「現勇者たちを倒した時、アルフォンヌ公爵が悔しがっていた気がするな」


 エレーネ

「あの、今しがた諜報員から伝令が来ました。西の別荘が監禁場所らしく、約二百五十人ほど若い女性が監禁されているみたいです」


 ミキオ

「監禁が二百五十人だと……。食費やトイレが大変だな」


 ミズハ

「おトイレじゃなく、お手洗いって表現してよ」


 ミキオ

「お花摘み場所で好いか?」


 サトシ

「ぼくの空間転移魔法で、助けた女性たち全員運べるかなぁ」


 女神ハル

「えっと西の別荘ね……、うーん、広い結界が張られてて中が見えないわ。私が見られないという事は、魔神系結界ね。彼女たちの様子を確認して安全確保してから正面突破するわよ」


 エレーネ

「あと、もうひとつ追加情報があります」

(#1)この世界の白い部屋

https://ncode.syosetu.com/n0098kq/32/


(#2)ヨシタカのNTR性癖疑惑

https://ncode.syosetu.com/n0098kq/28/

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