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第4話 女神様の神託

「はっ!」


 聖女ミズハは現在18歳。教会の最上位階にある聖女特別室で目が覚めた。驚いたのは、頭の中に近い未来の出来事が、女神様から伝えられたからだ。


 それは加護とは異なる、まごうことなき《《神託》》であった。


「そ、そんな……」


 コンコン


「どうぞ、お入りください」


「お休みのところ失礼いたします」


教皇「聖女様、女神様からの神託が降りなさったのですね」


「はい、勇者パーティの全員を集めて下さいませんか?魔王討伐の出発のお告げが参りました」


教皇「はっ、直ちに」


 教皇が部下の司教に目配せをすると、伝令がさっと走って行った。


教皇「聖女様、お告げは何と?」


聖女ミズハ「我が人類の勝利です。過去、どの勇者も成し遂げることが出来なかった偉業です」


教皇「それは御目出度いです。でも少しお顔が優れないご様子ですが……」


聖女ミズハ「それは大丈夫です。ご心配をおかけしましたね」


★★★★★


 聖女の間より下の階にある教皇の間。ここでは最上位の意思決定機関があり、今、勇者パーティの全員が集まり、会合が開かれている。


 加護の大イベントから王都へと引越し、各々の基礎技術を訓練及び修行で何年も過ごし、仲間同士の連携技も繰り返し鍛錬した。そして今、著しく成長し、心身ともに立派になったメンバーが再結集したのである。


聖女ミズハ「みなさん、喜んでください。魔王討伐は成し遂げられます。女神様からの近未来神託で明らかになりました。人類史上初です」


勇者サトシ「よし!これで我々もやる気が出るな」


聖騎士ミキオ「良かった、過去は全員が討伐失敗で亡くなったんだろ。生き延びられるっていう素晴らしい予言だな」


大魔導士ユアイ「こんなに嬉しいだなんて!」


聖付与師ヨシタカ「ぼくは涙が出てきましたよ」


 魔王討伐が史上初で成功すると聞き、全員がホッとしている。過去は全滅だったのだから、本当に朗報だ。


 結果が女神様の神託で出た以上、待つのではなく、なるべく早く魔王討伐を為さなければならない。旅の準備を急ぎで整える。


教皇「ポーション、エリクサー、食料、就寝具、防寒具、予備の武器、お供の騎士数十名は準備できております」


教皇「国王様との旅立ちの謁見、王都街道の出立のパレード、ご両親など親族への速達、7日後には間に合わせましょう」


教皇「料理、洗濯など身の回りのお世話のメイドは約10名、専用馬車もすぐにご用意できます」


勇者サトシ「承知いたしました。ご高配、感謝の極みでございます」


 こうして、史上初の魔王討伐成功の明るい未来へ向かって、全員が出発日に向けて行動を開始した。


 勇者は未だ転移魔法を使えないため、馬車での移動を強いられた。なぜか空間魔法系は苦手だという。

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