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勇者たちの使命感:次なる異世界(校正版)  作者: 流離の風来坊
正統派の勇者たち

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第25話 ユアイ side 1

 お兄ちゃんが家にやってきました。


 私は待ち焦がれていた気持ちが爆発してしまい、部屋の扉を壊してしまいました。身体にオーラをまとっていたから自分は傷つかなかったけれど、そのあとで、心は傷ついてしまいました。


 あんなに早く会いたかったのに、いざお兄ちゃんが着たら一緒に女の子がいるじゃありませんか!


 そんな、そんなのって……。しかも成人したてのピチピチギャル(死語)ですよ。ここまでの道のりで、随分と同じ宿で、同じお部屋で、同じお風呂で過ごしてきたと聞いて、私の顔は真っ青です。ほんと、お兄ちゃん……。彼女が男の子だと思ってただなんて信じられません。


 お兄ちゃんが凄い人だということは、私は充分知っています。何でも知っています。でもでも、私がいないところでは知らないことが一杯。その女の子はユキシちゃんと言って、とても可愛らしい女の子です。最初はボーイッシュで活発な印象だったけれど、服を着替え、お風呂に入ってみれば、あら不思議、上品なお嬢さまに早変わりです。


 私は嫉妬してしまいました。兄妹なのに恋愛感情を持った私が悪いのです。解ってはいるのです。お兄ちゃんが私の傍から離れて行ってしまう……。ユキシちゃんの可愛らしさは嫉妬してしまうほどです。きっとお兄ちゃんも満更じゃないかもしれません。


 私は嫉妬に気が気じゃなくなってしまい、部屋のベットでモンモンとする日々が始まりました。まさか、お兄ちゃん必殺の家族ハグをユキシちゃんにしたのでは?それなら大変だわ、ユキシちゃんがお兄ちゃんに惚れちゃう!


 そういえばサトシさんが言ってたことを思い出しました。彼は握りこぶしをしながら熱く語ってました。


「恋愛は戦いなんだよ、ユアイちゃん。同じ人を想う他のライバルがいたら絶対に負けられない。だって考えてもみたまえ、ハルちゃん(女神様)にキスとか見えないところでしてるんだぞ巷のカップルって。大観覧車とかの頂点で。それ以上の事までするかもしれない。そんなの好きな人を想像したら耐えられないだろ。だから恋愛は負けたら駄目なんだ。奇麗ごとじゃない、命がけで自分の気持ちを相手に伝え、分かってもらうんだ。そして自分の方を向いていただく。そこから距離が近づいて、自分もカップルの勝利者になるんだよ。心が折れるまで頑張るんだ、その先にきっと光明が見えてくるさ……」


 サトシさんの言葉には好きな人の名前が混じってましたけど、内容はよく理解できました。しかし拗れに拗れた私は、とうとうお兄ちゃんに当たってしまいました。


「私はお兄ちゃんに早く会いに来てって祈ってましたよ!ずっと」


「ずいぶんと長い間、旅をしていたのですね。可愛い女の子と一緒に!」


「女神様はここから数日の場所に転移させていた筈ですのに何処行ってたのかしら?」


「どうしてこんなに遅い到着なの、私の事忘れてたんでしょ!うぇ~ん」


「お兄ちゃんなんか嫌い!大好きだけど大嫌いっ!大好きだけど……えーん」

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