第1話 未だかつて魔王討伐は為されていない。
魔王城に向かう俺たち5人組の勇者パーティは緊張していた。
長年に渡り、敵を滅してきたが、いよいよラストスパートである。
この世界では、未だかつて勇者のパーティが魔王を滅ぼして平和を勝ち取ったことがなかった。何千年もの間。なぜかはよく分かっていない。
300年に一度、勇者たち女神の加護を受けた強力な人材が生まれるが、記録がしっかりと残っておらず、肝心の経緯である魔王との決戦からの詳細な記録・書物が一切ない。紙の質が数百年の耐久に耐えられなかった単純な理由からだ。
ただ今回には一つだけ違いがあった。今回の勇者パーティは魔王の討伐に成功し、世界に平和をもたらす、という女神からの神託があったことだ。
一方、村や町の若い女性たちを、勇者パーティの男性陣から距離をとらせ近づかさない事が多々あり、女性陣にも接する時は距離をとる男性住人の傾向が見られた。
残念なことに、過去において、私欲で《《魅了》》魔法を使い、性犯罪を仕出かした勇者パーティの仕業で、酷い噂が口伝され続け、民衆は心の底から彼らを応援・尊敬することが出来なくなった。
今の勇者は民衆たちの噂通りなのか、噂と違うのか、そして苦境を乗り越えられるのか。
★★★★★
今の勇者「さぁ、行くぞ。女神の神託を信じよう!」
「「はいっ」」
「「おう!」」
この後で大変な悲劇が襲い掛かる。
歴代最強の勇者:サトシ ↓