プロローグ
ターン星人(箪笥セイ)24歳は、ゲーム配信者で、特にターン制RPGを愛している。毎日のように「ファイナルゲーマージーン」、「ドコカラクエスト」、「ペケソンーナ」といったゲームを実況し、RTAを通じてその技術を磨いていた。
箪笥セイは、無性にお腹がすいた。時間を無駄にしたくないので、コンビニに行って戻ってくる時間も、彼はRTAの感覚を持ち込み、時間を短縮するための計画を立てた。
「よし、スタート!」自分の心の中でカウントダウンを始める。
自宅を出発。近道を使い、できるだけ無駄な動きを省く。
コンビニに向かう中、「ウーウー」というサイレンの音が聞こえてきた。
「まさか、何か事件でも起きてるのか?」と心配になりながらも、食欲には勝てない。ちょっと緩くなるも、軽やかな足取りで進む。
店に着いた、目指すは食パン、適当な菓子パン、エナジードリンク3缶。
「ここのエナジードリンク、最高に効くんだ!」と自分に言い聞かせながら、手際よく商品を選ぶ。
パトカーの音が近づいてきたのか、外の様子が気になる。「何か起こっているのか?」と不安がよぎる。
コンビニRTAの最中、箪笥セイは周囲の音を気にしながら急ぎ足で歩いていた。パトカーのサイレンが遠くで鳴っているが、それよりも彼の頭の中は「早く食べたい」という欲求でいっぱいだった。
「よし、信号が青だ!」と心の中で呟き、急いで横断歩道に足を踏み出す。
突然、大きなエンジン音が迫ってくるのに気がつく。
「まさか、トラック?」と振り返った瞬間、目に飛び込んできたのは巨大なトラックのフロントグリルだった。
時間が止まったように感じる。セイの脳裏に様々な思考が駆け巡る。
「こんなところで死ぬなんて…まさかのゲーム配信者としての終わりか?」
ファイナル…ゲーマー…ドコカラクエスト…ペケ…
そ、そんなー…。