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荒稼ぎ?4


「ただ、今回のスタンピートは規模が分からねぇときた」

 スレインさんが頭を抱えているところを見ると、漆黒の翼も防衛戦に駆り出されるんだろう。


「スタンピート注意報が、警報に変わる頃までにはここを引き上げるか、身を隠してた方が無難かもしんねぇぞ? ちっこいの、おめえもだ」

 会話を黙って聞いているソル君にも注意を促す。


「ダンジョンの中なら大丈夫でしょ?」

 と言ってみたものの、スレインさんの顔色は良くない。


「今まで通りならな」

 含みのある言い方ってちょっと怖いじゃん。


「事前にいくつかの遺跡やダンジョンが狙われる事件も起きてる。もちろん無人だったりして、修復されなかった事が原因だろうけどな……」


 ダンジョンは外からも破壊が可能。

 でも魔力があればすぐに修復できるから、中に入り込まれることはあんまりない。

 とはいえ、今はマスターの居ないダンジョンなんかは修復されずに壊されてしまう事もあるんだよね。


「もしかしたらかなりの軍勢を従えてて、ダンジョンや遺跡に潜んでいるのかも知れない」

「過去の大規模なものにはそういった事例もあったんだって」

 スレインさんの話をラルフさんが補足してくれる。


「まぁなんにせよ、気を付けて置いて損はないって事さ」


 赤い短髪をひと撫でして、スレインさんは踵を返した。

 たぶんヨキボーを持ってきてくれたのは、この話をするついでだったんじゃないかなと思う。


「俺達もスタンピートまでの間、この辺を探って見るつもりだから、ヤバそうだったらまたくるさ」

 そう言って空になった木箱を抱え上げる。

 それに気付いたソル君も立ち上がり、反対側を持ち上げた。


「ほいじゃ、帰るわ。女の部屋に長居するのは俺の趣味じゃねぇ」

 そう言って、さっさと靴を履き外に向かってしまった。


「ねぇ、スチルちゃん、私今度休みの日にここ泊まっていい?」

「えっ、急に?」

 

 お願いするように手を合わせて、こっちを見てくるローナさん。

「だってこんな贅沢なお部屋、見たこと無いんだもん!」


 ちょっと自慢しすぎたかもしれないとも思いつつ、お泊まりでお話出来るのも楽しそうとか思っちゃったりして。


 ラルフさんも何か言いたげにしてたけど、結局何も言わなかった。

 もしかしたらヨキボーで寛ぎたかったのかな?


 帰り際に。

「私もストレンジャーやめてダンジョンやろうかしら」

 とローナさんが呟いてたのはみんなには秘密にしとこう。

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