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意地悪眼鏡2

 訪問者を知らせる音が鳴り、今日も何組目かのお客様が来店した。


 1階は私の予定通り2階と繋げられた。

 もともとそこにいた食人植物とスライムのお部屋だ。


 周知の事実ではあるのだけど。

 スライムはこの世界でもかなりの最弱モンスターといえる。

 いっぽう食人植物も、その性質上動くことが出来ない。

 蔦を鞭のようにしならせて攻撃する事も出来るんだけど、最近来るようになったランクのパーティにはダメージは出ないわけで。


「──食人植物が通路を塞いでるわね」

 剣を持った鎧の女性が先頭を歩きながら状況を把握している。


「蔦の届かない所から炎の魔法を撃つのがセオリーだけど……」

 というのは気弱そうな魔法使いの男性。


「ルーク……何言ってるのよ勿体ない、あんなのユーリカならダメージ受けないで倒せるんだから」

 魔法使いの男の子をいさめるのも、また魔法使いの女性。

 どうやらこのパーティは前衛の女性一人に、魔法使い二人の組み合わせみたい。


「リリンの言う通りだ。私が一人で切り開くから、後で二人はついておいで」


 男勝りな笑みをメンバーに向けると、ユーリカと呼ばれた剣士は、その武器を鞘から引き抜いた。


 食人植物はその生態からあまり危険視されていないんだよね。

 実際にここに潜るパーティのランクからすればとるに足らない雑魚みたいな認識。


 彼女の歩みは確かであり、恐れや不安を感じさせはしない。

 でも、その足がふと止まった。


「やれやれ、草に隠れて見えないようにしているが、足元に穴が空いているようだ。一気に距離を詰めようとすると足を取られて転んでいたかも知れないな」

 仲間に注意を促すためにそう口にしながらも、ここを作ったダンジョンマスターの浅はかな罠に失笑する。


 気づいてしまってからは、足元に気を付けながら進むが、これと言って彼女を阻害する事もなく。

 食人植物の蔦が届く範囲内に入った。


 植物はその反射に似た行動で、無感情に近寄った餌を攻撃し始める。

 しかし剣士はその蔦を剣で受け止めつつ切り裂く。


 たとえ当たったとしても痛くも痒くもないが、後方をついてくる仲間のためにそうするのだ。


「一気に間合いを詰めることが出来ないのが癪だが、この程度……」


「きゃぁっ! ひぃっ!」

 ユーリカと呼ばれた剣士が攻略を確信したその瞬間。

 後方の仲間から悲鳴が上がった。

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