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家族への報告4

「それじゃぁ、エンドラインさんのところに行くので、また」


 そういってそそくさと部屋を後にさせて貰う。

 彼女の宝物を取ってくる目処がこんなにも早くつくとは思わなかったし、それを喜んではくれたけど。


 さっきの話が胸に残ってしまった。

 今から顔を合わせるバジリスクとティアマットも、不慮の事故とは言え同じ境遇になってしまっている。

 その原因に私が絡んでいるのだから、気になって当然だよね。


 私はその事実から目をそらすように、今度のダンジョンの仕様の事をどう伝えるかを迷いつつ、同じフロアの彼らの部屋のドアを叩いた。

 歩数にすると20歩くらいなんだけど。


「開いていますよ」


 ティアマットのぶっきらぼうな返事のあと、私はドアを開ける。


「ああ、君でしたか」


 出会ってからずっと変わらず、冷めているというか、クールというか……でも罪悪感を感じちゃってる今聞くと、ちょっとグサッと来ちゃう。


「おおっスチルちゃんじゃねぇか!」


 奥のほうから叫んで駆け寄ってくるのはバジリスク。

 なんだろう、大型犬みたいな雰囲気あるなぁ……。

 ティアマットの冷めた反応から、この温度差は心が暖まるかも。


「さっきの戦いどうだったよ、俺格好良かったろ?」


「はい、ビックリしました、お二人ともすごく強いんですね!」


 私の素直な気持ちに、バジリスクは満面の笑みで胸を張る。

 尻尾があったらブンブンふってると思うんだよね。


「でもさ、あいつらめっちゃ強いじゃん? 俺、自信無くしちゃったぜ」


 一転口を尖らすバジリスクにティアマットが補足する。


「私達はストレンジャーになって、殆ど負け知らずできていましたからね。負けるということ自体、あのスケルトンのオバサンが初めてでしたし」


 無表情なその顔の眉を少しひそめる。


「だな、調子に乗っちまった」


 てへっ。っと言わんばかりにペロッと舌をだして言うバジリスク。


「調子に乗ってたつもりは無かったのですが……いや。乗っていたのでしょうね、そうでなければ引き際を間違えることは無かった……」


 今度は明らかに悔しさを滲ませるように奥歯を強く噛むティアマット。


 あ、ちゃんと人間らしい感情はあったんだ。

 ゾンビになっちゃったときにそういうの忘れちゃったのかと思ってたけど。素から感情表現少ないだけっぽい。


「まぁやっちまったことはしょうがねぇって、それに俺はバジとまだこうやって一緒に居れるだけで満足なんだぜ?」


 こっちは歯に衣着せぬ物言いで、自分の気持ちを伝えてくるから、ティアマットの方も幾分気持ちが収まったみたい。

 なんか正反対だけど、お互いの弱い部分を埋め合わせている感じがするなぁ。

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