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巡り合わせとお願い4


「結論から言うぜ!」


 応接間に座って、お茶を用意しますか? なんて呑気に聞いた私を無視して、スレインさんが叫ぶ。


「その遺跡は500年前からそこにあって、同じ主が管理をしてた、盗掘どころか、発見もされていない場所ってことになる」


 実際は発見したストレンジャーを富士子さんが倒して、新しい骸骨兵にしてたことで、一般には知られていないだけなんだけど。


「500年前の遺物がそのまま残っているとなると、大変な騒ぎになるぜ」


 大神災以降、天使は人間を支配して、文明の利器を取り上げた。

 それがどういう力を持ったものかはわからないけど、それを使ったり、作ったりするのは厳しく取り締まられているんだよね。


「そっか、富士子さんの宝物って遺物ってことになるのかぁ」


「そっかじゃぁない!」


 スレインさんが勢いよくテーブルを叩く。

 そして痛がっている。

 ダンジョンの壁と同じ硬度の机はびくともしない、これかなり固いんだよね。だって撃ち漏らした魔法とかでもびくともしないくらいだもん。


「そっか、じゃぁねぇよ。それがどんなことか解ってねぇだろ?」


 涙目で手を押さえるスレインに変わってローナさんが続けてくれる。


「いい? 遺物を手にするってことがどれだけ危険なことか……まず、それが武器だった場合、速やかに天使に返納しなければならないのね。幸い私達が逗留しているジョロモって街は、そういうのを天使と取引している指定都市だから話は早いんだけどね」


 次はラルフさんがちょっと焦って話しかけてくる。

 皆が私に対して言うってことは、結構常識的な話だったりする?


「でも、天使の反勢力はその武器を自分達が使いたいと狙っているし。他の人に知られたら、命を奪ってでも欲しいって悪い人に狙われることもあるんだ」


「しかもその遺物が眠ってるのが、手付かずの遺跡ってことだろ? そんなものがいくつ眠ってるかもわかんねぇ、金にだってなる。やり方次第じゃ、街を作ることだって夢じゃねぇ!」


 ようやく復帰したスレインも続けたことで、事の重大さが解った気がする。


「ま……街が作れる!?」


 その驚きに、三人が頷いた。

 ダンジョンを作るだけでも十万エンはかかった。

 規模にもよるけど、街を作るとなれば一億エンは軽く越えるだろう。まさに国家予算。


「勿論、眠っている遺物の質や、内容によるよ」


 ラルフさんが驚いている私をなだめるように補足してきた。


「誰彼構わずして良い話じゃねぇ、本来ならギルドに報告して、公に話を進める案件だぜ」


 スレインさんは自信家で、猪突猛進のイメージがあるのに、こういうところでは冷静なのがすごいなぁ。

 私は心臓ばくばく鳴ってるのに。


「でも、富士子さんが大切にしているものがあるから取ってきて欲しいって!」


 それでも、成り行きとは言え新しい家族になってくれた富士子さんの気持ちを尊重したいと思った私は食い下がる。


 三人は困ったように顔を見合わせるが。

 すぐにこちらを向いて笑顔を見せてくれる。


「解ったよ、お得意様だもんな」


 スレインはちょっと皮肉を交えながら承諾してくれたみたい。

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