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ダンジョン五階の攻防7

 エンドライン兄弟の背後から迫ってきていたスペクターが数匹寄ってきてスレインを触ろうとする。

 きっと今、身体強化を消されたら、動けなくなっちゃうよね。


『タワーチャージ!』


 スレインの脇をぬけて、ラルフが薄く光る盾を前に構えて飛び出してきた。

 そのまま真っ直ぐスペクターに突進すると、3体が霧になって消える。


「サンキューラルフ!」


 それを待っていたかのように、渾身の力を込めて地面を蹴るスレイン。


『閃・イカヅチ!』


 叫びとともに発動した必殺技。

 見えないほど早い剣線が相手を狙う。

 しかし、今度は予想していたのか、バジリスクは首と頭を守るように剣を横にして、幅広の畝の部分でそれを止めようとした。

 だけど、その刀は性懲りも無くバジリスクの腹を貫いている。


「はは、ゾンビは痛みを感じないんだよね」


 勝ち誇ったバジリスクがそう言いながら剣を振り下ろそうとした瞬間。

 刺さった剣から火が出たようだった。


 いや、実際に燃えているのは剣ではなく、バジリスクの体。


「ぐわぁあちい! なんだこれ!」


 戸惑って剣をかなぐり捨て、刺さった凶刃を抜こうとするも、握った手まで燃え始める。


「ばぁか、ホーリーセイバーは不死者に効果覿面(てきめん)なんだよ」


 きっと自分も傷で倒れそうな筈なのに、そうやって相手をおちょくる所はスレインさんらしいというか。


『スピードニードル!』


 本日三回目のあの魔法が、バジリスクごとスレインを貫く!

 頼みの綱の剣も、バジリスクに刺さっているため防ぎきれず、腹に刺した剣を残したままスレインはダンジョンに飲まれてしまった。


『シャイニングレイ!』


 詠唱を終えたローナが横薙に光の一閃を放つと。

 10体以上いたスペクターがその数を2体にまで減らした。

 その2体も、ラルフの『シールドバッシュ』という攻撃で黒いモヤになる。


「あとは貴方一人よ!」


 スレインを殺されたからか、怒りに満ちた声でローナが叫ぶ。

 ラルフも隙なく構えてティアマットににじりよっている。


「あ、降参します」


 だけど呆気ないその一言で、戦闘は終了になった。 

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