ダンジョンを改築しよう2
私から視線を投げられたティアマットは、メガネの位置を直し、先生モードへと一瞬で変わった。
「魔力媒体とは魔法を使う際に必要な魔素を蓄えた物質の事ですよ、例えば天使の羽やドレイクの爪といった、魔素を溜め込んだ素材を言います」
自分で振ったんだけどさ、答えを用意していたみたいにスラスラ答えるもんだから少し驚いちゃった。
たぶん好きなんだねこういうの。
お構い無しに更に補足。
「さらに魔力媒体は通貨としても使用できます」
その言葉に対して、富士子さんはまたもや首をかしげる。
「じゃぁ、お金払って魔法撃ってるってこト?」
「まぁ概ねそういうことになりますね。しかも貴方のランクは軽く見積もっても5……貴方が使える最上級魔法を一発撃つたびに、市民の平均月収の1ヶ月分くらいは飛びますよ」
思わぬ魔力消費量に私の口から「ヒィッ」と漏れた。
「なので、スチル嬢はランク3相当のスペクターの召喚程度の魔法を使いなさいと仰っているのです」
魔法の使用はこの世界では高価だけど、まさかランク5の魔法がそこまでとは思ってもいなかった。
だって、そんなランクの冒険者も魔法も見たこと無いんだもん。
少し青ざめてしまった顔で私は話を戻す。
「えっとそういうことなので、各自持ち場を作成します。そして、ストレンジャーが居ない待機時間にはゆっくりして居てもらって構いません」
異論はない様子、バジリスクの「はぁい」という軽快な返事でこの話は幕を閉じた。
「私はダンジョンを改築して、みんなの居場所を作って来ますね」
そう言って、部屋へ戻ることにする。
富士子さんの事はまぁいいや、時間ならたっぷりあるんだし。




