やったね家族が増えるよ2
どう収集付けろって言うのよ……。
私は取り敢えず、現状を理解しているであろうティアマットに、救助の視線を送る。
彼もその視線に気付いたのか、やれやれと言った感じで口を開いてくれた。
「富士子さんと言いましたか。物は考えようですよ。貴女は新しい家に新しい彼氏と引っ越ししたと思えばいいのです」
ここ賃貸マンションじゃないんですけど。
「新しい彼氏って誰だ?」
バジリスクが頭を捻る。
いや、売られてますよお兄さん!
「そう、ね、まぁそれは願ったり叶ったりだけど……やっぱり宝物庫に残してきた財宝が気になるわ、思い出の品もあるわけだし」
「……それは、ここにいる我らが主人、ベルブラス嬢に回収して貰えば良いのですよ」
ええっ! もしかして私も売られてる!?
「ムリムリ! そんな怖いところ行けないよ!」
私には戦闘力が殆んど無い。
富士子さんのようなモンスターがいる場所になんて絶対行けない!
「大丈夫です、あそこの主はこの富士子さんで、今は留守ですし、彼女の彼氏……おっと、元カレは私達が粉砕しましたので、殆んど戦力は残ってない筈ですよ」
「そう言われても……」
呟きながら富士子さんを見ると、どうするんだこのやろーといった目付きで見るもんだから、渋々……
「全力を尽くします」
と、言わざるおえなかった。
くっそーメガネめ、嵌めたな……。