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運命の出逢い3

「どういう意味……ですか?」


 改めて、少し嬉しそうにしている骸骨の方に向かって質問する。ちょっと怖いから敬語になっちゃうのは仕方ないと思って。


「私の扉が閉まる瞬間に、眷族(けんぞく)の呪文で彼らを私の仲間にしたんだもン」


「「は?」」


 牢屋の中からシンクロした二人の疑問符が聞こえる。

 だけど骸骨さん、当たり前な事を言うみたいな感じで一言。


「お腹に穴が空いテ生きてる人間なんていないでしョ?」


 骸骨はその言葉と共に青い剣士の胸元を指差した。

 剣士が自分の胸部を見ている。

 もちろん私もその部位をまじまじと見てしまって。


 そこにぽっかりと向こうが見える穴が空いているのを確認した。


「なんじゃコリャぁぁああああ!」


 剣士はあまりの驚きに、両ひざを付いて叫ぶ!

 手のひらにはべっとりと血が付いていた。


 じめっと血が滴るその穴は、扉が閉まる前に骸骨に開けられた穴の位置そのままで。

 私も驚いて声がでなかったくらい。


 その隣ではローブの男性が「チッ」と舌打ちをして、自分の体を確認していた。

 こちらは左の肩口から脇に向かって深い切り傷になっているのか、ローブをはだけた場所に生々しい傷が残っている。


「だから、私の眷族になりなさいってバ、悪くはしないかラ」


 そういうと唇もないのに、投げキッスの仕草を二人に向ける骸骨。

 しかし、剣士は背中側に寝転び放心状態になっていて、それどころではないみたい。


「私達がゾンビにされたせいで、ダンジョンにモンスター認定されたという事のようですね」


 メガネを掛けている魔法使いはだいぶ冷静なようで、どこか諦めたような雰囲気すら醸し出している。


「取り敢えず……えっと……」


 これからの事を相談しようと思ったが、どう呼べばいいのか分からず言葉につまる。

 冷静なローブにメガネの男性は、それに気付いたのかゆっくりと立ち上がると、私に向かってお辞儀をした。


「私の名前はティアマット=エンドライン、魔術師をしていたが、今はしがないゾンビだ」


 切り替え早いなぁ……いや、皮肉なのかも。


「あっどうも」


「そしてこっちの男が私の兄、バジリスク=エンドライン。……ゾンビだ」


 あ、やっぱり皮肉だ。

 この人苦手かも。

 彼のゾンビだって言葉の時、しっかりトゲを感じてちょっとムッってしたし。


「それで、貴女は誰なんです?」


 いまいち彼等と関係の分からない骸骨の方に手を向ける。


「わたシ?」


 白くて細い指を自分に向ける。

 ああ、でもこれは決して女性に対する褒め言葉じゃなくって、見た目のまんまの意味。


「私ハ、白石富士子、今はこんなだけど昔は美人だったのヨ」


 そう言いながら、セクシーポーズらしきものを取るけど、骨だけなのでセクシーなのかよくわからないんだよね。

 そう考えていると、間髪いれず富士子さんが怒鳴る。


「それよりあんタ、名前聞いといて顔も見せないってどういうつもりヨ!」


 そういえば鎧を被ったままだったね。

 実際さっきから聞き取りづらいわ、暑いわ、重いわで、いい加減脱ぎたくなってきていたので、言われたままさっさと鎧を脱いでいく。


 最後に兜をはずすと、私のショートボブに切り揃えられた濃い緑色の髪が、少し汗ばんだ肌に張り付いた。

 私はそれを拭うようにしながら、3人に向き直る。


「私の名前はスチル=ベルブラス、このダンジョンのマスターです」


 その間じっと待っていた3人は私の姿を見て三者三様なリアクションを取った。


「何ヨ、肉付きのいいおデブちゃんじゃなイ」


 そりゃぁ貴方に比べれば……。


「チッ、まさか子供の手下になるとは思いませんでしたよ」


 メガネさんってば酷くない?


「……惚れた」


 えっ?


「俺様は、お前に惚れた!」


 青い鎧の剣士……バジリスクさんは、一瞬で立ち上がると、鼻息荒く鉄格子のこっち側にしがみついている。


 えっちょっと、ついて行けないんですけど!


 私は色々と混乱したので。

 取り敢えず、持ってたクロスボウでバジリスクを撃った。


「ぐえっ」

 という、声と共にまた仰向けになる。


「ハァハァハァ……ある意味一番怖い!」


 私は防衛本能を発揮しただけで、絶対悪くない。

 初対面であんなことをいう男性が一番厄介だっておばあちゃんも言ってたし!


 その対応に、富士子さんもティアマットさんも呆れた顔でこっちを見ていたワケで……。

これから本番ってところです☆

頻繁に更新致しますのでぜひブックマークお願いしまーす☆


他にも色々なジャンルの作品を書いていますので、ぜひご贔屓に♪

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