運命の出逢い1
3つのアイコンを恐る恐る5階に移したのはいいけどさ……
そのまま会いに行くのは流石に怖いって。
二人の剣士からは邪悪なものを感じなかったけど、骸骨だけはね……二人を殺す気満々だったじゃん?
私は取り敢えず暖炉へ行くと、大天使の羽を10枚ほど放り込んだ。
ダンジョンはそれをパクリと咥えて飲み込むと、また元の暖炉のような形に戻る。
私は追加した魔素を使って、5階に牢屋を想像する。
この場合、想像はまさに創造。
それはすぐに5階に生成された。
その一つ一つにアイコンを動かしてから覚悟を決める。
「よしっ、行こう」
ダンジョンに飲み込まれたってことは、彼らはダンジョンを壊すことも、私に危害を加えることも出来ないはず……
はずなんだけど、人を飲み込んだってイレギュラーな状況で、果たしてそれも信じていいものなのかって。
かなり危険なんじゃないかな……?
私は5階へ行く前に宝物庫へと寄ると、今までの戦士がドロップした戦利品を身に纏った。
身長が156センチしかないから、体格のいい戦士の鎧はブカブカで凄く動きにくいんだけど……念のためね。
一応遠距離武器の弩も手に取る。
マスター権限で、ダンジョンエレベーターを発動。
一気に5階の入り口まで運んでもらうと、目の前には想像した通りの光景が広がっていた。
少し想像と違ったのは。
青の剣士が、骸骨と言い争っているという状況。
「何で俺様がお前の旦那にならなきゃいけねぇんだよ!」
「だって私の愛した人ぶっ壊しちゃったでしョ! それに一目惚れもしちゃったんだもン」
「あれは、明らかにあいつの方から仕掛けてきたんだ、仕方ねぇだろうがよ!」
「でも、私に会いに来たってのハ、嘘じゃないんでしョ?」
えっと。
なんだろう痴話喧嘩にしか聞こえないんだけど。
しかも骸骨と人間の?
いやいや、骸骨なんだから元は人間だったのかな。
っていうか……
「どういう事?」
つい声に出してしまった私に3人の目線が一斉に注がれたことで、私はたじろいでしまった。