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真夜中の書庫


さて、とりあえずアルファスからの贈り物を調べる方法からか、これについてはある程度当たりを付けていた。

この世界には<先天異能(ギフト)>と呼ばれるものが存在する。

昼間にエカテリーナ王女と休憩していた時に彼女が話していた内容の中でも特に印象深かったのでよく覚えている。


ギフトと呼ばれるくらいなのだから女神達が与えているのかと思ったがどうやらそうではなく、単に女神の贈り物に思えるほど強力な代物が揃っているということらしい。


ちなみに生後に手に入れた異能を<先天異能(ギフト)>と区別して<後天異能(スキル)>と呼ぶのだとか。魔術もこの一種なのだとか。


「異能の棚は…っとここか」


俺は目の前にドンと屹立している本棚を見上げる。この書庫に脚立は置いてあっただろうか。


「…ん?なんだこれ」


一冊の本が目についた。皮の装丁で本のタイトルは書かれていない。最初はカンテラの光を反射しているのかと思ったが、目を凝らして見てみると本自体が薄ぼんやりと光っている。俺はその本を手に取って確かめてみた。


「えっと、欲深き者よ、汝は魔本に選ばれた?」


表紙を捲るとそう書かれていた。初対面の人間に欲深いとか失礼じゃないか、とか、魔本って何?といった疑問はあるがそれ以上にこの本に興味が湧いた。しかもさっきから点滅してるし、呪われてたりしないよな?


本を振ったりパラパラと捲ったりしてみると白紙だったのに目に付いた部分から文字が綴られていく。

流し読みで内容をある程度把握した。要約するとこうだ


<先天異能(ギフト)>は魂または精神に刻まれた権能、<後天異能(スキル)>は肉体に刻まれた能力。これらはサクリフィスの基幹システム■■■■■■によって支えられ、保有者の状態に応じて最適な形に作り替えられる。とのこと。


前半は魂や精神の理解が足りないせいでなにがなにやら分からなかったが、後半はなんとなく理解した。この世界には異能を変質させる機構が存在していてそれが四六時中人類を監視して、適宜強化を施している。と言った所だろう。


恐らくこれはアルファスが魔王対策に人類に与えた力の一つなのだろう。にしても世界に直接繋がっているシステムか…異世界は壮大だねぇ。


そんなことを考えていると次のような表示が現れた。



冴島 湊


保有異能…強奪(スナッチ)


強奪(スナッチ)…ありとあらゆるものを奪い取る異能、効果範囲は半径20メートル。また、自身が掌握しきれない以上のものは奪えない。



掌握しきれない、がどこまで適用されるかが問題だな。エネルギーはわかりやすいが物体はどうだろう、質量なのかあるいは使いこなせるといった抽象的なものなのか。まぁ、これに関しては対策がないわけではない。


この本は想像以上に使えそうだ。1冊くらいネコババしてもバレないだろうし、許されるだろう。



「さて、次は魔術…なんだけどさっきので大体分かってしまったからなぁ」


術と付いているからには体系化されているだろうしこれに関しては自力で調べるよりミルグリア王に有識者を紹介してもらった方が早そうだ。


あまりここに長居しすぎるのも良くはない。夜な夜な書庫に忍び込んでいることがバレたら流石のミルグリア王も不信感を抱くだろうし、それに今、王族に睨まれるのは避けたいところだ。


俺は魔本のみを持ち出して入ってきた時と部屋の様子が変わっていないかを確認して書庫を後にした。







《結芽ちゃんからのお願い》


どくしゃさん!よんでくれてありがとうございます!さくひんのひょうかとぶっくまーくをおねがいします!

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