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付き人


窓から入り込んできた朝の日差しが眩しくて目が覚めた。いつもの寝室であればよかったと思ったが、現実逃避をしたところで現状は変わらない。今日はミルグリア王から付き人について説明されると聞いていた。


支給された服に着替えて部屋を出る。


だだっ広い廊下には等間隔で壺や花瓶といった置物が置かれており、芸術品の目利きに疎い俺からしてみればどれも同じに見える。


そんなことを考えていると掃除をしているメイドが目についたのでミルグリア王の場所を尋ねる。どうやら執務室にいるらしいが、執務室がどこか分からないので結局案内してもらった。


それにしても廊下のデザインがどこも同じだ。侵入者が迷うようにこのような構造になっているのだろうか?


執務室の前に着くとメイドがノックの後に「勇者様をお連れしました」と言うと扉を引いてくれた。


そこには昨日と同じくエカテリーナ王女とミルグリア王の姿があった。


「おはよう勇者殿、昨日はよく眠れたかな」


「ええ、お陰様で。ぐっすり眠ることができました」


王はニコリと笑うと、思い出したと言わんばかりに手を叩くと


「昨日言っていた付き人だがな、エカテリーナにさせることにした」


「王女様にですか?ですがお忙しいのでは」


「そうなのだが、本人たっての希望だ。普段から仕事を手伝わせているのでな、ささやかな願いくらいは叶えてやらねばならん。あぁ、エカテリーナはこれでも王族の教育を受けている上に書類仕事ならある程度こなせる。調べ物には役立つと思うが、どうかね?」


ここまで言われたら断りきれない。少なくともサウラス王国に滞在している間は王族と懇意とまではいかずとも良好な関係を築いておくに越したことはない。


「ご厚意に甘えます」


そう答えるとエカテリーナ王女は嬉しそうに笑った。


「わたくしのことは小間使いと思ってもらって構いませんわ。それからエカテリーナとお呼びくださいまし」


「流石にそれは恐れ多いのでエカテリーナ様と、私のことはサエジマでもミナトでもお好きなように」


「ええと、確か勇者様では姓が前に来るのでしたわね。ではミナト様と」


「親睦を深めるのは良いが後にしてくれ。余は仕事があるのでな」


ミルグリア王は苦笑し、エカテリーナ王女はバツが悪そうにしている。


「では早速書庫に案内いたしますわ!」


書庫は城の地下にあった。暗くてよく見えないが、扉から差し込んだ光に照らされた先にあったのは大量の本。書庫というより図書館に近い。しかも俺の住んでいた街の市営図書館の5倍くらいは広い。


「ここから探すのか…」


とりあえずここがどんな世界かを知る為に地理から頭に入れることにした。

エカテリーナ王女と別れて目的の本を探す。カンテラの持ち手がキィキィと鳴って外れないか内心ドキドキしながら3冊手に取りエカテリーナ王女の分を合わせて5冊の地図、地理学書を自室に持ち帰り、頭に詰め込んだ。


大雑把に説明するとこの世界には大陸は1つしか存在しておらず、その大陸のかたちは平行四辺形に近い。北西にあるのが亜人と呼ばれる人種が住む都市国家デミヒューマ。


北東にレガリア帝国。ここは人族至上主義を謳っており、デミヒューマと仲が悪い。ちなみに最近皇帝が代わったそうな。


南西に根を張るのは聖教国ディエスティーテ。

ここはアルファスを主神とした女神達を祀る宗教の総本山。

神託を受け取ったり、女神の意を現世に反映することを至上命題としているがそれなりに生臭坊主も抱えている。


その隣、南東にサウラス王国がある。

王族を頂点とする専制君主制の政治体系で国家の運営を行っている。ちなみにデミヒューマとレガリア帝国の緩衝材として機能している。

帝国からはそれを疎まれ王太子が留学という名の人質に取られている。


地理以外はエカテリーナ王女から聞いた話だ。どこの世界も似たようなものだなぁと変な安心感を感じてしまった。



その夜、俺は1人で書庫に向かった。目的はアルファスから付与された力の確認方法を探ることと、この世界における重要な力である魔術について調べる為だ。




《結芽ちゃんからのお願い》


どくしゃさん!よんでくれてありがとうございます!さくひんのひょうかとぶっくまーくをおねがいします!

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