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5.魔法

さて、スキルの確認も出来たことだし、読み飛ばした一般知識のとこ読むか……



☆☆☆



読んでみた結果、分かったこと……というか、流し読みした1回目には気付かなかったのだが、「レベルアップの仕組み」と、「進化の仕組み」と言う項目があった。……これ、一般の人ホントに知ってるんだろうか……?まあ、それはともかくとして内容についてだ。

なんでも、レベルアップも進化も似たような原理らしい。

生物が死ぬと、体から魂が抜け出て天に昇る際、スキルやステータスなどの魂にくっついていた余剰な部分が剥がれて魔素へと還元され、その魔素を取り込む。それにより、魂の中にある器がいっぱいになると魂はその魔素を吸収して成長するらしい。そしてその際器も成長するため、次のレベルアップへの必要魔素量が上がる、ということらしい。先ほど、魂の中にある器と言ったが、魂が成長して器が大きくなっても器がある部分、いわば器のある部屋の大きさは変わらないため、レベルアップを繰り返すとその内器は部屋いっぱいになる。それがレベル上限であり、進化とは、体ごと全てを作り替えることでこの部屋の大きさを広げ、器の大きさを小さくする現象だ。その際、器に貯まっていた魔素だけでなく周囲の魔素をも取り込みながら身体を作り替えるため、進化は大幅に強さが上がるらしい。最終進化に達すると、その部屋は魂の余白いっぱいに広がり、それ以上広げられなくなる。そのため、その部屋いっぱいに器が広がったときが最後なのだとか。過去にとある禁術によりその限界を超えた神がいるらしいが、その禁術は使うと高確率で命を落とすため他にその方法をとった者はいないらしい。

ちなみに、体内にあるのが魔力で、体外にあるのが魔素らしい。魔素は何も変化していない状態だが、魔力はその人その人によって微妙に異なる変化をしているため、魔力を供給されても魂に取り込めずレベルアップは起こらない。逆に、普通に生活しているときに自然と魔素を取り込むことで勝手にレベルが上がることは理論上はあり得るらしいが、レベル1でよほど魔力濃度の濃いところに長年にわたって暮らしていない限りはまずあり得ないとのことだった。

次に貨幣価値についてだが、この世界で使われている単位はGゴールドで、だいたい1G=1円と考えていいのだとか。貨幣は賤貨、鉄貨、銅貨、銀貨、金貨、白金貨、魔銀貨、魔金貨があるらしい。それぞれ10枚で1段階上がり、

賤貨=1G

鉄貨=10G

銅貨=100G

銀貨=1000G

金貨=1万G

白金貨=10万G

魔銀貨=100万G

魔金貨=1000万G

なのだという。しかし、白金貨までなら高位冒険者なら目にすることはあっても、魔金貨や魔銀貨まで行くと基本的に国家取引に用いられるため王侯貴族くらいしか目にすることがないらしい。ちなみに使われている金属は

賤貨→錫

鉄貨→屑鉄

銅貨→銅

銀貨→銀

金貨→金

白金貨→プラチナ

魔銀貨→ミスリル

魔金貨→オリハルコン

だそうだ。魔金貨は、全世界に存在している数全て合わせても1000枚程度らしい。オリハルコンなんて明らかな希少金属使ってるんだから当然だろう。

さて、次は魔法だ。何気に1番楽しみにしていた。さて、魔法を覚えるには......と。ふむふむ、どうやら魔力を集めて発動したい属性の魔力に変換、イメージ通りに魔法を使う、ということらしい。各属性発動時の感覚や変換のやり方等を感じるため最初の1回は紙に書いた魔法陣を使う必要があるらしい。というか、魔力感知と魔力操作のスキルが必要って書いてるんだけど......そんなの僕持ってないよ?なんでも魔力を感知してそれを操作出来ればそれだけで手に入るらしいけど……あ、そういえば僕魔力の感覚は知ってる。あの魔法陣起動させた時に体からなにか抜けていった感覚。きっとあれだろう。

というわけで、僕は今床に座り込んで瞑想している。魔力を感じるためだ。そのまましばらく集中していると、体の中になにか知らない感覚を見つけた。暖かい物が溜まっている感じ。きっとこれが魔力だろう。

そのままさらにしばらく集中し、完全に体内の魔力をはっきりと感じることができるようになった。その瞬間、はっきりと周囲から魔力を感じるようになった。どうやらスキルを獲得できたらしい。さて、次は魔力操作だ。抜けていった時の感覚をイメージしながら体の中に溜まってる魔力に力を加えて動かそうと試みる。結構難しいけど、何となくなにか掴めそうな気がする......。

その後1時間ほど、色々なイメージで試していたが、ドロドロした液体を押し出すイメージで動かせるようになった。そしてさらに1時間ほど練習して、自由に動かせるようになった。


「さて、確認してみるか。『ステータス閲覧』」


───────────────────────


名前



種族 吸血鬼族(真祖)



Lv1



固有ユニークスキル

空間把握

スキル統合


希少レアスキル

闇魔法適性(極)

全言語理解

ステータス閲覧

鑑定

武の極意Lv1



通常コモンスキル

火魔法適性(小)

土魔法適性(小)

溶岩魔法適性(小)

魔力感知Lv1

魔力操作Lv1


種族スキル

自己再生Lv8

吸血強化Lv8

血液貯蔵Lv8

変身Lv8

飛行Lv8

暗視Lv8

幻魔眼Lv8


加護

武神の恩寵


──────────────────────

「おし、魔力感知と魔力操作が増えてるな。じゃあ次は魔法陣に魔力を流す、と。適性高いらしいし、まず闇からやっていこうか。」


そして闇の魔法陣のページを開いて手を触れ、魔力を流し込む。すると、魔法陣が黒く輝き出してそこから闇の塊が鼻を掠めながら天井に飛んで行った。


「いてっ!今のがダークボールか。結構速いな。避ける暇がなかった。」


そしてステータスを見ると、暗黒魔法が追加され、闇魔法適性が暗黒魔法適性に変化していた。


「?なんで暗黒魔法?確か闇の1段階上位だったはずだけど......もしかして適性高いと最初から上位を使えたりするんだろうか?」


魔法についてのページを見てみると、それが正解だと分かった。なんでも、この世界での魔法のレベルとは使える魔法が増えたりする訳ではなく、その属性の魔法をどれだけの威力で放てるか、どれだけの精度でコントロール出来るか、どれだけの速さで構築できるか、どれだけ少ない魔力で使えるかについてらしい。そして、上位属性に上がるというのはこれらの能力がレベル10相当にたっすることで、その属性の魔力の質(文字通り魔力がどれだけ質がいいかということ。質が良ければ良いほど魔法に良い影響が出る)が大きく向上するということらしい。なので元々極端に適性が高い人はその辺の能力が最初から上位属性に達するほどに高いらしい。


「なるほど、まあ得したと思っておけばいいか。次は......火をやってみるか。」


火の魔法陣のページを開き、魔力を流し込む。すると、ダークボールに比べると弱々しい拳程度の大きさの火の塊が天井に飛んで行った。


「なるほど、これが本来の初期の魔法か。確かにこれは戦いのメインでは使えないな......」


やはり適性が低く、初期属性の初期レベルだとこの程度らしい。最後に土をやってみるべく土のページを開き、魔力を流し込む。すると、先程のファイアボールと同じくらいの土の塊が飛んで行った。


「今のがクレイボール、と。クレイってことは粘土なのかな?そういえば、火や土の魔法陣に魔力を流し込む時、闇の魔力を流し込むとどうなるんだろ......」


闇の魔力に関しては、適性が高いためか魔法陣を使わなくても魔力をそのまま変換することができた。なので他属性の魔法陣に流し込んでみたが、放たれるのは普通のファイアボールとクレイボールだった。


「うーん、魔法陣になにか理由があるんだろうな......そういえば、全言語理解で魔法言語も読み解けないだろうか?」


試しに魔法陣の周囲の魔法式を読み解けないか試してみると、あっさり成功した。なので、その中にあった魔力を火の属性、土の属性に変換する魔法式を取り除き、その状態での魔法陣を地面に書いて地面に書いてみる。すると、ファイアボールの魔法陣からは先程のダークボールと同じくらい強力な黒いファイアボールが、クレイボールの魔法陣からは、同じくダークボールと同じくらい強力な黒いクレイボールが飛んで行った。


「......なんか、予想外の事になった。威力が上がればいいな〜とは思ってたけど、こんなふうに見た目すら変わるとは思わなかったよ......あ、そうだ、ステータス確認しよ」


ステータスを確認すると、そこには『黒火魔法』と『呪土魔法』という見知らぬ魔法と、黒火魔法適性(大)と呪土魔法適性(大)が増えていた......しかも、ユニークスキルのところに。もしかして、僕新しい魔法属性を編み出しちゃったってことなんだろうか......しかも、なんで後天的には獲得できないはずの魔法適正スキル手に入ってんの?これ、元々の火魔法や土魔法とスキル統合で混ぜたら上手いこと変化しないだろうか......冒険者登録する時にステータス見られるからこのままだと明らかにめんどくさい事になるんだけど。


「......『スキル統合』対象︰火魔法+黒火魔法、土魔法+呪土魔法、火魔法適性+黒火魔法適性、土魔法適性+呪土魔法適性」


特にエフェクトも何も無く、ステータス欄のその4組の名前が光って、片方が消えて残った方が変化しただけで終わった。そして、最悪なことに状態は悪化した。


「『黒炎魔法』と『呪岩魔法』に『黒炎魔法適性』と『呪岩魔法適性』......明らかに上位属性だね。しかもユニークの方の......しかも溶岩魔法適性(小)も呪怨溶岩魔法適性(大)に変わってるし」


これは......うん、とりあえず鑑定しよう


黒炎魔法

闇系統属性の魔力で放たれる炎魔法。対象に本来の魔法の効果に加えて闇系統魔法の効果も与える。未だ確認されていない属性であり、系統としては闇系統に属する。


呪岩魔法

闇系統属性の魔力で放たれる岩魔法。対象に本来の魔法の効果に加えて闇系統魔法の効果も与える。未だ確認されていない属性であり、系統としては闇系統に属する。


「うわー、これ絶対めんどくさい事になるやつだ。でも冒険者登録はしたいしなあ......登録の時担当してくれた人にバレるのは仕方ないにしても、なんとか広まらないようにしないと......」


まあ、ウジウジしててもどうしようもないので次に進むことにした。次は名前を決めよう。と言ってももう決めてるんだけどね。いつもゲームのプレイヤー名で使ってた「オリジン」にすることにした。日本風の名前だと目立つかもしれないし、慣れてない名前だと反応出来ないかもしれないから、ボイスチャットとかで呼ばれ慣れてるこの名前にした。ステータスを確認すると、しっかり名前の欄にオリジンと記入されていた。

さて、次は武器だな。

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