4.スキル確認
目が覚めると、僕はまたあの洞窟の広間にいた。どうやら僕の体はあのままその場で倒れたらしい。さて、神様いわくこの体は吸血鬼族の真祖とやららしいが、どう変わっているのやら……今のところ実感する違いは薄暗かった洞窟内が昼間のようにはっきり見えることと、肩甲骨あたりに感じる違和感だろうか。軽く動いてみた感じ、身体能力も大幅に上がっているようだ。なにせ、ジャンプで3mはある天井に頭をぶつけそうになったし。
「さて、神様がまとめてくれたらしい情報はどこかな……?」
周りを見渡してみると、少し離れたところに紙の束が落ちていることに気づいた。束と言っても、昔の本のように背表紙にあたるところが紐でまとめられている。これ、上手くやるの地味に難しいんだよね……。
☆☆☆
読んでみた結果、中に書いてあることはかなりためになる事だと言うことが判明した。まあ、神様が用意してくれたんだから当然といえば当然だろう。しかし、もう少し常識に関する情報が欲しかったが……まあ、常識なんて主観的なもの、神様でもまとめるのは無理か。地域が変われば常識も変わるだろうし、貨幣価値に関する記述があっただけよしとしよう。さて、書いてあったことの内容をまとめると、
・種族について
・魔物について
・僕に宿った加護について
・一般知識
・地図
・僕自身のステータスについて
といったところであった。
さて、ここに書いてあることに従うと……『ステータス閲覧』と唱えればステータスが見れるらしいが……
「『ステータス閲覧』……うわぁ……ゲームみたい」
唱えた次の瞬間、頭の中にこんなステータスが浮かんできたのだ。
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名前
種族 吸血鬼族(真祖)
Lv1
固有スキル
空間把握
スキル統合
希少スキル
闇魔法適性(極)
全言語理解
ステータス閲覧
鑑定
武の極意Lv1
通常スキル
火魔法適性(小)
土魔法適性(小)
溶岩魔法適性(小)
種族スキル
自己再生Lv8
吸血強化Lv8
血液貯蔵Lv8
変身Lv8
飛行Lv8
暗視Lv8
幻魔眼Lv8
眷属化Lv8
加護
武神の恩寵
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スキル多いな……ってそれより確認確認。ええと、説明書曰く恩寵ってのは加護の上位版だったよな……なんでも武神様が僕ととても相性がいい上に、僕個人をとても気に入ったためにくださったらしい。名前が空欄なのは生まれ変わったことで新しい存在として認識されたから……と。それに、前の世界での出来ることでスキル化できることはしてくれたらしい。
あと、鑑定とステータス閲覧の二つがあるが、この世界では鑑定は本当に鑑定しかしないらしく、種族情報やスキルの情報、物体の情報に有名な人物に関する情報くらいしか分からないらしい。ステータス閲覧がステータスを見ることが出来る能力だが、自分のステータスしか見れない。そもそも、この世界の人達は自分のステータスが知りたければ教会に行くしかないのだ。自分のステータスが分かるだけいいだろう。
さて、スキルについて鑑定していくか……
闇魔法適性(極)
闇魔法に関する適性を表すスキル。先天性のものであり、後天的に獲得するのは一部の例外を除いて不可能。(微)〜(極)まであり、(極)は数万年に1人の才能でその属性の神に至れる可能性を持つほどである。
火魔法適性(小)
火魔法に関する適性を表すスキル。先天性のものであり、後天的に獲得するのは一部の例外を除いて不可能。(微)〜(極)まであり、(小)は戦闘の補助としてなら使える程度である。
土魔法適性(小)
土魔法に関する適性を表すスキル。先天性のものであり、後天的に獲得するのは一部の例外を除いて不可能。(微)〜(極)まであり、(小)は戦闘の補助としてなら使える程度である。
溶岩魔法適性(小)
火と土の混合属性である溶岩魔法に関する適性を表すスキル。先天性のものであり、後天的に獲得するのは一部の例外を除いて不可能。火と土の適正の平均が取られる。(微)〜(極)まであり、(小)は戦闘の補助としてなら使える程度である。
全言語理解
この世の全ての言語を読み解けるスキル。己の種族の言語や異種族の言語はもちろん、古代の失われた言語や異界の言語すら読み解ける。
スキル統合
スキルを統合し、強力なスキルへと変化させるスキル。
空間把握
己の周囲の空間の情報を読み取り、周囲の状態を認識できるスキル。
ステータス閲覧
己のステータスを閲覧することが出来るスキル。
鑑定
見えているものを鑑定し、世界の記憶よりそれに関する情報を引き出すスキル。
武の極意Lv1
ありとあらゆる武術と武器の扱いを修め、近接戦闘の達人となった証。レベルが上がると動きがさらに最適化される。
自己再生Lv8
己の体に負った傷や魔力を通常より早く回復させるスキル。部位欠損さえも一日程度で治る。レベルが上がると回復速度が上がる。
吸血強化Lv8
吸血することで一時的に身体能力や魔力、回復力等を強化できるスキル。強化度合いはこのスキルのレベルと吸血対象の強さによって変動する。
血液貯蔵Lv8
体の中で余分に作られた血液や、吸血した際に作られた血液を貯蔵しておけるスキル。血を失うとその分がこのスキルから体内に補充される。レベルが上がると容量が上がる。
変身Lv8
己の姿を本来とは違う姿に変身させられるスキル。変身中は魔力を消費し、魔力が無くなると変身が解除される。レベルが上がると消費魔力が減る。
暗視Lv8
暗闇を見通すことが出来るスキル。レベルが上がるとよりはっきりと見通すことが出来る。
飛行Lv8
己の翼や魔法を用いて空を飛ぶスキル。レベルが上がるとより自由自在に飛ぶことが出来る。
幻魔眼Lv8
幻術に特化した魔眼であり、幻術をかけることしか出来ないが、幻術に関しては最高クラスである。レベルが上がると幻術の精度が上がる。眼への負担が大きいため1日に2度以上使用すると失明の危険性がある。
眷属化Lv8
対象を眷属化する意志を持って血を吸い尽くした際、その対象を己の眷属とできる。レベルが上がると眷属化した際の種族段階が上がる
さて、加護は、と……
武神の恩寵
武神が通常の加護の数倍力を込めて与えた加護。近接戦闘の習熟速度上昇極大、武の極意習得。
うわ……これほんとに僕なんかが貰ってよかったんだろうか……というか、なんで武神様はそんなに僕のことを気に入ったんだろう?もしもまた会うことがあれば聞いてみることにしよう。
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