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2.異世界

ハラリ


「フェ、フェ、フェ、フェックショイ!」


僕は自分のくしゃみで目が覚めた。どうやら森の中のようだ。.........何故?いや、原因は分かっている。あのヒビに飲み込まれたからだ。だが、それならばここはどこなのだろうか。


「とりあえず確認.........電波はなし、これはここが森の中だからか、それとも日本じゃないからか.........後者だったら英語圏じゃない場合詰んでるな。僕英語しか話せないぞ.........とりあえず人里を探すか」


僕はそこら辺にあった棒で行く方向を決め、当てもなく歩きはじめた。そして体感的に10分くらいだろうか?しばらく歩いたところで、何やら声が聞こえてきた。人かと思い近寄ったところそこに居たのは小鬼であり、後ずさった拍子に小枝を踏み折り気付かれて今の今まで逃げていたのだ。

回想が終わったところで、僕は我に返り少しづつ周囲を確認した。岩壁は登れそうか、頂上は見えるか、近くにある障害物はどこか、などだ。幸い、小鬼たちはまだこちらを襲ってくる気配はなく、ゆっくりと近付いてきている。脅して楽しむつもりなのだろう。

そして、周りの確認をしていた時小鬼たちが突然飛びかかってきた。僕は咄嗟に転がって避け、そのまま登れそうと目星をつけていたところに走り出したが、木の根に気付かずつまずいてコケてしまった。

そのまま何とかコケた勢いのまま壁には到達できたものの、直ぐに追いつかれるだろう。急いで登ろうと近くのでっぱりに手をひっかけて体重をかけたところ、なんとでっぱりがまるでスイッチのように押し込まれた。そして、岩壁の一部がスライドして人一人分位の通路が現れたのだ。

見るからに怪しいが、このままでは小鬼たちに殺されてしまう。僕は意を決してその通路に入った。すると、背後で何かがスライドする音がして通路が暗くなった。まあ、壁にある松明のおかげで見えることは見えるのだが。僕は、そこで安心して腰が抜けてしまった。緊張の糸が切れたのだろう。


「た、助かった.........。それにしても一体ここはなんなんだ?なんだか階段のように下に降りているようだし、なにかの施設なんだろうか?」


こういう場所は、ゲームでは大体高難易度ダンジョンやレアアイテムの隠し場所等だが、現実でそんなことは.........いや、あんな小鬼がいたんだ、実にバカげているが、ここは異世界で、さっきのは異世界モノでよくあるゴブリンとやらだったのかもしれない。

だとすると、この世界の最弱格であるはずのゴブリンでさえあれということになり、その場合この世界はかなりのハードモードなようだ。まあ僕が弱いだけという可能性もあるというか、その可能性の方が高いだろうが。


「とりあえず進んでみるか.........どうせ内側から壁を動かす手段も分からないし」


僕はとりあえず進んでみることにした。

しばらく降りていき、ふと思ったことがある。

この階段、長すぎる。もう体感時間では10数分は下っているはずだ。そう思った時、階段の先に終わりが見えた。僕は少しだけテンションが上がり駆け下りてしまった。そして駆け下りた先は洞窟の大広間のような場所であった。まあ、天井も壁も床も自然の岩であるが、あちこちに電源の入っていない古びた計測機器のようなものや機械があり、真ん中に台がある部屋を「洞窟の大広間」と呼ぶならという話だが。


「この台はなんなんだ?.........宝石が嵌ってる?その横には手形.........ここに手を置けばいいのか?」


中央の台を確認すると、台の左側には窪みがあり、そこに深紅の綺麗な宝石が嵌っており、その横には人の右手の形の手形があった。つい好奇心に負けて手形のところに手を置くと、台の中央に光る文字が浮かび上がってきた。何故か文字自体は全く分からないのにその意味だけが頭に入ってくる。


「我.........力を望むモノ.........魔を取り込み.........肉を捨て.........新しき肉を望むもの.........ってうお!?な、何だ!?.........グ!?ガァァァァァァァ!」


僕が書いてあることを読み上げた瞬間、地面に深紅の光が走り幾何学模様を構成したかと思うと急に全身に激痛が走り、僕は気を失った。

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