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ライカの悔恨 その一

続きです。

この話飛ばしてました。

私の名前はライカ。

ノアとは幼なじみで小さい頃からほとんど一緒に過ごす仲で、その延長線で、お互いに自然と惹かれ付き合い始めた。

それが当たり前だった。

なのに私はノアを裏切ってしまった。

王都のギルドの先輩であるオッズさんと関係を持ってしまった。

まったく好きでもない男性と関係を・・・。

今思い出しても、お腹を引き裂きたくなるほど、酷く後悔している。

あの日、ノアがロライドさんのところへ行った数分後、オッズさんが私達の家を訪ねて来て、無用心にも招き入れてしまった。

そこから狂ってしまったのだ。

記憶が曖昧だが、私がオッズさんを少しずつ求め始め、関係をーーオッズさんのことが好きだったんじゃないかと思ってしまうほど・・・。

その日、夜遅くに修行を終えたノアが帰ってきた。

それも血塗れで。


「た、ただいま・・・」


「おかえーーって、どうしたのノア!?血塗れじゃない!」


「えっ?血塗れ?」


私はとても驚いた。

ロライドさんはどんなことをノアにしたのかと、怒りたくなった。


「なにがあったの?」


私は心配して聞いた。

普通に普段通り・・・ううん、血塗れだからそれはかった。

しかし。


「大丈夫だよ」


ノアは私の方へヘルムを向けずに、ズボンの横をギュッとつまみながら言った。

これはノアが無理をしている時にする癖だ。

私はその癖を知っている。

だから。


「どこがなのっ!そんな血塗れでフラフラでどこも大丈夫じゃなーー痛っ!」


私が感情が昂って怒るように心配した瞬間、私の頭を激痛が襲いました。

その激痛の影響か、頭の中がモヤモヤと何か変な感じがしていることに気がついた。


「だ、大丈夫!?ライカ!」


ノアが私を心配してくれた。

その声はいつものノアだった。

しかし、モヤモヤとした頭の中にオッズさんのこともあって、ノアとオッズさんのどちらが好きなのか訳がわからなくなっていた。


「・・・っ!今日はシャワー浴びて先に寝るよ」


ノアは私を避けるように行ってしまった。





翌日。

私が起きると、すでにノアの姿はベッドの上にはなかった。

私とノアの寝室に、微かに料理をしたあとの香りが入ってくる。

ノアはどこかへ出掛けたみたいだ。

私は、昨日あった事に罪悪感もあるような快楽もあるような、そんな感情がグチャグチャの状態で気持ちが悪く、すぐにまた眠ってしまいました。

次に目を開けるともう日が暮れていました。

少し時間が経つと・・・。


「ただいま!」


「お、おかえり」


ノアが帰ってきました。

私は普段通りの笑顔を作りました。

できる限り自然体で。

しかし、ノアは一瞬気にしたようで、していないような反応でした。


「ボクね、新しい師匠ができた。凄く美しい剣の舞だったんだよ!それを教えてもらえるんだ!」


この時私は、ホッとしていた。

昨日の血塗れで今にも崩れ落ちてしまいそうなノアではなく、いつもより上機嫌なノアだったからだ。

それに、こんなに嬉しそうなノアを見ると、子供の頃のノアもこんな感じの時があったと思い出す。


「教えてもらうって、依頼は受けるの?」


私は普段通りに話した。


「うん、今まで通り二日に一回受けるよ。休みの日はほとんど修行・・・楽しみだ!」


また本当に嬉しそうな声色で話す。

私はノアのこういうところが好きで好きで仕方がなかったことを思い出した。

私を想って優しいところや、無理をしてしまい目を離せないところ・・・大好き。

一途に真っ直ぐに見てくれるそういうところが・・・そう、私はオッズさんじゃなくてノアが大好き。

その瞬間。


パチンッ


私の頭でなにかが弾けるような感覚が起きた。

そして、私がなにをしてしまったのか、好きでもない男性と関係を持ってしまったのか、鮮明に思い出し恐怖と気持ち悪さが身体を襲った。

さっきまで、オッズさんのことが好きだったのかもしれない。と思っていた感情も綺麗に消え去り、元に戻っていました。

気持ち悪い・・・気持ち悪い・・・気持ち悪い・・・。

でも、ノアを裏切り、関係を持ってしまったことは変わりません。変えようのない事実だ。

気持ち悪い・・・気持ち悪い・・・気持ち悪い・・・。

私は最低・・・。





次の日。


「ただいま!」


ノアが帰ってくるとヘルムが傷だらけになっていた。

私はノアに。


「おかえりーーって、どうしたのそのヘルム。傷だらけだよ?」


血塗れに続いて今度は傷だらけ・・・心配するに決まっている。


「縮地ーーじゃなかった、スキップっていう新しい技術の修行で顔面から転びまくっちゃって」


あはは。と笑うノア

少し不自然な笑顔に見える。


「そ、そうなんだ。心配させないでよ」


表情とは別に、話をしているノアの声色はとても楽しそうだった。

でも、私の心配よりも・・・。


「大丈夫だよ。師匠がちゃんと見てくれているし、心配もしてくれているから」


ノアが師匠という単語に気持ちを込めていた。

私よりも師匠に心配される方が嬉しいと思っている、そう思えてしまった。

それに少し突き放すような言い方・・・私はとても悲しい気持ちに染まった。

もしかしてオッズさんと関係を持ったことを知っているんじゃ?

こんなことノアには言えない・・・でも、言わなきゃいけない。


「明日の依頼、サクッと終わらせようね」


と言い、私を避けるように離れようとするノアの腕をギュッと掴んだ。


「の、ノア・・・あ、あのねーー」


言わなきゃ、オッズさんと関係を持ってしまった。と、ごめんなさい。と・・・でも言ったあとはどうする?

私はノアのことが好き、大好き・・・でも、そんなんこと信じてもらえるはずがない。

私が望んでしていなくても、その根拠、証拠、一切ない。

だから・・・。


「ん?どうしたの?」


「う、ううん、なんでもないよ。明日も頑張ろうね」


私は言えなかった。

逃げてしまった。

向き合えば変わったのかもしれない。

でも、どう言えばいいのかわからない。

私は最低だよ・・・ごめんなさいノア。

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