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女装男子・つづきです

「それは伊藤さんの感じたまま! 表現されたものはもう鑑賞者のものだから」

 はぐらかされた気分だ。

 「え、ずるーい! 藤井くん、さっきは私に聞いたくせに」

 「だいたい、教えるものと教えられるものがあったら、教えるものの方がずるいものだよ」

 「難しいこと言って煙に巻こうったって...。」

 あずみは軽く夏生をこづく真似をした、そうしながら、こんな軽口をきいて笑いながら話すのは、小学生の時以来かもしれない、と思った。心地よい解放感が込み上げてきた。

 「あのね、お願い」

 またしてもあずみは大胆になっていた。

 「今度、買い物に付き合って。藤井くんの行くお店でいい」

 きっぱりと言ってしまった。夏生はこともなげにこたえた。

 「いいよ、いつにする?」

 人間関係において、こんなに軽快に事が進むのは、人生初の経験かもしれない。すぐに、明日の授業の後に決めた。夏生は授業は3時には終わるという。あずみは嘘を言って、自分も午後の授業はないと言ってしまった。夏生と別れて、次の授業を受けているとき、はじめてふと、自分が男性と二人で出かける約束をしてしまったことに思い当たり、顔を赤らめた。


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