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これからだ、私 ~青春を描く受験物語~  作者: かがやき509号
第1部 高校3年生1学期~夏休み
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第1章 第2話 満開の桜に迎えられ・・・

春期講習が終わり、桜が満開に咲き誇る中、高校3年生1学期が始まった。

教室の場所やクラスのメンバーが変わり、新鮮な気分の中、主人公・田上恭介はGW明けにある第1回全統マーク模試に向け、毎日受験勉強に勤しんでいる。

♪春が来た 春が来た どこにきた 山に来た 里に来た 野にもきた


東宮(ひがしのみや)市の花でも桜が満開に咲き誇る中、僕たちは晴れて3年生になり、新しく4組に入った。担任は1年生の時も担任だった谷中(たになか)泰典(やすのり)先生に決まった。新しいクラスメイトは知っている人が7割、知らない人が3割。でもなんだか新鮮な気分だった。

翌日、入学式が執り行われ、新入生240名が宮北高校に入学してきた。ふと2年前を思い出す。何もわからないまま高校に入学し、まもなく授業が始まった。「初めが肝心」と思いながら気合いを入れて勉強をしたものだから1学期はいい成績が取れっちゃった。けれど、2学期に入ってから勉強が難しくなったのか、スランプに突入したのか、やり方を取り違えたのか、僕の成績は下降していくばかりで、提出物等で何とか単位を認めてもらっている科目もあった。

そんな僕が今、関政大学を目指して受験勉強をしているのである。世間はこの挑戦を無謀に思うかもしれない。だが、一般入試に内申点は関係ない。これからの勉強あるのみだと思う。


入学式の翌日、いよいよ3年生としての授業がスタートした。3年生としての授業とは言え、知らない先生が教科担当になることはなく、顔を知っている先生による今まで通りの授業が続く。そして6時間目の授業が終わると終礼が始まり、帰宅となる。2年生までは夕食を()ってから塾へ向かっていたが、これから本格的な受験生としてさらに忙しくなるためいったん帰宅するのをやめ、そのまま塾へ向かうことにした。とはいえ、何も食わずでいると腹が減るので母の許可を得て夕食を宮口駅前にあるショッピングモール『アクア東宮(ひがしのみや)』で()ることにした。その後、塾に向かい、夜10時まで勉強。帰宅後、母特製の夕食・・・ではなく夜食を食べるという生活になった。不健康的な生活かもしれないが、この1年間だけの話だ。1年間だけは頑張ろう。


春期講習は塾に通う日が不規則だったが、この4月からは

英語専門塾Tsuyoshi・・・・・毎週火・木・土曜日

国語専門塾正経ゼミナール・・・毎週月・水曜日

松田塾(日本史)・・・・・・・毎週金曜日

と決まり、日曜日は何もないもののそれ以外の曜日は専門塾の個別授業や松田塾の特訓が入ることになってしまった。学校の勉強に加えて塾の勉強をこなしていかなくてはならないのである。たった1年間とはいえ本当にやっていけるのだろうか。2年生のころは大手予備校の講座地獄にはまってしまい、結局成績はこれっぽちも伸びなかったのだ。英語の個別授業を週3回も入れて大丈夫?国語の個別授業を週2回も入れて大丈夫?そんな不安が頭をよぎった。

でも、今の学力からして週3回を週2回、週2回を週1回にする余裕はなかった。何が何でも、一般入試は2月1日から始まるのだ。2月1日と決められている以上、今どんな学力であろうとその日までに間に合わせないと合格することはできないのだ。だから先生方は週3回・週2回を僕に提案してきたのだ。多分、お金(もう)け目的ではないと思う。

「この1年間は先生のちゃんと言うことを聞いて努力しよう。」

と僕は決心した。


強くて硬い決心を固めたものの「講座地獄」の点はまだ不安が残った。でもその不安はすぐに解消された。

今まで通っていた大手予備校は1教室に最大100人が入り、集団授業を受ける形式だった。だから1人1人に合わせた授業ではなかった。もっと言うと1人1人のために教えているという感じではなかった。だから僕はただ単に授業を受けるだけになってしまい、何も成績が上がらなかったのだ。でも、今は違う。今通っている塾は3つとも生徒1人1人のために全力を尽くしてくれる個別指導塾だ。先生方は目の前にいる生徒を何が何でも合格させたいという思いで必死に指導しておられるのだ。こんなに必死に教えてもらっているのに復習もせずに授業を受けるだけ?特訓を受けるだけ?そんなバカな話があるわけがない!

僕は今までの態度を改めた。英語や国語の授業後は宿題だけでなく、復習もした。復習というのは簡単に言うと「覚えるべきことを覚える作業」だ。英語であれば個別指導中に教わった単語や構文・イディオム(熟語)、国語であれば個別指導中に習った単語や文法事項などを覚える作業である。それらを覚え、忘れないように定期的に反復をした。反復は毎日はできないが週に複数日、1回あたり3周すると決め、実行した。すると少しずつではあるがだんだん頭に入ってきて個別指導中、先生からの試問にもすぐに答えられるようになっていった。


この「1回あたり3周する」というルールは松田塾で習っている日本史でもやってみた。今使っている参考書は『金谷(かなや)のなぜと流れがわかる日本史』(東進ブックス)と『スピードマスター日本史』(東京都歴史教育研究会)である。金谷(かなや)先生の本で日本史の学習事項を理解し、『スピードマスター』という穴埋め式ワークブックで語句のチェックをしていく。特訓では『スピードマスター』を筆記テストとして科せられ、8割以上を()ったら合格として次に進める。金谷(かなや)先生の本はコーチングの』時間に口頭試問として問われる。

最初、口頭試問では全くといっていいくらい答えらえなかった。それは金谷(かなや)先生の本をたった1回しか読んでいなかったからだと思う。だから1週間の間に指定範囲を3回読むことにした。そして次の特訓の時に口頭試問を受ける。すると少しずつ試問に答えられるようになったのだ。まだ完璧とは言えない。けど、最初の時に比べたら絶対マシだ。今までと違い、成長している感があった。


次の第1回マーク模試は5月6日、GW明けにある。これは学校内で受けるものではなく、校外の試験会場で受ける模試だ。その日までどれだけ成績を伸ばせるだろうか。僕はちょっぴりワクワクしていた。


最後までお読みくださりありがとうございます。

次週は超大型連休に伴い、遠出をするため次回投稿はGW明けになるかと思います。

高頻度での投稿ができず、申し訳ありませんが、連載自体は頑張って続けていこうと思っていますので、今後ともよろしくお願い致します。

コメントも募集しておりますので遠慮なくご投稿ください。

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