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毎日が漫画 2 セールス

作者: asaet

フリーランスになる前、私は事務所に入っていた。とはいえ、所属な立場で社員ではなかったので、多少自由に時間を調整しながら仕事をしていた。

事務所には毎日行って何もない時でも、ただお茶飲んでお菓子食べて、、そんな日もあった。

事務の方がいるわけでもないので、自分の事は自分でやっていたし、お客様が来たら、お茶を出したり、電話がなればきちんと対応した。

OL要素は身についていたかもしれない(そんな事ぐらいで!なんて言わないでください)


春時期には、よく事務所にセールスがきていた。

決まって新入社員と上司的な2人組。

「〇〇の機械の新商品のご案内に、、」

「結構です。」「必要ないので!」

はっきりお断りしないとダメで、

「今、忙しいので!」なんて言った日には、

また

「先日伺いました〇〇の機械の新商品の、、、」

と単純に忙しかったなら忙しくない時があるはずだからまた来ようと思わせてしまい、セールスはやってきた。

それが営業。それがセールスなんだろう。きちんと断らないと期待を持たせちゃダメだ!

なんか、自分の本来の仕事ではない事で真剣に取り組んでしまっていた自分がいた。

そんなに熱い気持ちをもってないくせに…

そんなセールスが来る日々になれて適当に(ごめんなさい)対応するようになってた時、

次のセールス攻撃がやってきた。

電話。

電話セールス!


書き加えておきますが、事務員でもないのに、仕事ないのか?

毎日事務所にいてセールスの対応してるだけなのか?

大丈夫か?なんて心配は無用。セールスは毎日はこないし、来るタイミングが私のいる時とシンクロしているという私はある意味

「もってる人」なんです笑

よく、お洋服屋さんでも飲食でもお店に人がたまたまいない時に普通は、

「誰もいないから入りづらいなあ」

「自分だけなら接客のターゲットになって買わされるなあ」

などとよぎってしまうもので入るのを躊躇してしまう。私は接客にこないで!の空気を漂わせているので(勝手に)誰もいないお店に入っても接客にはほとんどこない。なので、普通に店を見に入る。

そうすると、気づくと店の中に人がたくさんいる。

店が混んでしまう。寄せつけているのか、、そんなことがよくある。

本当に事実。


なので、セールスのタイミングがあってしまうのです。

電話セールスが始まりだした時、まあ、よくかけてきますねーと心の叫びが出てしまうほどに

「こんにちは。私〇〇の〇〇と申します。

会長様はいらっしゃいますでしょうか?」

かかかいちょう?会長?

なんだそれ。ま、いいやめんどくさい。

「いません」「わたくし共では、只今新商品のご案内のお電話を差し上げておりまして」

わかってるよ!電話きてるんだからそういう説明いいから!というか、いないって言ってのに話すのかよー!

「いませんので失礼します」とさえぎるように切ってしまう。そんな事を繰り返していた。

なんの事務所かわかってかけてますか?

そう聞きたくなるセールスもあった。

「こんにちは〇〇の〇〇といいます。お店でお使いのレジスター交換されませんか?」

「こんにちは〇〇の〇〇と申します。この度介護用ベッドの案内でお電話しました」

どんなんだよ!おい!

わからなくてやたらめったら営業電話をするバイトだと思ったし、1件でもうまくいけばお金になるのではないか?とすら思う様になった。

会長はともかく、

「社長様いらっしゃいますか?」はまだよいとしても、

「担当様いらっしゃいますか」って、なんの担当だよ!担当って適当だなあ。はい?と言いたくなるものだった。

そんな電話はきっぱり二度とかけてこない様にお断りしていた。

驚くのはいつも同じ人がかけてくることがある。

さすがに声を覚えてしまった。

あ、またこの人。いません、知りません。

とお断りしてもめげずにかけてくるガッツのある人だ。

でも同じところにかけてることに気づいてないので、バカとしか言いようがない。。

その日もまた同じおバカさんがかけてきた。

「こんにちは〇〇の〇〇と申します。本日、社長様いらっしゃいますでしょうか?」

「いません」

「本日はお戻りになりますでしょうか?」

「わかりません」

そう言って失礼して切ろうとした時

初めておバカさんが言いました。

「お名前伺ってよろしいですか?」

はい?は?私?

「は?」

「あの、お名前を伺って、、、」

なんか大したことないのにしつこさにイラッときてしまった。

とっさに私は名乗りたくないと思い


「私は今日だけなんで!」


「あ!きょうだけさまですね!」


今日だけ→京岳?今日岳?経茸?どんな字だ?

いやいや、今日だけしかいないので、名乗りたくない!そう捉えて欲しかったのに取り乱して言葉足らずになってしまった。

なので、おバカさんは私を「キョウダケ」という名前と信じて

「また改めてお電話します」

そう言って電話をきった。

次にかかってきたら

「〇〇の〇〇と申します。キョウダケ様ですね!」

と言ったらえらい!と褒めたい。

しかし、私はキョウダケ→今日だけなので、二度と電話にでることはなかった。




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