表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/32

彼の決意

 夕方には退院することができ、私は大斗さんをマンションまで送ってから、一旦会社へ荷物を取りに行くことにした。

「…ほんとに、戻ってくる?」

マンションの部屋から出るとき、大斗さんは玄関に立って、まるで子犬のような目をしていた。

大きな大人のそんな様子を見て、なんだか噴き出しそうになってしまう。

「大丈夫だよ。すぐ戻って来るから」

大斗さんに笑顔でそう言い聞かせ、私は会社へと向かった。

 無事に退院できたことを伝えると、オフィスのあちこちから冷やかしの野次がとんでくる。恥ずかしくて目を逸らすと、隣の席の阪本くんと目が合ってしまった。

彼は何かを決意したような顔で、私を見た。

「…ちょっと、いいか」

「うん…」

 阪本くんと連れ立って、誰もいないカフェスペースに入る。

夕暮れ時で、なんだか妙にムードがある。

「俺、諦めねーから」

「…え?」

阪本くんは、私に背中を向けたまま話し始めた。

「たしかに、あの人は仕事もできるし、実際俺も今まで何度も助けてもらった。男の俺から見てもカッコいい人だよ。…でも、なんか悔しいじゃん。課長に仕事も恋愛も負けたままなんて。…俺、これからもっともっと頑張って、課長と同等に勝負できるようになるから」

そして、ぱっとこちらを振り向き、吹っ切れたような笑顔を見せてくれた。

「…うん!」

彼の、こういう潔いところが好きだ。これからもきっと、同期のよき相棒として、仲良くやって行けるだろう。

そして彼にもいつか、素敵な人が見つかることを願いたい。

「もし何かあったら、俺にすぐ言えよ?掻っ攫ってやるから。あの人、優しすぎてけっこう頼りないトコあると思うんだよな」

「ははは…」

やっぱり、彼の勘の鋭さは健在だ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ