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変わらない想い

今日は月曜なのに、同期飲み会。火曜水曜が休みの部署が多いからだ。だから、俺としては正直迷惑。まあ、ほぼ毎回参加してるんだけどね。

同期の活躍や苦労話を聞くのは楽しいし、いい刺激にもなる。

「吉川、最近彼女できたってほんと?」

始まってすぐ、総務部の山下に突然こんなことを言われてドキッとした。もちろん、まわりに聞かれないようひそひそ声だけど。

「なんで知ってるんだよ。どこかで見た?」

「やっぱ、ほんとなんだなー。俺の課の渡部ってやつがさ、お前と同じマンションの同じ階に住んでんだろ?で、偶然お前の部屋に女の子が入っていくの見たって」

「そっか、見られちゃったか」

きっと先々週の、凛をはじめてうちに呼んだときだろう。

ははは、と笑いながら答えると、

「で、誰だよ。うちの会社の子?」

「…うん、まあね」

山下はけっこう口が堅いから大丈夫だろう。入社以来ずっと友達で、最近はお互い忙しくてあまり行けてないけど、仕事終わりに2人で飲みに行くこともしばしばという仲だ。

「けどお前、森山にも気に入られてんだろ?大丈夫なのか」

「え?」

当の森山は今日の飲み会には来ていないみたいだから、こんな話もできる。

「だって…、あいつ、昔からそうらしいじゃん。1人じゃ満足できないから、彼氏がいても常に他を狙ってるって。まあ…、悪い奴じゃないからあんまり言えなかったけど、森山と佐藤がつきあい始めたころから、お前ずっと狙われてるぞ?女子に公言してたらしいし」

「えー?そんなの、今まで特に感じたことなかったけど」

俺は森山個人とそこまで仲がいいというわけではなかったけど、思えば研修の時なんかはよく同じグループにいた気がする。

「気づいてなかっただけじゃないのか?俺が聞いた話によると、お前に言い寄ろうとした子、みーんないじめて排除してたらしいぞ」

「え…?」

それは初耳だ。確かに、俺はいろいろ噂されるわりには、実際に告白されることは少なくて、ただの自惚れだったのかも、なんて思っていた。

ひょっとしてあの日、凛にも何か傷つけるようなことを言ったんだろうか…。

「遅れてごめんなさーい!」

森山が元気よく入ってきて、俺と山下は驚きのあまり少し飛び上がった。

「なあに、吉川たち。驚きすぎじゃない?幽霊でも見たような顔して」

「あ、ああ…」

そう言いながら、森山は俺の隣に座った。山下の目が「ほら見ろ」と言っている。

「吉川、なに飲んでるの?」

「ハイボールだけど…」

「じゃあ私も同じのもらおーっと。すいませーん!」

森山は大声で注文を通す。

一見、明るく美人で誰からも好かれるタイプ。でも、中身は腹黒い…。

女って怖いなあ。いや、凛は別か。あの子は可愛いの一言。あーあ、凛に会いたいなあ。

ちょっとぐらい冷たくされてもいいから、俺のほうを向いてほしい…。少し氷の解けたハイボールをあおりながら、俺は切に願うのだった。

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