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招待状はメモ用紙

 そんなこんなで、課長とのおつきあいが始まって数日が経った。

企画部全体で大きな仕事にかかっているせいか、あれからまともに2人で会うことすらできていない。LINEや電話でやりとりすることはあるけれど、課長も私も忙しく走り回っていて、就業中は顔を合わせることすら少なくなっていた。

そのおかげで、私達の関係がまわりにばれることはなかった。

「皿池ちゃん、これやっといて」

「はい!」

入社2年目で、まだまだ駆け出しの私と阪本くんには、先輩たちから山のように仕事が降ってくる。そのため、近ごろでは少し残業することもしばしば。お腹がすくから、バッグにお手製ビスケットを忍ばせたりしている。

「おつかれさまー」

「あ、お疲れさまでした!」

20時も過ぎ、先輩たちは続々と帰っていく。けれど、私は明日の資料作りがまだ終わっていない…。

ちらりと課長席を見ると、まだ課長も残っているようだった。よし、もうひと頑張り!

 「皿池さん、これありがとう」

声に反応して振り向くと、課長がファイルを持って立っていた。私が数日前に、置手紙と共に課長のデスクに置いたファイル。

「あっ、はい!」

「わかりやすくまとめてあって、すごく参考になったよ」

「いえ、そんな…」

オフィスには、2,3人の社員がぱらぱらと残っているだけ。…私はなんとなく緊張しながらも、ファイルに手を伸ばした。

すると、課長にファイルごと手を掴まれる。…ううん、掴むなんて乱暴な感じじゃなくて、包まれる…みたいな。って、自分でなに言ってるんだろう。

「ここのところ、よく残業してるみたいだけど…、体調は大丈夫?あまり無理しないで」

「はい…。課長こそ、ちゃんとお食事されてますか?」

「うん。俺は大丈夫だよ」

課長はにこっと微笑んでから手を放し、私のデスクにあるメモ帳に何か書き込みをした。

「切りのいいところで切り上げて、遅くならないうちに帰るんだよ」

「あ、はい…」

そう言って、課長はデスクに戻っていった。…何を書いたんだろう?

メモ帳を見ると、そこには『今週土曜の夜、よかったらここに来て』と書かれていて、その下にはどこかのマンションらしき住所が書かれていた。

…これって。

もしかしなくても、課長のおうち…!?

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