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復讐のバトンタッチ  作者: エデンの園の魔界蛇


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木山宏美への復讐9



「それじゃあ、宏美。また来るぜ」



 弘和はニヤリと笑って宏美のアパートを出て行く。

 その姿が消えた後に宏美は弘和に乱された服を整えた。


 義彦と別れた後に現れた弘和は毎日宏美のアパートに押しかけて来る。

 扉を開けないでいると大声で宏美の名前を呼び扉を蹴るので宏美は仕方なく弘和を部屋の中に入れていた。


 昨日などはこのアパートの大家から「大声を出す男性をどうにかしてくれないと他の住民の迷惑になるので部屋を出て行ってくれ」とまで言われてしまった。



「それもこれも全部義彦のせいだわ! なんで私がこんな目に合うの!」



 宏美はテーブルに拳を叩きつける。

 その様子を俺は姿を消して見ていた。



 ざまあねえな、宏美。

 義彦に離婚を突き付けたのはてめえだろ。


 なんでも人のせいにするのは昔と変わってねえなあ。

 まあ、それでこそ復讐のし甲斐があるってもんだがな、ククク。



 そこで玄関の扉が開く。

 部屋に入って来たのは義彦だ。



「宏美。話があるんだが……」


「義彦! あんた、どこに逃げてたのよ! 一千万の宝くじが当たったって聞いたわよ! 今すぐ慰謝料として私に一千万払いなさいよ!」



 義彦から一千万もらえばこのアパートから遠くに引っ越しもできるので弘和から逃げられる。

 宏美は義彦も嫌いだが弘和の方がもっと嫌いだ。



「お、落ち着いてくれ、宏美。その一千万はもう全て使ってしまったんだ……キャバクラで……」


「はァ!? キャバクラで一千万使いきったですって! そ、そんな、それじゃ、私はどうやってあの男から逃げるのよ……」



 弘和から逃れられる唯一の希望が閉ざされて宏美は絶望に顔を歪める。



 ヒャッハッハッ! その絶望に落ちた顔いいね!

 遺影にするために写真に撮っておいてやろうか、宏美!



「ひ、宏美が元旦那に付きまとわれれてるって聞いて俺は目が覚めたんだ。宏美、もう一度俺とやり直さないか?」


「やり直す……? 義彦と?」


「そうだよ。俺と復縁して遠くにマンションを買って引っ越して二人でやり直そう。今日はそのためにこれを持って来たんだ」



 義彦は自分の名前が記入済の婚姻届の紙を宏美に渡す。

 絶望に落ちた宏美の瞳に少しずつ生気が戻り始める。


 弘和から逃れるためならもう一度義彦と結婚してもいいかもしれない。

 それに金を持たない義彦なら浮気相手も愛想を尽かせて手を切るだろう。



「本当にあの男から私を守ってくれるの?」


「もちろん守るよ。そう思って今日はこの書類も持って来たんだ」



 義彦は新たな書類を宏美に渡す。

 その書類はマンション購入のローンの申込書だ。



「そのマンションは中古で一千万だ。俺がローンを組むから宏美に連帯保証人になって欲しい」


「連帯保証人……ちょっと待って、これって名義は義彦だけになってるじゃない。このマンションは100%義彦のモノってことでしょ? そんなのズルいわよ。私にも権利頂戴よ」



 俺の予想通り宏美はマンションの所有権利について主張してきた。



 その言葉、待ってたぜ、宏美。

 さあ、義彦よ。魔法の言葉を宏美に言ってやれ。



「そうだね。宏美に赦してもらう謝罪の気持ちを示す必要があるよね。それなら宏美がそのマンションの購入者になってローンを組めば所有権は宏美が100%持ってもいいよ」


「え? 私が購入するの……? でもローンを返済するお金なんてないわよ」


「だから俺と復縁するのさ。俺と夫婦なら二人の収入でローン返済すれば問題ないだろ? それに俺が連帯保証人になるし」


「そ、それは、確かにそうだけど……」



 宏美は書類を見ながら考える。

 ローン返済は義彦と復縁すればなんとかなるだろう。


 義彦だって自分とまた夫婦としてやり直したいから婚姻届も持って来たのだろうし。

 それに義彦と復縁してこの遠くのマンションに引っ越せれば弘和から逃げられる。



「分かったわ。婚姻届とローンの借用書にサインするわ」



 宏美は二つの書類にサインと印鑑を押した。



 アハハッ! 宏美の奴、まんまとサインしやがったぜ!

 これでてめえの借金は一千万上乗せだぜ!



「義彦も連帯保証人にサインして」


「分かってるよ」



 義彦もその場でサインと印鑑を借用書に押した。

 宏美はホッとした様子だ。

 義彦に騙される可能性を警戒していたのだろう。

 


「それじゃあ、これから俺が婚姻届を出しておくから。あとマンションの購入の手続きに不動産屋にも行って来る。なるべく早く戻って来るから」



 義彦は宏美がサインした二つの書類を持ちアパートを出た。

 外に出た俺は義彦の前に姿を現す。



「木山様。うまくいったようですね。さあ、私にその書類を渡してください」


「あ、ああ」



 義彦から婚姻届とローンの借用書を受け取り俺は持っていたカバンを義彦に渡す。



「これがマンション代の一千万です。後のことは私に任せて真夜さんと幸せになってください」


「あ、ありがとう、中村さん」



 魔力で作った金の入ったカバンを義彦は大事そうに抱えて姿を消した。

 真夜は半年後に人形に戻るようにしておいたので義彦の幸せは半年で終わる。


 俺は借用書を確認する。


 連帯保証人には義彦の名前と印鑑が押してあるがそれを俺は魔力で綺麗に消してしまう。

 これで一千万の金は宏美ひとりがその返済の義務を全て負うことになる。



 宏美よ。借りた金はきちんと返すのが人間として当たり前だと教えてやるぜ。

 借金の取り立ては俺が作った人形のヤクザにやってもらうから覚悟しろよ!


 それとてめえと再婚する相手は俺がもっと相応しい男を選んでやるからな。

 感謝しろよ、ククク。


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