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08S.2匹の陰獣

「城ヶ崎ホタル」は、そう言うと、扉を開けました。ホタルが中に入ったので、続けて蜃気郎も、入りました。そこは普通に入れました。2人が中に入ると、扉が自動で、閉まりました。そこに霧島達が直接、居た訳では有りませんでした。そこは「異次元空間」でしたが、ちゃんとした建物の中でした。広いスペースが有り、壁伝いに左に曲がって、前に向かったその先に、牢獄が並びました。


扉から入って1番近い牢獄に「霧島エミリ」が、入って居ました。中は広めの造りで有り、トイレもシャワーも、有りました。彼女は全裸でベッドの脇に、座り込んで居ました。虚ろな目をしており、確かに異常な雰囲気でした。彼女の体臭のせいなのか、とても「淫靡な香り」がしました。


エミリは、ホタルの顔を見ると、静かにベッドの上に這い上がり、股を開くとホタルが、乗って来るのを、待ちました。エミリの様子を見ると、ホタルは、ここでも彼女を、相手にしながら、疑似性交をしたようでした。そしてしながらバイタリティーを、奪ったのでしょう。久し振りに見た霧島は、薄汚れて居ましたが、ホタルが言うように、中々の美女に変わりました。


またスドレスに、バイタリティーを奪われ過ぎると「極めて大人しく」成り、自我の損失した個体に、変貌しました。またホタルが、言うには「この手の者に、攻撃を加えると、逆上して暴れるときが有るので、それはしない方が良い。」と、言いました。またホタルが、言うには「逆上したらたんまりと、バイタリティーを奪ってやれば、反抗出来なく成る。」と、言いました。


それを見て、蜃気郎が言いました。「彼女が霧島か。面影は有るが随分と、大人しく成ってしまったなぁ。それに幾分臭い。彼女はシャワーを、浴びて居ないようだ。それに「ホタルの教育」が、良いようで彼女は、素直に従って居る。今日も彼女のバイタリティーを、奪うつもりで居たのかい。」と、蜃気郎がホタルに、聞きました。


するとホタルは「今は由美ちゃんとツガイに成ったので、もう他者のバイタリティーを奪うことが、出来なく成った。」と、言いました。するともう「霧島達の存在意義が、無く成った」と、言うことでした。この牢獄の隣の部屋には「唐沢マリエ」が、収監されました。彼女も霧島と同じ状態でした。しかし彼女は、ホタルを見ると、ベッドの上に上がり、股を開くと、泣き叫びながら、笑いました。こちらの方が、とても深刻な状態でした。


2人は長い間、ホタルにバイタリティーを、奪われ続けました。そして彼女が負傷して、長い入院生活を、余儀なくされたので、その間、2人は放置状態でした。その為、幾分ボケも発症したようでした。2人は、まだ若かったのに「残念な状態」でした。


霧島達をここに放置しても、食料は自動的に調達されました。その為、彼女達は死ぬことが、有りませんでした。しかし自力では、ここから出られないので、このままだと「飼い殺し」に、成りました。蜃気郎は、彼女達の開放を、考えました。「もう随分、彼女達には、ホタルのお陰で、報復が出来た」と、思われました。後は、面倒なので「彼女等を、元の世界に戻そう」と、思いました。ホタルも、飽きたようで「それでも良いわ。」と、言いました。


エミリとマリエは、ホタルが、中々してくれないので、1人で始めました。彼女達の身体から立ち込めた「淫靡な香り」は、それによるものでした。彼女達は、この空間で、ホタルが居ないときは、彼女に教えて貰った「快楽を伴う行為」に、ただ只管ひたすら耽って居ました。


ホタルが、言いました。「霧島達を捨てるのに、良い方法が有るかしら。1番簡単な方法は、このまま彼女達の〝バイタリティー(生命力)″を、後数回も奪えば、彼女達の〝肉体の崩壊″が始まる。すると最後には、塵芥ちりあくたに変わり、何も残らなく成るのよ。そうなれば、ここで問題が解決するわ。」しかし既にホタルは、スドレスの能力を、失ったので、このケースは無理でした。


後は、このまま元の世界に、開放する手も有りました。しかし彼女達は、正気ではないので、仮に正気が戻るとホタルに、何かの報復が、考えられました。このままここで、殺害しても良いのですが、気分が優れませんでした。また遺体の問題も、有りました。そこで蜃気郎が、何かを考えたようで、ホタルに言いました。


「私とホタルは、唯一の左右神の〝インカ(化身)″だ。2人揃えば〝空間のクビキ″さえも、止めることが出来た。私が、この世界に居る限り、私の関係者が、何をしても、あの厄介なそれは、発動されないようだ。またこの世界の創造神は、時間や次元を、超越出来るようだ。それが自分達にも或る程度、可能なようだ。」


「そこで、ホタルは霧島達が、ホタルの楽器店に、初めて現れたときに、彼女等とは接触しなければ、この空間に彼女達が、存在しなく成る。ここに居なければイケない、切っ掛けを、作らなければ、良いのだよ。」と、言いました。そんなことが、可能なのでしょうか。しかし蜃気郎が、言いました。「私達なら、それが出来るのだよ。それは、そんなに難しい方法ではない。」彼女は、それを聞くと「それが良さそうねぇ。」と、言いました。


「霧島エミリ」が、1人で興奮して、激しい行為に、没頭しました。「唐沢マリエ」も、同じでした。マリエの声が、とても大きく響きました。するとホタルが、言いました。「どうすれば、そのときの自分の所へ、行けるのでしょうか。」それを蜃気郎が、簡潔に教えてくれました。


「あのときの状居を、良く思い出すのだ。そしてそのときの君を、思い描いてみてくれ。そうすれば、今の君の意識が、そのまま当時の君の身体の中に入り、当時の君の意識を、コントロールすることが、出来る筈だ。さすれば思った通りに、成るでしょう。」と蜃気郎が、やり方を教えました。ホタルは試しに、やってみることにしました。


するとどうでしょうか。「確かに当時の状況を思い出すと、今の自分の意識が、そこに飛んで行ったような、気がしました。」今のホタルの意識が、当時の身体の中に入りました。そこはホタルが長年勤務した、楽器販売店の中でした。


自分はレジのブースの中に居ました。彼女は、立ち仕事でした。その日は、遅番の勤務でした。遅番は、昼頃の出勤で21:00までの勤務でした。そして遅くに霧島と唐沢が、店内にやって来ました。彼女達は楽器の物色をしました。それを離れたブースで、ホタルが見ました。


店員は、彼女だけでした。霧島がホタルを見ましたが、別に話し掛けることもなく、暫く見て居ると2人が、店外に出て行きました。それで終わりました。また戻って来ると、厄介だったので、その日は閉店まで、その身体の中に入りました。そして時間が来ました。霧島達は、戻って来ませんでした。当時は霧島がホタルを見たときに、ホタルが話し掛けて、切っ掛けを作りました。今回は、それをしなかったので、それで終わりました。


後は、飛ばした意識を、今の自分の所へ、戻すだけでした。既に当時の身体の意思には、霧島達との接触を今後も、禁じることを暗示させたので、今後の接触も、無い筈でした。そしてその身体から、今の自分の意識が抜けると、急速に過去に戻した、自分の意識が帰って来ました。ホタルが気付くと、その身体を蜃気郎が、支えてくれました。


目の前を見ると、恥ずかしい行為に耽って居た、霧島と唐沢の姿が、消えて居ました。彼女達は、ここに来る以前の生活に、戻ったようでした。これでホタルは、自分の意識を、過去に飛ばして、過去の自分の行動を、修正することを、覚えました。そしてホタルは、何か機会が有れば「また、やってみたい」と、思いました。

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