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05S.3人の被害者

ホタルの実家は、彼女の先祖が代々所有した、ヤマントスの「ホリエナ地方」を、収めた城の中に、在りました。この城は「特殊な空間」の中に在り、ホタルの一族でなければ、入ることが出来ませんでした。都会から離れた場所に、在りましたが、そんなに遠くは、有りませんでした。またホタルは、直通で行ける「マジック・サークル(魔法陣)」を、持ちました。


その空間は「右側神の世界」で言う処の「サキュレス・ホーム」のことでしたが、こちらの世界では、創造神を称える意味で「ミカエフ・ゾーン」とか、単に「Mゾーン」と、呼ばれました。


ホタルは、直通の「Mサークル」を、持ちましたが、そこへの移動は、蜃気郎と一緒に「普通の交通手段を使い、行ってみたい。」と、言ったので2人は、そうすることにしました。今日は移動の準備をして、明日の早朝に、出発することにしました。


次の日を迎えると、ホタルは眠そうな目をしましたが、大好きな蜃気郎との小旅行でしたので、顔が喜んで居ました。彼女の実家は「ホリエナ城」と呼ばれ、2人が住んで居る町から、人間時間で言うと、電車とバスを乗り継いで、2時間位の場所に、在りました。


彼等の歩行での移動の際は、ホタルは人目もはばからずに、しっかりと蜃気郎の腕に、身体を密着させて、目を潤ませながら、彼の後を付いて行きました。彼女は、2人で行くことに、とても満足しました。乗り物を乗り継ぐと、2時間が経ちました。


ここは、地方都市の或る駅でした。ホタルは、方角が分かるようで、蜃気郎を手招きしました。駅を出ると彼女らの前方には、何も無い「原野のような広大な地」が、広がりました。


ホタルが「ここから先は歩くと、城まで3時間位掛かるので、何処か人目の無い場所まで出たら〝Mサークル″を出して、そこから入るわ。」と、言いました。2人は、少し歩くと、人目の無い場所まで出ました。これで2人の「楽しい小旅行」は、終わりました。ホタルは早速「Mサークル」を、取り出すと、2人で「ホリエナ城」の在る「Mゾーン」に、入りました。


そこに入ると、目の前には、とても「大きな白い噴水」が、有りました。この噴水が「ホリエナ城」のシンボルでした。噴水の奥の方には、立派で大きな西洋風の城が、聳え立ちました。蜃気郎は、少女の頃に何度か、椿郎ホタルと2人で、この城に来たことが、有りました。今では「城ヶ崎一族」は、彼女1人でしたので、城の中には、誰も居ませんでした。


ホタルが「居間で、少し休憩しましょう。」と、言ったので2人は、そうすることにしました。居間のテーブルに着くと、ホタルは奥の方に消えて、見えなく成りました。少し時間が経つと、彼女が戻りました。何処かで買ったような、飲み物と少し豪華な食事を、持参しました。それを食べながら暫く、休憩しました。


あの「地方都市駅」から、ホタルが手招きをして、自分を導いて見えた、前方の何も無い「原野のような広大な地」から、先を3時間程歩くと、窪地のような広い更地が、有りました。その場所が、ホタルの「Mゾーンの城」と「現世」とが、重なった場所でした。そこが本来の「ホリエナ城」の出入り口でした。


その出入り口は本来、城主で有る「城ヶ崎一族」の者しか開けることが、出来ませんでした。しかし何故か「鳴神一族」で有る、蜃気郎でも開くことが、出来ました。それは、2つの一族が元は、同族で有る為で有り、ホタルと蜃気郎は、遠い親戚でした。


この「Mゾーン内部」は、昔から「淫靡の空間」とも呼ばれ「ここで〝淫魔のネトリ(栄養補給行為)″を行うと、無限に出来る」と、言われました。この世界の魔人類達は、淫魔系でした。そして一部の者達には、ホタルのような「スドレス(疑似淫魔)」系の、変態的な性欲を、秘めた者も居ました。


この屋敷の地下室には「仕置き部屋」が有り、捕まえた「捕虜の尋問」に、使われました。ホタルは、仲良く成った被害者達を、自宅に連れ込むと眠らせて、その部屋で「Mサークル」を広げると、城の「仕置き部屋」まで連れて行き、その部屋に、被害者達を監禁しました。そして彼女が、少年で有る頃の、遂げられなかった「由美子」への思いを、被害者達に向けたのです。


最初の被害者の名前を「寺門てらかどサオリン」と、言いました。ホタルも楽器の販売員でした。そして彼女は、勤続年数が長かったので「副店長」でした。犠牲者の彼女は、アルバイト店員で有り、その店のバイト歴は長くて、既婚者でした。彼女は細身で、髪が長くて美しい人妻でした。ホタルとは同じ歳で有り、彼女とは相性が良く、いつも会話を楽しんで居ました。ホタルの方が彼女に、積極的に近付きました。


それはサオリンの顔が、由美子の顔と良く、似て居たからでした。ホタルは、彼女の顔を見る度に、暴走しそうに成る自分を、抑えるのに必死でした。彼女は、旦那さんとの関係が、余り上手く行ってないようで、ホタルが良く、彼女の不満話を、聞きました。


そしてホタルの部屋に、サオリンが来るように成ると、彼女を眠らせて、そのまま城の「仕置き部屋」に監禁して、彼女を凌辱して殺害しました。彼女が行方不明に成ると、彼女の旦那が疑われました。その為、同僚で有るホタルには、何の疑いも、掛かりませんでした。ホタルは「スドレス系淫魔」でしたので、彼女を何日間にも亘り、監禁して凌辱しながら、彼女の「バイタリティ(生命力)」を奪い、殺害しました。


次の被害者の女性も、同僚でした。ホタルの上司で有る店長の「守屋カナン」でした。彼女も美人でしたが、彼女の喋り方と仕草が、何処となくホタルの大好きな由美子と、良く似て居ました。彼女もホタルの部屋に、来るように成ると、そのまま眠らせて、城の「仕置き部屋」まで、連れて行きました。


そこでサオリンと同様に、ホタルが「疑似用品」を、股間に装着して、カナンを何日間にも亘り、激しく凌辱しました。そして彼女のバイタリティを奪い、殺害しました。ホタルが、それを股間に装着して凌辱しても、彼女自身には、何の快楽も有りませんでした。しかしホタルは、被害者達が、自分の「疑似のもの」に依る、強制凌辱で、得られる快楽に、自我を失い悶絶するサマを、見るのが大好きでした。彼女は、そうゆう変態でした。


ホタルは「スドレス系淫魔」でしたが「バイタリティ(生命力)」を奪われ、殺された相手の死骸を「植物の根」のように成るまで、それを奪い尽くすことを、しませんでした。その為「干からびた死体」が、残りました。ホタルは、厄介と成った彼女達の遺骸を、隣の部屋に有る「拷問部屋」の床下に葬り、隠しました。


そして最後の被害者の名前を「佐藤チホン」と、言いました。彼女は、行方不明と成った「前店長の代理」のような、他店との兼任店長でした。ホタルは、ここでの勤続年数が長かったのですが、この兼任店長のことを、余り知りませんでした。彼女は、ホタルと同じように、心の奥底に「深い闇」を、抱きました。


彼女が、この店に来るように成ると、アルバイトの少年・少女達が、彼女のパワハラに遭い、早々に辞めて行きました。彼女は、少し小柄で、可愛い顔でしたが、狡猾で抜け目が無く「闇属性」の極めて強い「危険な人物」でした。しかしホタルの目には、彼女の意地悪く、狡猾で抜け目が無い処が、何故かホタルの大好きな由美子と、ダブって見えました。


チホンは、顔も性格も全然、由美子に似て居ないのですが、ホタルのことを、長年にも渡り、苦しみ続けた「由美子への遂げられない思い」と言う「由美子の悪意」のようなものが、チホンの意地悪さと、重なって見えました。


それでホタルは「こいつは、由美ちゃんに似て居る。彼女には〝ホタルの折檻″が、必要だ。彼女も連れて行ってやろう。」と、ホタルは思いました。そして程良くして、彼女と仲良く成ると、チホンもホタルの部屋に、来るように成りました。そしてそのまま眠らせて、城の「仕置き部屋」まで、連れて行きました。


後は、彼女も2人の被害者達と「同じ運命」を、辿りました。ホタルにバイタリティを奪われ「干からびたミイラ」と成り、隣室の床下に埋められました。「スドレス(疑似淫魔)」は、普通「異性のバイタリティ」を奪う、存在でしたが、ホタルの場合は、相手が自分と同じ女性で有っても、問題無くそれを、奪うことが出来ました。


「仕置き部屋」の隣の「拷問部屋」の内部は、手前側に床石が、敷き詰められて居ました。そして奥の方は、剥き出しの土が露呈しました。取り敢えず埋葬するには、都合の良い場所でした。そこには今でも、3つの盛り土が、残りました。ホタルは中々、その「拷問部屋」には、行きたくないようでした。しかしそれは「行きたくない」と、言うよりも、既に興味を無くして居ました。


「第3淫魔」と、言われた「スドレス」は、ツガイが居ないと暴走しました。そして他者の「バイタリティ(生命力)」を、奪うだけの「吸精鬼」に、成りました。しかし今のホタルには、当時の憧れの女性で有る、由美子の「男性態」が、傍に居たので、もう似て居る人物を見掛けても、心を乱す必要性が、無く成りました。


今では、彼女の長年の望みで有る、由美子の男性態が、自分の「ツガイ」と、成ったので、とても精神状態が、安定しました。今のホタルは、全く不満の無い状態でした。スドレスは、ツガイ相手を宛がわれると、その力を無効化することが、出来ました。


蜃気郎は「いつでも〝空間のクビキ″が、ホタルを襲うだろう。」と、思いました。本来は、1人目を殺害したときに「起こる筈」でした。ホタルは既に、3人もの若い女性を、監禁して凌辱した後に、殺害しました。この世界は、善神と言われる「左側神ミカエフ」が、支配する世界でした。


その支配は「Mゾーン」の中でも、有効でした。ここは「善なる空間」に、支配された世界を「闇の心」を秘める、魔人類達が、暮らす世界でした。この世界では昔から、その心から「悪の行い」を、実行した者には、必ず「空間のクビキ」が、襲いました。


対象者は、救いようの無い激痛を味わいながら、無残に空間に圧し潰されて、死に至りました。対象者は、絶命後には、空間の中に吸い込まれるように、消滅しました。消滅とは、生まれ変わりの無い「完全なる死」を、意味しました。また「クビキ」が始まると、どんな時でもそれが、中断することは、有りませんでした。


ホタルは、とても無邪気に、可愛い素振りを、蜃気郎に見せました。彼も「椿郎の時から、ホタルのことは、警戒しましたが、彼が嫌いでは、有りませんでした。」そして彼女は、今ではとても大事な、彼の「ツガイ」でした。ホタルは、悪いことをしましたが、彼女を失うことは、断じて出来ませんでした。ホタルは蜃気郎に、助けて貰う為に、彼の前に現れたのでした。

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