表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【第二章完結】異世界ダンジョン配信~回帰した俺だけが配信のやり方を知っているので今度は上手く配信を活用して世界のことを救ってみせます~  作者: 犬型大
第三章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

125/155

オオカミを捕まえろ2

「まあ、何にしてもライアンウルフを見つけてからですよ。それじゃあそろそろ始めますか」


 イースラは荷物の中を漁る。

 そして目玉のついた箱を取り出した。


 カメラアイである。


「ええと、起動して……」


 配信画面を出して、カメラアイを起動させる。

 カメラアイが何回かまばたきをして動き出す。


 目玉のある面の横の面からグググっと翼が生えてくる。

 このカメラアイはいつも使っているカメラアイではない。


 今回遠出するにあたってイースラは配信においても新たな段階へと進むことにした。

 配信も配信者としての等級がある。


 配信者等級が上がるほどにできることは増える。

 ここまで必要もなかったので上げてこなかったが、イースラは遠征するにあたって覚醒者等級をあげた。


 ここまでアイアン等級だったものをシルバーに、サシャとクラインもブロンズからアイアンに上げていた。

 ついでにカメラアイも新しいものを買った。


 以前のものもまだあるが、以前のカメラアイは手に持って撮影しなければいけなかった。

 今回購入した新しいカメラアイは自律型と呼ばれていて、翼で飛んで対象を追いかけて撮影してくれるものである。


「おっ、いい感じだな」


 イースラが起動したカメラアイは、小さな翼をパタパタと動かして飛び始めた。

 くるりと振り返り、目をイースラの方に向ける。


 イースラが配信画面を開いて撮影の様子を確かめると、揺れもなく綺麗に撮れている。

 飛んでいる都合上やや画角は上っぽくなってしまっているので、そこは調整していく。


「二人とも」


 イースラはサシャとクラインを呼ぶ。


「配信始めるぞ」


 配信画面をいじってイースラは配信を始める。


「どうも、イースラです」


「サシャです」


「クラインっす!」


 流石に何回も配信しているので、サシャとクラインもかなり慣れてきている。


「今回は生配信なんですけど、料理の配信じゃありません。ちょっと仕事で遠出するので、その様子を垂れ流すような形で行きたいと思います」


 上手く山場があればと思うが、そう簡単にハプニングは訪れない。

 ただ普段と違う環境でもあるし、配信は行っておく。


 それに配信はイースラのわがままでもない。

 仕事の様子をゲウィルたちが確認できるようにするという監視的な意味も同時にあるのだった。


「でも、夜に野営する時には焚き火でもできる料理の作り方は配信したいと思います!」


「見てくださいね!」


「他にも人が映ることはあると思いますが、基本的に映るの嫌いな人たちなのであまり気にしないでください」


 たまにはちゃんと冒険者らしい配信もしておく必要はある。

 そのうち戦いの配信に移行していくつもりなので、こうした配信はその下地作りにもなっているのだ。


「では配信垂れ流すんですけど、それを見ているだけじゃ暇だと思うので何か質問があれば答えていきたいと思います! パトロンしてくれれば優先する……かもしれません」


 ここまで謎の子供たちとして配信の実績を積み重ねてきた。

 イースラたちのことを知りたい、というコメントもいくつかあったりする。


 だがイースラはここまで質問なんかには一切触れずにきた。

 口が上手い人ならば、垂れ流す配信の中でも色々と話をして人の興味を引くことができる。


 イースラはそんなに口が上手い方じゃない。

 でも多少は垂れ流す配信にも興味を持ってほしい。


 ということで、ここで伝家の宝刀を抜くことにした。

 生配信で質問に答えちゃうというやり方だ。


 普通の冒険者も様子を垂れ流したりすることがあるのだけど、配信画面を確認して答えたりなんてことはまずしない。

 リアルタイムで質問が投げかけられて、リアルタイムで答えるというのは、見ている人にとっても配信者に親近感を覚える一つのやり方なのである。


 ついでにパトロンでお願いねということで、小金稼ぎもできるという寸法だった。


「おっ、きたな。なになに? 先日のゲウィル傭兵団の配信見ました。あれは本当にイースラ君なんですか? あー、なるほど」


 やはり拡散して多くの人に見られた配信の影響は大きい。

 ウライノスにでさえ届いたぐらいなのだから、他の一般的な人たちにもイースラのアルドッグ攻略は見られていた。

 

 すぐにイースラだと気づいて応援してくれる人もいたが、あまりにも壮絶な戦いだったために本当にイースラなのかと疑っている人も結構いる。

 イースラの戦う姿がかっこいいなんて意見もあって、少し見てくれる人が増えた。


「一応あれは本当です。今も持ってるこの剣に操られてギルド長のゲウィルさんと戦ったんだ。自分でも見たけど……なんか、照れくさいよね」


 アルドッグによる黒いオーラを使って、イースラは戦っていた。

 自分が意識していないような戦い方の癖が出ていて、見ていて少し恥ずかしかった。


「こうして料理配信してるけど、俺たちも冒険者で、ギルドに所属してるんだ。だからそのうち戦う配信とかもしたいと思ってます」


「……よくそんなことできるよな」


 ニコニコと質問に答えるイースラを見て、エティケントは目を細める。

 配信を見ることはあるけれど、自分が出ることなど想像もできない。


 イースラのように素早くコメントを返すこともできなきゃ、見ている人のためにいい顔をすることもしたくはない。

 まるで配信に慣れているように上手くやるものだと感心してしまう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ