表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【第二章完結】異世界ダンジョン配信~回帰した俺だけが配信のやり方を知っているので今度は上手く配信を活用して世界のことを救ってみせます~  作者: 犬型大
第三章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

121/153

すぺしゃるげすと1

「はい! じゃあ今日も料理作って行こうと思います!」


 ゲウィル傭兵団に入ってからもイースラは配信を続けている。

 もちろん配信の内容はお料理である。


 料理配信は相変わらず評判がいい。

 最近はすっかりウイとコメントすることが定番の流れになりつつある。


 イースラたちの料理配信の評判がいいことを見て、真似たように料理をする人もちらほら出てきている。

 しかしただ料理して、その様子を垂れ流せばいいというものではない。


 食材見せたり、鍋の中見せたり、仲良くやっているところを見せたりと配信における工夫というものをみんなわかっていない。

 料理すれば人が見るというわけじゃないのは、回帰して配信というものを知っているイースラだからこそのものがある。


 そのうちちゃんとした料理配信をやる人たちも出てくるだろうが、その時まではお料理で視聴数とパトロンを稼がせてもらう。


「今日作る料理……の前に! 今日はスペシャルはゲストが来てくれています!」


 毎回料理も変えているし、固定の視聴者が増えてきているが、マンネリ化という問題はある。

 サシャの料理の腕前がちょっとずつ上達いく様子を楽しんでいる人も多いが、ここらで少し違う風も入れておく。


「どうぞ!」


「あ、よ、よろしくお願いします!」


 相変わらず撮影係となっているクラインが構えるカメラの前に現れたのはユリアナだ。

 ただし、顔には目から鼻のところまでを覆う仮面を着けている。


 ペコリと頭を下げるユリアナには仮面を着けていても隠せない品格の良さが出ている。


「ユーちゃんです! 仮面を着けているのは高貴な身分の方なので、ちょっとした秘密ということで」


 今回ユリアナが配信に出ることになったのは、イースラの策略ではない。

 ユリアナが出たいと言い出したのだ。


 エティケントとイースラがコソコソ会っていることはバレていないものの、急に騎士団長の職を辞して護衛になったビブローが堂々とゲウィル傭兵団に出入りしていることはユリアナにバレた。

 そこでユリアナに追い詰められて、イースラたちに剣を教えていることも芋づる式にユリアナに伝わった。


 重要な用事か、イースラが訪ねてでも来ない限り連絡を取れなかったユリアナが、イースラに繋がる方法を見つけたのだ。

 そこで始まったのが文通。


 なんとも乙女らしいものである。


「えへへ、こうして出ることができて嬉しいです!」


 わざわざ便箋にびっしりと書き込んでビブローに手紙を持たせてくれるのだから、無視するわけにもいかなかった。

 イースラとサシャもいつの間にか手紙を交わしていて、料理配信にユリアナが出たいと思っていると打ち明けられた。


 そして、王様のアルゼストに呼び出された。

 急な呼び出しで何事かと冷や汗をかいたものだけど、なんとユリアナは正直にイースラたちの配信に出たいとアルゼストに相談したのである。


 どうしたらいい?

 そんなことでイースラは呼び出された。


 大切な娘が配信なんてもので顔を晒すことはアルゼストとしては許可できない。

 ただ可愛い娘のお願いをダメだとも言えない。


 ざっくりと言えば、お前が原因なのだから責任を取れ、ということだったのだ。


「お料理は初めてですけど、頑張ります!」


 結果として、ユリアナは配信に出ている。

 イースラとしても新たな登場人物、しかも可愛い女の子というのは配信としてもありがたいところはあった。


 そこで顔は出さないようにするからと提案した。

 多少条件を詰めて、顔を隠して名前もユリアナと呼ばないようにするということで、配信にスペシャルなゲストが登場することになったのである。


 服装も地味にして、特注で用意した仮面を身につけたユリアナはやる気いっぱいだ。


「おおお……すごいな」


 イースラは配信画面を出して、リアルタイムで反響も確かめている。

 新たな登場人物ユーちゃんにいつもの視聴者たちも色めき立っている。


 仮面を着けてても可愛いのが分かる! とか新しい子もウイとかコメントもいっぱい、パトロンもいっぱいで思わずニヤけてしまう。


「今日作るのは……シャミヤパイ……らしいです!」


 イースラが用意したカンペをユリアナが読み上げて、サシャが料理の材料などを書いた大きな紙をパッとカメラアイに移す。

 文通の効果もあってか、サシャとユリアナの距離も近くなっている。


 仲が悪そうというイースラの印象も今や過去のものとなっている。

 いつか役に立つかもしれないと孤児院で不真面目な子供たち相手に、文字を必死に教えてくれたシスターには感謝である。


「伝統的なミートパイの一種だな。ただ今回はいい肉が安く手に入ったからちょっとゴロゴロと入れてみようと思ってる」


 イースラはドンと肉の塊を取り出す。

 今日の食材、実はイースラが用意したものではない。


 お姫様であるユリアナに変なものは食べさせられないとメニューも厳しく審査された。

 そして食材はお城の方で用意してくれたものである。


 メニューも王城のシェフ監修なので間違いないものになっていた。

 今も調理工程をシェフと護衛のビブローが見ていたりする。


「そんじゃ肉切っていこうか」


 あまりユリアナに注目されても困るので、早速調理に入っていく。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ