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【第二章完結】異世界ダンジョン配信~回帰した俺だけが配信のやり方を知っているので今度は上手く配信を活用して世界のことを救ってみせます~  作者: 犬型大
第三章

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師匠現る3

「お待たせしました。彼が……あれ?」


「俺はいなかったって言ってください!」


 案内された部屋には二人の男性がいた。

 中年ほどの男性と若い男性。


 イースラはそのうちの中年の男性の顔を見て逃げ出した。

 マジュエットが横を見た時には、もうイースラの背中は遠かった。


「おっと……なんだ?」


 中年の男性の方が部屋から飛び出す。

 ドンとマジュエットとぶつかって、そのままイースラのことを追いかけていく。


「すいませんね。まっ、怪しいものじゃないので」


 ヤバい人かもしれない。

 マジュエットは剣に手をかけたが、若い男が軽薄な笑みを浮かべてマジュエットの手を押さえる。


「ぐへぇっ!?」


 襟を掴まれてイースラの首が締まる。


「小僧、なぜ逃げる?」


 そのままイースラは持ち上げられた。

 鋭い目つきをした中年の男性はイースラに顔を寄せる。


 目つきだけでも人を殺せてしまいそう。

 殺気立っていて、普通の子供だったら失禁していてもおかしくない。


「そりゃ、怖い顔のおじさんが怖い雰囲気してるから……」


 イースラは渋々子供っぽく演じる。


「お前がイースラ……あの配信に出ていた子供だな?」


「な、なんのこと……」


「俺はくだらない会話が嫌いだ」


 中年の男性は剣を抜いてイースラの首に近づける。

 本気なら多少血が出るレベルで押し当てただろうから、わずかな配慮はあるようだとイースラは思った。


「お前の名前やお前が何者かなんてことに興味はない。なぜお前はあの剣術を使える? 答えろ!」


「うっ……くっ……」


 これは予想外だったなとイースラは思った。

 相手の中年の男のことは知らない相手ではなく、知っている相手だった。


 だがイースラの計画ではこんなに早くに会う予定じゃなかったのである。


「こんなんじゃ……説明…………できません……」


 いまだに首が締まっている。

 だんだん苦しくなってきた。


「俺の納得できる説明でなければ、首を斬る」


 中年の男性はイースラから手を放し、剣先を頭に向ける。


「…………不肖、第七代目蒼天剣者イースラが、師、第六代目蒼天剣者ウライノスにご挨拶いたします」


 軽く咳き込んだイースラは片膝をつき、顔の前で左手で右手を覆うようなポーズをとって頭を下げる。


「なん……だと?」


 中年の男性ウライノスは驚きに顔をしかめた。


「お前のような弟子を取った覚えはないぞ! しかも七代目だと?」


 単に弟子というならともかく、何代目と襲名するには師匠が免許皆伝を認めねばならない。

 ウライノスの目つきがさらに鋭くなり、今にもイースラを殺してしまいそうな殺気が漏れ始める。


「俺の剣を見たのでしょう? どうでしたか?」


 普通の人なら顔も上げることが難しいような重い空気の中でも、イースラは平然とウライノスを見上げる。


「…………体が追いついていない。だがそれ以外のところでは……完璧に近かった」


 ウライノスは渋々といった感じで認める。

 配信で見たイースラの剣術の練度はかなり高かった。


 だからこそ気になったというところがある。


「見よう見まね、誰かから盗んだだけじゃ身につきません。教えてもらったんです、あなたから」


「だから俺はお前など……」


「ひとまずそのさっき収めませんか? じゃないと……」


「貴様! 何をしている!」


「ほら」


 ここはゲウィル傭兵団だ。

 建物の中にはまだまだイースラが足元にも及ばないような強者が何人もいる。


 殺気を飛ばして子供に膝をつかせていたら、誰かが飛んでくる。

 今回飛んできたのは、何とゲウィルであった。


 オーラを解放したゲウィルはウライノスに斬りかかる。

 ウライノスも剣を上げて、ゲウィルの攻撃を防ぐ。


 やや黄色みを帯びた赤いオーラが、ウライノスの剣を包み込んでいる。


「今話し中だ。邪魔をしないでもらおうか」


「話し中だと? 俺の知る話とやらと随分違うような気がするがな」


 確かに見た目上は平穏に話をしているとは言い難い、とイースラも思う。

 人様のギルド内で殺気を放っているだけでもかなり危険な人物として見られるのに、イースラを呼びつけた挙句に剣を突きつけて無理矢理膝をつかせているようにも見えたらゲウィルも怒る。


「ちょちょちょ! ちょっと待ってください!」


 ウライノスとゲウィル、どっちが強い。

 そんなことにほんの少しの好奇心を持ちつつも、イースラは二人の間に立って争いを止める。


 広い訓練場ならともかく、廊下で二人が戦えばギルドの建物が壊れてしまう。

 ゲウィルとウライノスが仲違いすることはイースラも望まない。


「ちょっとした行き違いのようなものがあっただけです!」


「ちょっとした行き違いだと? 行き違いで剣を突きつけるのか?」


「それはまあ……そういう人なんじゃないですかね?」


 流石にこんなところで剣を突きつけるところまでやるのは、イースラとしても予想外だった。


「色々と話、聞きたくないですか? なら剣をしまってください」


 暴れるようならイースラとてゲウィルを止めるのを止める。

 ウライノスがたとえゲウィルよりも強いとしても、ゲウィル傭兵団全体よりも強いわけではないだろう。


 被害は出るかもしれないが、周りを敵に回せばウライノスの負けは目に見えている。

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