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残念令嬢と渾名の公爵令嬢は出奔して冒険者となる  作者: 有栖 多于佳


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小話 王の誓約とロトの暴走

トーホー王国ではスコット公爵領が王国に入った時に、時の王エドワード1世と弟のアーサーとで交わした誓約がある。


王家がまたソフィアにしたような非道を行った時、王家を断絶させる、と。

その役目をスコット公爵家が代々担う、と。


時を経て、現在の王家は王妃を中心に王家が回っている。

王妃は嘗てのダイエー王家の、王女リリスの末裔であり、先祖がえりと言われるほどその容貌も性格も魔力の質も似ていた。

王女リリスは魅了という特殊な魔力を生まれながらにして秘めている人物で、彼女に好意を持った人の気持ちを捕らえその気持ちを増幅し、相手を意のままに操れる力を有していた。


その力を使ってエドワード1世を籠絡し、王宮を支配したのだが、少しも好意が無い者には効かないため、優秀な者からトーホー王国を出奔していったのだが。


その魅了の力を弱いながらも受け継いだのが、現王妃であった。

王妃は、初めはスコット公爵の長男であるジャックに恋慕を募らせ貴族学園で何度も魅了を使ったのだが、一粒の好意も持ってなかったジャックには効かず、現在の国王に狙いを変えたのである。


王妃はダイエー家が王族だった頃の書物から、光の魔法がトーホー王国に戻れば自分の魅了の力も嘗てのリリスほどになると思い込み、教会を利用して光属性の者を集めていた。


副産物的に、治癒魔法を施されると若返りが図れることも知り、自分の離宮には多くの光属性の者を集めては利己都合で使役しているのだった。


国王は、かつて王妃に頼まれて冒険者ギルドへと王家の呪いを解くクエストを出し、その結果スコット公爵夫妻の結婚の誓約に立ち会う羽目になり、王家はスコット公爵領に不介入という誓約を盛り込んで夫妻の結婚を認めた。


あくまで、ジャックとマリーの誓約ではあるが、立会人として一定の魔力を国王も捧げたこともあり、珍しい三者誓約の様相であった。


現在、王妃がしている悪事は、他国から海賊らを使って光属性の魔法使いの簒奪を繰り返し、国家予算を流用して人身売買を行い、しかも王太子を介してスコット公爵家へと不当介入している。


これは初代王の誓約にも、現国王の誓約にも明確に違反している行為だった。


なので、ダニエルとロトは王家断罪の証拠を求めて、またマリアや光属性の者の報復を兼ねて海賊や教会の関係者を捕獲しては私刑を与えていたのであった。


「それもそろそろ終わりそうだ、こうして君たちにも会えたし、ガブにも会えた。最終戦争だ。」

ダニエルがそう言うと、


「ああ、すぐにでも終わらせよう。俺はガブと過ごす時間が欲しいからな。」

ロトがちょっと迷惑なことを言い出した。


「え?お父さん、俺と一緒に住む気ですか?俺はサリーと暮らしていますし、これからも暮らす気ですが。」

ガブが困った顔をして答えた。


「え?お前もう一緒に暮らしているの?じゃあ、俺もそこに行くからいいよ。別棟を建てるから心配すんな!」

ロトが笑顔でウインクまでして、そう言った。


「いや、二人で暮らしてる訳じゃない。パーティでルームシェアしてるんだ。」

「なら、別に一緒の棟でもいいのか、サリエル嬢、俺もそこに住みたいのだが。出きたらガブの部屋の隣など空いてたらなお良いが。」


「まあ、それじゃあ一部屋増築しなくては。」

「しなくていい、ちょっと話がおかしな方向へいってます、ダニエル様。」


「ああ、ロト。孫を抱きたくば暫し若い二人との同居は諦めなさい。」

ダニエルがロトの肩をポンと叩いて変なことを言った。


「ああ、まあ、そうだな。」

そうして、ロトは落ち着きを取り戻したのだった。





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