2話 未知の風景
「ふぅ~」
最初はなれない食べ物だったが食べてみると意外と美味しい。
トカゲの揚げ物は唐揚げっぽくて美味しかった。
カエルの和え物は......
「ではゆきくん早速ですが剣術の練習に行きましょう。」
もうそんな時間か。
「おお!行こう。」
でも実際剣術の練習ってどんなだ?
「七菜?剣術の練習って実際素振りとかなのか?」
「ふふふ、前世の記憶か何かですか?
そんな昭和の野球部みたいなことしませんよ。
先生に教わるだけです。」
う~ん、令和の野球部でも素振りはするような....
「ところでどんなことを教えてもらうんだ?」
「主に間合いのとり方、力の入れ方、魔力の伝え方などです。」
なるほど。
「今日は近くで見ていますので安心してください。」
ん?、聞き捨てならないぞ。
「別に俺は七菜が近くにいなくても頑張れるぞ!」
「ふふふ、前世ではあんなに甘えん坊だったのに。」
「ゔッッ」
相変わらずいつも口では七菜には勝てないな....。
*
「ここが練習場所か?」
「はい。」
てか、ひッッッろ!
てかなんかどす黒いオーラ出てるジジイいるし....
「ぇ、まさかあいつじゃないよね?」
「あそこの方が先生です。」
ぇ、嘘だよね?
嘘だと言ってくれ!
「ああ、あそこの花の手入れしてるおばさんね?」
「いえ、あそこの男の方です。
闇属性のオーラが見えませんか?」
あれ闇!?
ぇ、闇なの!?
絶対敵キャラじゃん、関わっちゃダメなやつだろ!
「大丈夫です、優しいお方ですよ。」
ん?気のせいかな?
フラグ立て終わりましたってこと?
あとはフラグ回収するだけと......
イヤだぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーー。
「あ、あの七菜?た、体調がちょっ....」
「ここでは七菜ではなくソランケとお呼びくださいルカ王子?」
「わかっ..たソランケ」
「では行きましょうか。ルカ王子。」
「は、はい..」
*
「よろしくお願いします、先生。」
結局七菜に言いくるめられて練習を始めた。
「はい、よろしくお願いしますルカ王子。
本日の授業を担当を致します、ブルーノ・ライナー・ワトキンスと申します。」
ぇ、まさかの優おじルート?
......ごめん、俺は実妹ルート信者なんだ。
「はい、こちらこそ何卒よろしくお願いします。」
*
「筋がいいですね王子。」
「ありがとうございます」
この優おじ、もといライナーさん曰く
俺はそこら辺の兵士よりもよっぽど剣術が美味いらしい。
やはり王子は生まれながら才能があるのか?
「ところでソランケから聞いたのですが剣術では魔力を使うのですか?」
さっき七菜が言っていてとても気になっていた【魔力の伝え方】というものの真相を探ってみる。
「ええ、実践では人によって違いますが火、水、生 、気、光、私の闇、天、地、星、刻、空の11種がありその派生先が順に業火、なし、然闘、霧、眩光、なし、高天、大地、星屑、刻款、神空があり霧にはもうひとつ先の蜃気楼というのもあり派生先がないものは限界がなく誰でも努力でどこまでも強くなれるものです。
この後占い師に調べてもらいますが恐らくあなたは生でしょうね。」
ぇ、結局魔力の伝え方は?
「ありがとうございます。」
「ところで、生の魔術は強いのですか?」
聞いたけどこれで弱いとか言われたら泣くぞ。
「はい、もちろん。剣術にいちばん深く結びついている魔種です。」
なるほど......。
*
そうして思っていたよりも百倍楽な練習が終わると......
「七菜? この後はどんな予定なんだ?」
「占い師様に会い、魔種診断をした後、私とふたりで熟睡する予定があります。」
何か変なものが聞こえたような?
「あ、ちなみに優先度は後者の方が上ですよ。」
「そこは嘘でも魔種診断にすべきじゃ......」
「ん?どうかしましたかルカ王子。」
ゔっ....、圧がすごい。
「あ、もうすぐ着きますよ。」
しばらく歩くと、童話に出てきそうな占い舘が顔を出している。
「あれか?」
「はい。」
なぜかもう何を出されても驚かなくなってきた。
「相変わらず、すごい大きさだな。」
「はい。私も最初の方は見慣れませんでした。」
あはは。......
そうして俺は、大きな大きな占い舘に入っていくのだった。
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