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昇進だよ、黒騎士さん

雇われたと思ったらいきなり将軍に昇格した。

何を言ってるのかわからねーと思うが以下略。

いかん、口調が崩れた。

いけない、いけない。

魔王に曰く。

重要な任務であるので、それに見合った指揮権利と給料待遇があって然るべき。

だ、そうで。

よくわからないまま将軍にされても困る。

ほらやっぱり反対意見だって出るじゃない。

止めときましょう。

と思ったら全員言いくるめられた。

何を言ってるのか以下略。

ヘンリーさんからは握手を求められ。

デザイアさんからは同類を見る目で憐れまれ。

キャサリンさんはケラケラ笑って眺めている。

幼女はどや顔。


で、冒頭へ戻る。

割り振られた自室で頭を抱えた。

待遇の一環なので、気にせず使ってくれとのこと。

何なりとお申し付けください、とコウモリ魔人のメイドさんから言われた。

絨毯が赤い。

高級そうなクローゼットがついている。

机もピカピカ。

バスタブまである。

高そうなツボに綺麗な花が飾られている。

貴族か?

何もここまで気合いれなくても。

メイドさんに言ったら、もう少し簡素にしてくれた。

ついでに手入れに手間がかかりそうなものは置かなくていいよと言っておく。

無表情で喜ばれた。

部屋の中がお高い宿屋くらいまでランクダウンして、多少落ち着く。

元の世界でキャンプとかはしていたし、野宿も慣れている。

とはいえ、ふかふかのベッドで寝られるならそれに越したことはない。

ベッドに座ると、目の前に黒い鎧が。

異様な雰囲気が醸し出されているが、そういえばもらったんだった。

幹部が増える分にはいいかもしれないが、それが人間であると知れた場合。

知能が低い魔族の反乱にあうかもしれない、という。

外に出るときはこれを必ず着るようにとのこと。

コウモリ魔人のメイドさんは待遇の一環で、口の堅さを優先した人選だそうで。

部屋の片隅で常に待機しているので、用があれば呼びに行くから自室で楽にしててと言っておく。

やはり無表情で喜ばれた。

鎧に向き直る。

後から聞いたが、四魔将ドラゴン筆頭のヘンリーさん曰く。

魔王様が宴会の一発ネタとして「もし人間に倒されたら贈呈」と称して作ったものらしい。

ヘンリーさんの鱗が使われてたり。

設計はデザイアさんだったり。

魔力効果の付与はキャサリンさんだったり。

他にも知恵者からいろいろ聞いて総力を挙げて作ったジョークグッズだったらしい。

酔ってたから、という理由で興が乗ったそうで。

ジョークグッズなのにドラゴンの火も風も氷も通さない。

ジョークグッズなのに毒も電気も通さない。

ジョークグッズなのに魅了も幻惑も通さない。

ジョークグッズとは?

もちろん物理的にも相当硬い。

勇者の聖剣でようやく傷がつくとか。

なんだそれは。

冒険者してた頃に買った装備に何か効果がついていた事なんてない。

勇者一行がなにやら効果の付いた剣だの杖だのは貰ったらしいけど。

とりあえず超が付くほど強力な防具であるのは間違いない。

どうしたものかと頭を抱えた。

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