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雇用だよ、黒騎士さん

私を勧誘した理由として、前二つはまだわかる。

問題はみっつめ。

こうなった原因を探ってほしい。

人間側に原因があるが、魔族側から見ても全体が悪いとは考えにくい。

戦線維持もしてもらうが、それ以上にいつ、だれが、どうして。

何を狙ってこんな状況にしたのかを調べてほしい。

そういう話だった。


魔族側としてもそんな軽々に決められては困る。

と、魔王に進言が納得していない魔族から打診があった。

私としてもどちらにつくつもりもないと宣言した矢先。

片方につけと言われて困惑するほかない。

いっそ断る方向で談義する分には助かるまである。

そこでようやく周りを見渡す余裕が出てきた。

ここには幹部しかいないようで、十人程度。

内々に決定して、探りを入れたいというのはわかるが。

魔王も部下の進言に負けてない。

今の内偵だけでは足らないこと。

人間族全体に原因があるわけではないこと。

やり返した以上魔族もおおっぴらには交渉できないこと。

そのうえで、どちらでもない者を雇う必要があること。

戦略を雄弁に語る幼女。

どうしてこうなった。


そうして、結局黒い鎧を着ている。

結局部下が全員折れた。

もうちょっと頑張ってほしかったなぁ。

必要な時には人間として活動して、また必要であれば鎧を着て正体を隠して魔族側へ。

行ったり来たりが依頼されたのだが、そんなことして怪しまれないだろうか?

魔王に聞いてみたら、実績のある部隊がいるらしい。

筒抜けじゃん。

思わず素が出てしまった。

まぁ、出来るなら出来るで構わないしノウハウをもとに情報収集するだけなのだが。

人間軍の間抜けぶりに呆れていると、幹部から自己紹介された。

軍や政治を行うための将軍が三人。

三魔将、と呼ばれているらしい。

ひとりめはドラゴンに変身できるヘンリーさん。

名前がとても普通。

齢七百だそうで、まだまだ若輩者らしい。

しかしそこはドラゴン、腕っぷしは魔王軍随一なんだとか。

年齢の計算、その基準で行くと私は生まれて十秒程度にならないだろうか?

ふたりめはドラキュラ魔族さんことデザイアさん。

何それ強そうな名前と思ったら、戦闘力はからっきしらしい。

魔王のもとで、部族の困りごとや政治を主な仕事にしているそうで。

コウモリに変身できるので、領地を行ったり来たりで忙しいのだとか。

さんにんめは淫魔のキャサリンさん、いわゆるサキュバスというものらしい。

性別的には女性なので男の精気を食事にしているとのこと。

ただし、魔王軍内でちゃんとした既定のもとに行っているそう。

規定ってなんだろう。

そして、その三魔将のもとに九つの部族。

ドラゴンのヘンリーさんの元にリザードマン、ワイバーン、マーマンの部族。

ドラキュラのデザイアさんの元にボーン、バード、ゴーレムの部族。

サキュバスのキャサリンさんの元にラミア、セイレーン、スライムの部族。

それぞれが部下としてついているらしい。

壮観である。


以上が魔族の幹部であるらしいのだが、魔王がそこに横槍を入れた。

今日から四魔将らしい。

誰か昇進するのかな。

私らしい。


は???

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