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種明かしだよ、黒騎士さん

目の前ですさまじい魔法が飛び交う中、私は立つしかない。

逃げようにも逃げられるような状況じゃない。

下手に動くと邪魔になるだろうな、と思う。

さいわいにして黒騎士の鎧は飛んできた余波を全て跳ねのけてくれている。

土が被って邪魔だったので、それだけ払って観戦を続けた。

立ち続けるのも疲れてきたんだが、下手に動くとそれも邪魔になるだろうか。

あと漏れそう。

どうするんだと思ってたら攻撃がぴたりと止んだ。

双方ともに肩で息をしている。

そろそろいいんじゃないかと思う。

止めるなら今しかない。

でもあの間に入るの?

怖すぎない?

黒騎士の鎧が弾いてくれているとは言え、直撃したらさすがに無事で済まないのでは?

考えがぐるぐる回っている間にヘンリーさんから構えを解いた。

勇者一行はまだ警戒してひりついているけど。

止めだ、とヘンリーさんは一言だけ告げてこちらに来た。

背中を狙おうと動きかけた勇者がこちらを見て動きを止めた。

私を警戒している?

武器もないのに?

と思ったがヘンリーさんに促されて背に乗り、その場を後にした。

勇者一行が尻もちをついているのが遠目に見えた。


魔王城に帰る前に鉱山で一休みしている間、ヘンリーさんから色々聞けた。

勇者一行の実力を直接確認しておきたかったのはもちろん、他にも狙いがあったそうだ。

部下の被害を減らすなら、どれほどの相手か確認したかったのは前提条件。

私を連れ立ったのは、勇者の警戒度を確認するため。

黒騎士と言う人物を勇者がどこまで警戒しているか確認したかったそうだ。

勇者と直接顔を合わせているのは鉱山内での一回こっきりだが、

鉱山の一件は私が暗躍した結果だと睨んでいるらしい。

おおよそ間違ってはいないが、攻撃はしてこないのに鎧が堅く搦め手で攻めてくる。

相手にしてみれば不気味さが先立つのも無理はない。

万が一黒騎士の存在を認識していなければ、確認ついでに不気味さを際立たせるにはもってこいだと思って連れてきたという。

鎧がなかったら肩から先が飛んでいたかもしれないんだが?

と言って斬撃が飛んできた話をしたら笑って背中を叩かれた。

最初の一合でこれなら黒騎士の鎧は大丈夫というのは確信したらしい。

武人らしい考えだが、先に確認してほしい。

ほうれんそうの話をしたらすまなかったと謝られた。

黒騎士の存在をより効果的に使いたいのは理解できる。

恐ろしい演出をすることで膠着状態にするのは、魔王軍にとっては望ましい。

その間に私は冒険者として活動すれば色々調べも付けられるだろうし。

今後のことで考えておかなくちゃいけない事情が一つ増えた。

黒騎士と言う威嚇効果について。

もう少し活動してから効果のほどを自力で確認してもいいかもしれないが、今はいいアイデアがない。

ヘンリーさんからそろそろ戻ろうと言われるまで組んだ腕が解けなかった。


魔王城に戻ったら魔王様が拗ねていた。

そんな面白そうな催しになんで連れて行かなかったのかとへそを曲げていたようだ。

ヘンリーさんと二人して平謝り。

私は連れていかれただけなんだが。

どうしてこうなった。

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