また相談だよ、黒騎士さん
デザイアさんから時間が空いたとの連絡を受けて執務室へ。
魔王様が果物を食べに来ていた。
いつものことらしい。
街中で人間の街を見て考えたことをいくつか話した。
ダークエルフさんたちはもともと冒険者としても活動しているが、
魔物側が人間への対処に関して無関心じゃないかと。
コウモリメイドさんが保存食を強奪したのもかなり突飛な事だったらしいし。
冒険者が色々備えていることを考えると、こちらも対抗していいような気はした。
ダークエルフさんとコウモリメイドさんに関しては人型だし。
説明している間、魔王様がひたすら果物を齧っている。
あっさりOKが出たので、方法についてはまた今度相談しようと言われた。
書籍に関してもそうだ、活版印刷がないので知識がまばらになりがち。
弓や矢の作り方もダークエルフさんの間ではまちまちらしい。
そういえばスケルトン一族の装備もばらばらだなとデザイアさんがこぼす。
魔王様が次の果物に手を伸ばした。
デザイアさんが食べすぎですと制した。
ぶーたれながらも魔王様は部屋を出て行った。
まるで父親に怒られた娘だ。
ともかく、装備を一新するにはお金も材料も色々厳しいとのこと。
だから鉱山を取られて大変だったとため息をつかれた。
鉱物が採れるなら鍛冶についても相談するべきだったとは思う。
話が連鎖するが鍛冶が出来る者がおらず、生来の武器だけで戦っている状態。
ボーン一族みたいに無念で力尽きた冒険者から装備を拝借することもあるが、
やはりそれでまかなえるものでもない。
どうしたって手入れはされてないし。
作れる環境を整えて、仲間の身の守りを固めることについては最優先でやりたい、と。
魔王様も乗り気なのには驚いたが、次の仕事は鍛冶の環境作りに決まった。
魔王城に控えている他の将軍に仕えている一族たちにもヒアリングして回った。
リザードマンやワイバーンはそういう機会があるならぜひともと乗り気だった。
ボーン一族は特に類似の部下が多いが、全員そろって可能な限り欲しいと。
他からは特に必要ないと言われた。
必要としている仲間のところへ先に配ってやってくれとまで言われる始末。
仲いいな君ら。
鍛冶については何も知らないので、なにをどうやって行うか。
また、どこにどうやって環境を作るかは考えどころだ。
コウモリメイドさんが入れた紅茶を片手に周辺の地図を見る。
ダークエルフさんに聞いてみて、周辺諸国に鍛冶が名物の土地などあるかと考えてみる。
まずは鉱山に行って、使えそうな金属でも探してみるのがいいかもしれないなと思った。
魔王様はまた果物を食べていた。
太りますよと言われて泣く泣く元に戻していた。




