相談だよ、黒騎士さん
ワイバーン便で魔王城に帰還した。
ヘンリーさんにお礼を言ったら笑われた。
話題の黒騎士が次に何を仕掛けるかみんな楽しみにしているのだ、と。
もちろん俺も楽しみにしていると言われた。
魔王様には報告書を用意した。
勇者一行の予定はだいたい以下の通り。
直近で大型の獣が暴れているので討伐。
領主からのお願いでとどまっているので、もうしばらくは滞在予定。
以後、修行に出かける予定。
細かい行き先は不明だが、修行できそうな土地なら多少は絞れるはず。
魔王様が顎に手を添えて考える。
デザイアさんからは修行予定地の魔物を減らして被害をとどめるか、
ヘンリーさんを派遣して追い払うか辺りがいいかもしれないと提案。
魔王様からは方法は考えておくので休んでよしと許可をもらった。
街中を観光して考えたことについては後ほどデザイアさんと相談する予定として謁見を終えた。
サキュバスのキャサリンさんから鎧が返ってきた。
ヘンリーさんとデザイアさんの手入れも終わっているとの事。
持ち歩けるようにしておいた、とペンダントを渡された。
魔力を通せばすぐに着られるので出来たら試してねと言われた。
問題は私には魔力の通し方が分からないことだ。
これは訓練がいるだろう。
同時にコウモリメイドさんから保存食に進展があり、
トマトっぽい何かからドライトマトっぽい何かの試作品ができたとの事。
試しにお湯で戻す。
キャサリンさんも試飲。
美味しいスープが出来たとのお墨付きをもらった。
干し肉も入れた。
これはこれで美味しい。
ほかの作物でも可能なのか、と聞かれた。
出来ると思うがやってみないとわからない旨を告げたが、
それならキャサリンさんの部下も喜んでやるとのことで、早速手伝ってくれることになった。
スキップ?しながら部屋を出ていくキャサリンさんを見送って、
コウモリメイドにはこのままでも十分美味しいが続けて試してみてほしい旨指示しておく。
美味しい食事は生活の活力。
ダークエルフさんが入れ替わりで来た。
ドライトマトっぽいスープを飲みながら報告。
長身のダークエルフさんに粗相がなかったか確認があった。
コウモリメイドさんと一緒になって寝かしつけるのは困った事は言ったが、
働きすぎを心配しての監視は魔王様からの指示なので、と謝られた。
どうやら今後も働きすぎている場合は寝かしつけられてしまうらしい。
私は幼児か。
部下としては文句なしについてきて色々教えてくれたし、
相談ものってくれたのでそれもしっかり報告。
相談内容は観光して思ったことも含めて報告。
これからの予定にもかかわる事なので、真剣に聞いてくれた。
パンが堅かった話は何言ってんだって顔されたが。
私が考えていたパンはもっとやわらかいものだ。
元いた世界によく似ているというかパンそのものだったんだが、
どうやら堅いものしかないらしい。
ダークエルフさんが身を乗り出す。
コウモリメイドさんが突然座る。
猫は膝であくびをする。
これはまたダークエルフさんとコウモリメイドさんが作るために試行錯誤を始めるだろうなと思った。
諜報部は勇者一行の動きが筒抜けなので今日も平和だ。




