観光だよ、黒騎士さん
いよいよ二週間の期限が迫ってきた。
夜中に内職しようとするとダークエルフさんに止められるし、
コウモリメイドさんから子守唄で寝かされる。
これでは幼児である。
どうしてこうなった。
いよいよ最終日。
コウモリメイドさんに見張られながら一晩過ごし、
朝起きたらコウモリメイドさんが寝始めた。
相方のコウモリメイドさんが撤収準備をしておくので寝かせてやってくださいとの事。
〇ぬほど疲れてるんだなと思って布団をかけてあげた。
朝食を食べて同じく起床したダークエルフさんと打ち合わせ。
今日は撤収の時間まで街の様子を見ておきたいと言ったら、
ダークエルフさんがお供に来てくれることになった。
魔王城に来てから、文化の同一性と差異に驚いている。
食生活など、農作物を食べる者が多いので特に興味深かった。
鍛冶なども見ても面白いかもしれない。
彼ら彼女らの給料のこともあるので軽々しく決められないが、
できるだけ要望は聞いておきたい。
ダークエルフさんに聞いたら、黒騎士様の考案であれば否やはありませんと来た。
いや丸投げされても。
何せ保存食開発のこともある。
猫もなんでもいいと返事が来ている。
労働環境の改善というのは難しいものだ。
頭を痛めながらとりあえず街中へ。
鍛冶屋や武器屋、防具屋、飯屋、工具屋等を見て回る。
魔王軍の一員として便利に使えそうなものはないかなと思って色々探してみたが、
これがなかなかうまくいかない。
鍛冶屋で金属を使った工芸品なんかも色々あるのはわかったが、使えそうなものがない。
何とか応用できないかなと考えて考えて、特にない。
私自身に武器がないのも痛手だ、指導ができない。
本屋はどうだろう、と思ったが活版印刷等の技術はないので手写しらしい。
案の一つ目は書籍だろう。
書籍も出回らないよなと思いつつ、店主にいろいろ聞いてみた。
そういえば人間側には学校や研究施設があったことを思い出す。
魔王軍でも同じことはできないか相談。
ダークエルフさん曰く、魔族から見て必要なのは対人戦法であることなので、
対魔族の戦法を学んでも種類が多いばかりであまり参考にならないと返事が帰ってきた。
もしかするとその思考自体が落とし穴では?とは思ったので、案の二つ目として保留。
武器についてもそういえば与えられたものしか使っていない。
元いた世界で使っていたものの中に何かないだろうかというのもある。
案の三つ目だろう。
道具については魔法で済ませている部分もあるので、金属を加工した道具を使わなくていい部分もある。
なら、魔法を使用して道具を代用することもできるだろうか。
これは案の四つ目。
魔王城に戻ってからの方が仕事多くないか、コレ。
考えることが多くてため息が出た。
街中にあるパン屋でいわゆる黒パンを買って食べる。
堅いパンをかじりながらどうしてこうなったと頭を抱えた。
夕方。
宿屋から荷物を全て回収して、街から出た。
道中気をつけてなと門番に見送られて、またちょっと両親が痛んだ。
ワイバーンに回収してもらうポイントへ移動。
報告書はまとめてあるが、魔王様に何から進言しようかと考える。
やることが多い。
どうしてこうなった。




