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謀略だよ、黒騎士さん

風化してちょっと寒い教会の机に紙を置いて、簡単に街中の地図を作る。

ダークエルフさんの案内で鉱山の簡単な地図も用意した。

ひとつめ。

兵士や成人男性、冒険者が大半であること。

それがどうした、と三人は首をかしげる。

攻めるのが大変くらいの認識だったらしい。

それだけではない。

基本的に成人男性の冒険者しかいない、というのはいつでも街が放棄できる証拠だ。

つまり、街として建設されてはいるが避難はいつでもできる前提。

住民が少なかったのがその証拠だ。

宿屋や武器屋が多いし、そこそこ大きい街なのに昼間から飲んだくれが多い。

避難訓練等はしていなさそうだが、大きいことがあるといつでも放棄できるのは間違いないだろう。

冒険者ギルドの資料室にも珍しい資料は見当たらなかったので、左遷に近い場所なのかもしれない。

ふたつめ。

さっきも言ったが昼間からのんだくれが多い。

鉱山で魔族が対処しているが、そもそも街に防衛意識が少ない。

鉱山のほうに攻略拠点があるせいか、街中にいるのは酔っ払いだ。

攻め入ったらすぐ尻尾を巻いて逃げ出すレベルなのは間違いない。

とはいえ、魔族側は昔決めたボーダーラインを超えた領地をとられない限り、取り返しに行かない前提で動いている。

鉱山内の防衛拠点はともかく、街はそのボーダーラインの外だ。

自主的に攻める必要を感じていないし、そこまでやろうともしていない。

これが逆手にとれる内容であることを説明した。

みっつめ。

強い魔物への対処が勇者頼みであること。

鉱山内ももちろん通路から採掘用に広がった空洞がある。

ここに強い魔物を配置して、防衛している状況だ。

防衛している魔物を治療したり、再配置したり。

これまではローテーションで防衛ラインを死守していたようだった。

ギルドの資料を見る限り、そのローテーションはある程度解析されている。

これも逆手にとれそうだが、そもそもこの魔物に私は注目した。

ついでに、ギルド側の地図とダークエルフさんが描いてくれた地図を見比べる。

大きなものから小さなものまで、人間側にはばれていない通路がある。

使えるものがいくつでもありそうな状況だ。

拠点の方を真正面から壊すのは大変、であれば街の方から潰してしまう方が簡単だろう。

しかし、魔族の方からは手を出さない。

魔族は昔取り決めた領地のルールに従いたいというので、搦め手が前提になる。

コウモリメイドさんにお願いごとをして、猫にも指示を出す。

ダークエルフさんにも一芝居お願いした。

流されて任命されちゃったけど、これで狙い通りに行きたい。

行くといいな。

行くよね?

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