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部下がついたよ、黒騎士さん

部屋でどうしたものかと頭を抱えていると、部屋にノックが。

誰だろう、と思って返事をした。

入ってきたのは一人の女性。

が、耳の先がとがっている。

流れるような銀髪。

肌も浅黒い。

目つきが鷹のように鋭い。

そして何より。

肉感に溢れたダイナマイトボディ、しかも布面積が少なめ。

鎧も付けているけど、背負っている弓を引くためか最低限。

目のやり場に若干困る。

思わずダークエルフ、という言葉が漏れた。

我々を知っているのか、と驚かれた。

いや知らない、と返したがどうして知っているのか根掘り葉掘り聞かれた。


元居た世界で、女性のような容姿の種族をそう呼ぶと聞いてようやく納得してくれた。

で、あれこれ聞かれた理由は簡単だった。

魔王軍の情報収集部隊。

ダークエルフさんは魔族側についている密偵とのこと。

そりゃあ、自分たちを知ってたら出所を疑う。

普段は正体を隠して活動する密偵なのだから、人間に知られているのがまずいのも納得だ。

で、なぜ自分の部屋に来たのか。

魔族軍の一派として働くのならば自分の部下となるためだそうだ。

ナイフと弓、また幻術が得意だそうで、色白になったり、耳を隠したり。

普段は幻術で人間に擬態して、人間軍の動きを探るために人間の街で生活しているそうで。

他に集落があるわけでもなく、全部で三十名程度。

全員が自分の部下となるらしい。

しかも全員が女性だそうで。

え、部下が全員女性ってこと?

だいぶ困る。

とても困る。

どこを見て話せばいいんだ。

顔を見れば切れ長の瞳に整った顔立ちが美しい。

下に視線を落としたら見事な山脈。

さらに下は引き締まった美しいくびれとへそが丸出し。

むちむちの太ももにモデルもかくやの長い脚。

ダメだ、視線の安全地帯がどこにもない。

多少の違いはあるが全員こんな感じらしい。

魔王様からはぜひ顔合わせをして、仲良くしてねとの伝達。

仲良くってなんだ、それどころではない。

おさまれ息子。

ダークエルフさんは、人間ながら身一つでここまで来るなんて大した奴だと思っていたらしい。

魔王様を相手に怯えもせず話が出来るのも評価していると。

黒騎士の鎧もあることだし、頼りにしていると笑顔で言われた。

うお、まぶし。

というか、何やら噂話が独り歩きしてない?


後日改めて今後の作戦をたてようと約束して、ダークエルフさんは部屋を去っていった。

魔王城についてからの様子で判断してもらっているようだし、悪印象ではない。

と、思いたい。

グッタリしていると、またノック。

今度は誰だろうと思って返事をすると、ずらりと並ぶメイドさん。

みんな揃って背中にコウモリの羽がある。

お付きのメイドさん、その数七十名。

全員入って広かったはずの部屋がぎゅう詰めになった。

彼女たちはどうやらコウモリに変身して、人間社会の情報収集をしているらしい。

魔王様と四魔将のお世話係としても数名ずつ派遣されているが、

それ以外のコウモリ魔族は全員私の部下になるそうで。

自己紹介されたが名前は覚えられなかった。

背格好も一緒なので判別もつかなかった。

丁寧にお辞儀して出ていくコウモリメイドさんを、申し訳なく思いながら見送った。

一気に部下が百名。

どっと疲れた。


元居た世界でも部下はいたけど、こんなに多くはなかった。

管理が大変だ、と思ってたらまたノック。

内心ヤケクソだったがどうにか返事をすると、猫だった。

猫?と思ったら言葉をしゃべり始めた。

やっぱり部下になるらしい。

彼?らも密偵の一環らしく、人間が住む街に野良猫という形で偵察しているらしい。

その数、無数。

百名で頭を抱えている場合ではなかった。

リーダーとしての役割を担っている一匹?があいさつに来てくれたが、正確な数はわからないらしい。

元の世界に野良猫ネットワークなるものがあったことを覚えている。

人間の王宮城下町にもネットワークがあるようで、私のことも知っていた。

勇者召喚されたのに離脱した人間がいた、という事で注目していたらしい。

四魔将ドラキュラのデザイアさんへ報告や魔王城へのつなぎを作ってくれたのも彼らなのだとか。

何より、苦労しているようでと労われた。

限界だったので、モフモフさせてもらった。

本人?というか本猫的にモフられるのは嫌でもないそうで、存分にモフらせてくれた。

ちょっとだけ回復した。

ふかふかのベッドでもう少し回復もした。

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