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屋上後天国

 しばらく言い争いをしていると、予鈴がなる。


「あ、もうこんな時間!急がないと!」


 四季が響の姿で慌てて屋上の出口へ向かう。

 響は軽くため息を吐き四季に続こうとして立ち上がりながら「四季!」と声をかける。

 四季は振り返り首を傾げると四季の姿をした響は、儚げに少し俯きながら、体の前で右の手で左手首を組むような姿勢をしていた。


「な、なんか、あったらなんでも言ってくれよ、助けになるから」


 聞く人が聞いたらツンデレかと言われそうな発言、見た目が変わり美少女になった四季の体での発言に四季本人は軽くときめき、自分の姿であることに気持ち悪さを覚え、発言の内容に困惑した。


「??こっちこそ?なんかあったら言って下さいね」


 そう言い四季は屋上の階段を降りる。それに続いて響も教室に向かった。




「あ!四季ちゃん、どこ行ってたの遅れちゃうよ次体育だよ!」


 そう教室の前で慌てた様子で小走りでこっちに駆け寄ってきた四季よりも背の低く小柄な女の子


(たしかこの娘は……依田よだ 美玲みれい、四季とはクラスで一番よく関わる娘だな)


「何見てるの?……メモ帳?」


 美玲は、響が覚えきれていないがために堂々と見ていたカンニングペーパーを指から抜き取るように取ってしまった。


「あ!ちょ、返して」


 響は焦って取られたメモ帳の一ページを奪い返した。


「あ、そんなことより体育だよ、更衣室急がないと閉められちゃうよ!」


「体育?……あ!体操着、持ってきてないかも」


 響はもちろん四季のクラスが今日が体育なんて知らないし体操着の場所も知らない。


「あれ?四季ちゃん体操着ロッカーに入れてなかった?」


「え、そうなの?」


「なんで四季ちゃんが知らないの?この前忘れると怖いから洗い終わったらとりあいず持ってきて学校に置いとくんだよねーって話してなかったっけ?」


「か、賢い」


「私がその時した反応じゃん」


 四季がいつもとなにかが違うことに違和感を覚えつつも、もちろん入れ替わりなんて超常現象に気付けるはずもなく、困惑しつつもロッカーに向かった四季について行く。



 ロッカーの場所は出席番号からある程度分かったので、ロッカーを開けると体操着があったのでそのまま、美玲と更衣室に向かった。


(……女子更衣室!?)


「どうしたの?立ち止まって急がないと」


更衣室の目の前で静止してしまう響、流石に更衣室の扉を開ける勇気は響にはなかった。


「あ、」


そんなことをしている間に内側から扉が開けられてしまった。開けた人は四季を一瞬みてから横に避けて通っていった。


「楽園?」


「何言ってるの?」


 扉の向こうには男であれば一度は夢想する楽園が広がっていた。

 響は蒸発した。


「四季ちゃん!?」



読んで頂きありがとうございます!

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