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青い石  作者: JUN
29/38

追っ手2人

 ジーナはそれらの調査結果を見て、考え込んだ。

(おいおいおい。こりゃ、マジかよ)

 確かに、皇都周辺の浮浪者達が教会へ集められたのは知っていた。教会で保護し、仕事や食事を世話するのだと聞いていた。

 そして特別奉仕員という名で子供が集められているのも聞いていた。しかし、詳しい事は聞いておらず、二度と世間に戻れないとか、家族とも会えないなどと言われていたとは知らなかった。

 そして、集められた浮浪者達と子供達は、消えたようにしか思えない。

 教会がその分の食事を準備している様子がないし、そこから出て行ったという様子もないのだ。

 そして、火事のあった夜を境にして、教会がバタバタとあの3人を探し始め、警察にも探すようにと手配書が回されて来た。

 が、容疑も名前も明かされていない。

 更に、これらの少し前から、頻繁に、皇帝と学者と法王が集まり、何度かこの教会施設へも行っている。

(きな臭いどころじゃねえな)

 しかし、いくら上に言ったところで、真相を話してもらえるとは思えない。あまりうるさく言うと、自分が消されかねない気がする。

(この3人は、もしかして特別奉仕員として集められた子供か?何か不都合な物を見たから、探し出そうとしてるとか。

 それに、あの死体は何だったんだ。あれは、自然に存在するものじゃねえ。

 あの近衛隊のやつも、命令であの3人を探してるんだったな。

 まさか、陛下達は、何か恐ろしい実験でもしてるのか?それであの3人はそれを目撃して、逃げ出したとか?)

 荒唐無稽だとも思うが、そもそもあの死体が、荒唐無稽としか言いようがなかった。

(子供達を探し出したら、どうなるんだ……)

 暗澹たる思いに、重い溜め息が漏れた。

 皇帝と法王に真っ向から楯突くのはまずいというのはよくわかる。しかし、わかっていて子供達を探して差し出すのもためらわれる。

「ああ、どうすっかなあ、もう」

 ジーナは頭をガシガシと掻いた。

 警察官として過ごして来たジーナは、探している3人を、間違いなくスレイ、セイ、レミだと確信していた。貴族であるエランにとっての少女とは、スカートをはいた楚々とした女の子だろうが、下町や村に行けば、男の子のような女の子もいるし、髪の色を染めたりして見かけを変える犯罪者も普通にいる。

(でもなあ。先にエランにとっ捕まったら、アウトだな。あいつはたぶん、ただ命令に従う事しか頭にねえ。子供達がどうなるかなんて、気にもしねえだろうな)

 ジーナはううむと考えた。

(犯罪者が国外に逃亡する事は、あるな。うん。俺達だって必死に探すが、事実だ。残念だが仕方がない。よし)

 ジーナは決心すると、おかしな事件、噂を追いかけ始めた。


 エランは被検体が戻って来ないので山に部下をやり、探させた。

 すると、確かに枯れた植物や死んだ動物が見付かったらしいが、どこにも被検体は見当たらなかったと報告がされた。

(おそらくは、死んだのだろうな)

 エランはそう考え、3人組の事を考えた。

(あの漂泊者の3人組と、ちょくちょく会うな。偶然か?いや、偶然なんて信じない。何かわけがある筈だ。

 わけか。あの3人が、探している3人か?髪の色も違うし、あれは少年3人組だったが……。

 待てよ。漂泊者をしているんだ。男装をしているのか)

 愕然とした。

(私としたことが――!)

 エランは唇を噛み、改めて、3人組を捕まえる方法を考え始めた。


 


お読みいただきありがとうございました。御感想、評価など頂ければ幸いです。

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