第四章
一日目の見学場所は、全部回り終わった。今は、宿舎に行き、面倒くさい(話が長いっ!!)入園式を終え、部屋に入り、ロッカーの場所をきめ、検温をし、親に出す手紙を書き終えたところ。(メチャクチャ長っ)
それさえ済めば、もう自由時間。
私は、自分で持ってきた、人生ゲームを、まっきーと咲希と、そして夏菜ちゃんとやった。
それから、お風呂へ行く準備も、した。
そうしていたら、
「食事係の人は、今からお風呂に入ります。準備をして、廊下に集まってください」
という、放送が聞こえた。
私と夏菜ちゃんは、食事係。だから、ゲームを中断して、準備してあるお風呂セット(?)を持って、廊下に行った。
そして、クラスは関係なしに、お風呂に入った。
ただし、五、六分で、お風呂から出なくちゃいけなかった。
もう、急いで頭を洗い、体を洗い、顔を洗った。湯船に入ってのんびりする時間や、友達としゃべる時間も、ない。
「ちょっと、無理のあるスケジュールだよなぁ・・・・・」
と、心の中で、私はつぶやいていた。
それでもなんとか、時間どおりにお風呂から出て、洋服を、急いで着て、外へ出た。
外へ出ると、向こうの方が、なんか騒がしかった。
「なんだろうね?」
私は、夏菜ちゃんに聞いてみた。
「たぶん、みんなが、お風呂に入る時間なんじゃない?」
夏菜ちゃんは、静かにそう言った。
そっか・・・・・。私たちは、みんなより早く、お風呂に入ってるんだもんね・・・・・。
そう言いながら、私と夏菜ちゃんは、部屋に戻った。
今は、普通の人たち(食事係以外の人たち)が、お風呂に入る時間。
つまり、部屋には、だれもいない・・・・・・・・・・。
・・・・・暇だ。だって、私の他に、夏菜ちゃんしかいないんだもん。
「・・・男子の部屋、遊びに行こっか」
私と同じことを思っていたらしい夏菜ちゃんが、そう言った。
私は、あんまり気のりしなかったけど、あまりにも暇だったので、行くことにした。
男子も、食事係以外の人は、いなかった。
「おっじゃまっしま〜す!!!」
夏菜ちゃん、男子の部屋なのをかまわずに、ずかずかと入っていく。私も、
「おじゃましまーす・・・」
と、ひかえめに言いながら、中へ入っていった。
「わっ!!びっくりした。なんで来んの!?」
中にいた男子が、かなりビビってる。
「えっ?暇だったからに、きまってんじゃん」
夏菜ちゃんはそう言って、軽くスルーした。(別に決まってるわけじゃ、ないと思うけど・・・)
「あっ!そうだっ!!ジャガーとしみちゃん連れて来よっと」
いきなりそう、でかい声で言った夏菜ちゃんは、部屋を飛び出した。
「ちょっ、ちょっと待ってよ、夏菜ちゃーん!!」
おいてけぼりをくらった私は、急いでへ夏菜ちゃんを追いかけた。
〜数分後〜
私たちは、ジャガーとしみちゃんを、半分強引に連れて来た。
「おじゃまします!!(再び!)」
また、男子の部屋にずかずかと入っていく。
部屋に入ってみると、男子が新たに1人、増えていた。
隣の班の、「桂木 健」(かつらぎ けん)だ。
で、暇だしなんかしようかという話になって、そして、トランプでもしよう、という話になった。
いたって普通のババ抜きだったのに、思いのほか、盛り上がっていた。
「よっしゃー!!あがりー!」
一番にあがったのは、ジャガーだった。
と、そのうちに。外が騒がしくなってきていた。どうやら、みんなが帰ってきたみたいだ。
「やべぇ、おい、早くしろ、早く!!」
桂木が、そう言うと、後片付けもしないで自分の部屋にもどってしまった。
・・・桂木より、私たちの方が、ばれたらヤバいんですけど・・・?
そう心の中でツっこみつつ、私たちもあわてて部屋にもどった。
それからすぐに、食事係はよびだされた。